インバウンドコラム

1回 NATAS Summer 2014レポート「シンガポールで市場を確実に獲得する重要ポイントは?

この8月のシンガポールで開催されたNATASは、来場者数が減り、売上も減少傾向だったという報告も。いったい何が原因なのでしょうか。またどのような対策で、シンガポール市場を伸ばすことができるのか。
そのヒントを披露いたします!

目次:
BtoBからBtoCの時代
お得好きシンガポール人のハートをつかもう!

 

BtoBからBtoCの時代

毎年恒例の2月と8月に行われるNATASトラベル(シンガポール旅行博)には、海外旅行を予定しているシンガポール人たちが、よりお得な旅行関連商品や情報を求めてやって来る。

国内最大規模の旅行イベントではあるものの、実はここ数年その勢いに陰りが生じている。直近では8月29-31日に行われ、来場者数は、前年同期比1割減の5万6,189 人だった。

地元の新聞発表によれば、参加旅行各社の成約額も1~2割減に落ち込んだようだ。

その落ち込みの最大の理由は、何なのだろうか?

それは、旅行代理店を通さずに、オンラインでダイレクトに航空券の購入やホテルの予約をする人が年々増えていることだろう。

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特に、スマートフォンを使い慣れている世代の人たちは、NATASでは情報だけを収集する。そして実際の旅行商品の購入や手配は、インターネットを通じて行うというケースが目立つ。

世界中から人・モノ・情報が集まり、世界TOPレベルにまで経済が成熟したシンガポール市場では、旅行業界もFIT=個人旅行客を対象にしたPRが有効である。

 

お得好きシンガポール人のハートをつかもう!

シンガポールでは日本よりも一人当たりのGDPが高い。
持ち家率が高く、お金持ちが多い。

そんなシンガポール人のハートをつかみ、集客・購入につなげたいと思うのであれば、覚えていて欲しいポイントがある。

シンガポール人(主に人口の70%以上を占める中華系)の根本には“人より得したい”という潜在意識がある。

また、一方で、経済的にどんどん豊かになっているため、価値があると思えるものにちゃんとお金を使いたいという心理も働くのである。

そんな事例を一つ上げたい。

1年前の弊社ブースでは、東京のホテル及びその周辺の旅館をプロモーションした。
都内ホテル及び周辺旅館より宿泊券を提供してもらい、抽選会のイベントを行った。100名以上の行列ができるほどの大反響だった。

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ある長野の温泉旅館の宿泊券(1泊3万円相当)が当たった夫婦は、2カ月後に九州に行くことが決まっていた。しかし、せっかく長野の温泉旅館の宿泊券が当たったので、九州旅行から戻って2~3か月後、積雪を見計らって、長野へ向かうことにした。そして、さらに有名なところにも泊まろうということになり、1泊6万円の高級宿にも宿泊。雪見露天風呂を満喫してきたそうだ。

その夫婦は、それを報告しに、今年も弊社ブースにわざわざ写真を見せにやってきてくれたのだ。

1泊3万円の宿が当たったと喜んで、渡航費+宿泊費でおそらく数十万円を追加でポンと支払えるくらいの金銭的に余裕がある夫婦だったにも関わらず“今年は何が当たるの?”とさらに抽選に意欲満々であった。

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ラッキードローのスタートまで2時間近く待つ間、会場内を、ぶらぶらし、再び行列に並んだのだ。

結果は残念賞でキットカットの抹茶味。

ちなみに一等賞は渋谷のセルリアンホテル宿泊券だった。

もともと品のよい夫婦なので、外れたからといって、文句を言うわけでもなく、“今年の冬もまた日本に行くからね~、宿泊券外れたので渋谷に行くかどうかはわからないけれどね~”と言って、笑顔で去って行った。

この夫婦のみならず、人より得をしたと思っても、結局はそれ以上にお金を使うというシンガポール人は特に珍しくはない。“人より得をしている”という満足のためにお金を払っているようなところさえあるのだ。

もし、読者の皆さんが、海外旅行を気軽に楽しむ一定所得層のシンガポール人市場を獲得したいと思うのであれば、価格で勝負するのではなく、
“人よりも得している”、
“特別扱いされている”、
“人が知らない日本を私は知っているのだ”
という自己満足度をくすぐることが、キーワードだと知っていただきたい。

そして、そのような“おもてなし”は日本人がもっとも得意な分野なので、日本へのシンガポール人観光客の誘致は、まだまだ伸びしろがあると確信している。

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