高宮暖子氏(英語通訳案内士) - 現役通訳案内士インタビュー

現役通訳案内士インタビュー第1回

通訳案内士コーナーの新コンテンツとして「現役通訳案内士インタビュー」を開始いたします。

記念すべき最初の通訳案内士の方は、やまとごころ.jpでもブログを書いてくださっている高宮暖子さんです。高宮さんは、2002年資格取得直後に長女出産、育児を経て2005年に仕事を始められました。現在は福岡在住で、九州や東京を中心にご活躍中です。また、JGA理事も務めていらっしゃり、様々な講演もなさっています。幅広い人脈の持ち主でもいらっしゃる高宮さんの人気の秘密を探ってみました。

以下、インタビューの内容です。

Q1.通訳案内士になったきっかけを教えてください。

通訳案内士 高宮暖子氏 ☆IT系の企業にいました
学生時代の私は'就職氷河期'だったにも関わらず、あまり危機感がありませんでした。通訳案内士になろうとは全く考えていませんでしたし、残業がなくて銀座に近くて、安定していて、プライベートを充実させたい・・・そんな程度の意識でした。それでも、たまたま採用していただいたIT系の企業で上司や先輩に恵まれまして、卒業後5年間もお世話になりました。

仕事の内容は、小中学校や自治体のコンピューター教室の営業でした。(当時は学校や自治体にパソコンが導入され始めた頃でした)、海外企業との取引も多かったため、通訳・翻訳のお手伝いもしていましたし、ネットワーク図面や企画書を作ったり、それから社内のイントラネットも任せられ、IT活用力を身につけることができました。

入社して5年経った頃、結婚を機に円満退社しました。とても恵まれた環境でしたが、出張や残業も多く、子供を産んだまま続けるのは難しいと思ったのです。もっとも今は当時よりハードな仕事をしていますが・・・笑。それから、当時は教育給付金制度といって、正社員として5年間以上勤続した人を対象に、国から学費を援助してもらえる制度がありまして、これを活用してスキルアップしたいと思い立ったのです。数ある資格試験のなかから挑戦しようと決めたのが、通訳案内士の試験でした。

☆通訳案内士を目指すきっかけをくれた2人
しかし、通訳案内士を目指すことになった最大のきっかけは、2人の人物です。1人目は、今は亡き祖父。今は大学生の頃、通訳案内士のことを紹介した記事の切り抜きを見せてくれました。女性が英語力を生かして一生続けられる仕事だよと。その時はまさか将来自分がなるとは思っていませんでしたが、通訳案内士という仕事の存在を知るきっかけになりました。

もう一人は、ロンドン交響楽団の英国人バイオリニストさんです。大学2年生の夏休み、単身ロンドンに行く飛行機で偶然隣り合わせました。飛行機のなかで思いがけず話が弾み、お互いほとんど寝ずに喋り続けていました。その方は、私の英語がアメリカンだと言い、イギリス英語に直し、私の単語帳を見てレッスンしてくださいました。まるでマイ・フェア・レディのように(笑)。ヒースロー空港で連絡先を交換しまして、以来お付き合いが続いています。

毎年コンサートで来日なさるので、そのたびにお会いするのですが、英語を使うことの楽しさを教えられ、モチベーションがぐんと向上しました。また彼を通して、彼の素晴らしい友人にも知り合うことができ、さらにご縁が広がっています。

Q2.仕事のなかで心がけていることは何ですか?

3つあります・・・英語でいってみますね!

1つ目は、"Full of energy"です。
人が送る'気'は、天気と同じくらい大きな影響力があると思います。 ガイドはムードメーカーですから、雨がざあざあ降っていても、 元気いっぱい、明るい'気'を送らなければいけません。

2つ目は、"Keep smiling"。
笑顔にはいろいろあると思います。パァッと相手を元気づける笑顔もあれば、優しい癒しの笑顔も。お客様の状態に合わせたムードづくりが大切だと思います。疲れているお客様には癒しの笑顔、楽しもうとなさっている時にはテンションを上げるような満面の笑み、というふうに。 また、声のトーンも気をつけています。人間は耳から受ける影響がとても大きいですから、時には穏やかに、時には元気よく・・・と自在に変えています。ピアノを弾くのと同じですね。表情や声でお客様を心地よくするように心がけています。

3つ目は"Ladies First"です。
女性と男性の両方が居る場合、7、8割の注意を女性に払います。例えば、昼食中に雨が急に降ってきた場合、私だけそっと抜けてバスに傘を取りに行くことがあるのですが、全員分の傘を持ちきれない場合は、女性の分だけ、あるいは女性が2人で1本させる数だけ運びます。欧米系の方は"Ladies First"の習慣が強いので、特に夫婦やカップルなどの場合、女性の満足度が第一です。女性に大目に配慮して喜んでいただければ、パートナーの男性もハッピーになれるような気がします。パートナーの女性を国に残して単身出張される男性のお客様をガイドする場合は、預かったお土産希望リストの買い物遂行に奔走します(笑)。

Q3.初めての仕事について教えてください。

通訳案内士の試験に合格した後、出産・育児を経て、娘が2歳になったとき、JGAの新人研修(東京)に参加しました。研修の最終日にエージェントの担当者様がいらしていたので、お話しして会社訪問させて頂きました。2度目の訪問のとき・・・その日は関東から福岡に引っ越す当日だったのですが、熊本のファミリーツアーをご依頼いただきまして、それが初めての仕事になりました。

さて、お受けしたのはよいのですが、初めて暮らし始めた九州で、右も左もわからず、もちろん熊本についてもなにも知りませんでした。助けてくれたのは義両親、車で熊本を案内してくれました。長崎デビューの際も、車で連れて行ってくれました。本当に本当に、頭が上がりません。

また、ツアーでご一緒したドライバーさんにも大変助けられました。初仕事の日は天候の事情で阿蘇のカルデラが見ることが出来なかったのですが、その代わりにイチゴ狩りにお連れしたのですが、その機転を利かせてくださったのはドライバーさんです。お子さんたちが大変喜んでくれました。ツアー後には、お手紙も送ってくださってとても嬉しかったです。

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