インバウンドコラム

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【海外メディアななめ読み】第1回: Sakuraの世界進出

 

先週、東京の桜が見頃と聞いて、イソイソと新宿御苑を訪れて見ると、満開の桜を目当てにたくさんの人が集まっていました。そこで聞こえてくる言語の多様なこと!桜は今や、日本だけでなく、世界中をそわそわさせています。

タイの新聞、Bangkok Postは、東京の桜が昨年よりも2日遅れで開花したことや見頃の時期、東北や北海道では4月中旬から5月の初めまで楽しめることを伝えています。日本で聞く「桜便り」のような内容に、タイでも日本の桜への関心が高く、実際に見に行こうと考える人が多いことが伺えます。

オーストラリアの旅行サイトTravellerには、カメラや携帯電話を手にした人々が上野公園に殺到する様子が掲載され、Bloombergは、世界中のアマチュアフォトグラファーにとって日本の桜は年に一度の大イベントの一つであるとして、桜を撮る際のコツを伝授しています。

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同じくBloombergは、日本が桜をいかにマーケティングに有効活用しているかにも注目しています。桜をコンテンツにアジアからの観光客が増えていることと同時に、桜をイメージしたパッケージのお茶やビールに桜フレーバーのドリンクなど、「季節限定商品」が続々登場することが紹介されています。四季のある国は珍しくありませんが、これほどまでに季節の花をテーマにした限定品が溢れる国を、私は他に知りません。

最後に少し別の方向から京都の桜に注目した記事をご紹介します。

The Washington Postでは、桜の開花時期に着目し、地球温暖化との関係について考えます。大阪府立大学准教授青野氏が集めたデータでは、京都の桜の開花状況は西暦800年まで遡れるそうです。800年から1850年までの期間は、ある程度一定だった開花時期が、ここ150-200年の間に顕著に早まっているというのです。

記事中で気候科学者が述べている通り「京都は地球上の一つの地点」なので、これをもって地球規模の温暖化に即結びつけることはできないかもしれませんが、桜が優雅に咲きながら地球の変化を知らせてくれていると考えると、畏敬の念を禁じ得ません。西暦800年の開花状況を知るすべがあることにも、私は驚きました。日本人は長いあいだ桜を大切に愛でてきたということですね。その桜が、今は世界の注目を浴びているのは、くすぐったくも喜ばしいことです。

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