インタビュー

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2017.04.07

株式会社セームページ 代表 高木昭博氏

荷物を預けたい人と預かる人をマッチングする新サービス「Tebura」

 

訪日外国人の増加に伴い、困りごとも増えている。その一つが、荷物の問題だ。大きなスーツケースを転がしながら街中をウロウロしていては、観光も楽しむことができない。大きな荷物が入るサイズのコインロッカーは少ないうえに、その場に行かないと、ロッカーが空いているかどうかわからない。その課題解決に、ITとシェアリングエコノミーの発想で挑むベンチャー企業「Tebura」が現れた。

 

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新しく立ち上げた「Tebura」とはどのようなサービスですか?

街中で大きなスーツケースを引っ張って歩いている外国人観光客が増えました。なかには、コインロッカーを探して、困っている人も見かけます。例えば、早朝、羽田空港に到着するフライトで訪日する場合、その晩に泊まる宿を訪れて荷物を預け、そこから観光という流れになり、大幅に時間をロスします。こういった課題をITでマッチングさせて解消しようというのが我々のサービスです。やはり、大きなスーツケースを預けることができると、観光が楽しくなり、動きも活発になりますからね。

使い方は、インターネットで「Tebura」のサイトにアクセスして、目的地のエリアを検索します。そこに掲載されている場所をクリック。予約するには、名前、電話番号、メールアドレスを登録するだけです。支払いは事前にクレジットカードでの決済になります。預かり場所から許諾の返信が届くと、契約成立となります。

「Tebura」のサービスを使うと街中で荷物を預けることができ、なおかつ出発前にインターネットを利用して予約が可能なので、預け場所を探してウロウロする必要もなく安心です。

 

どこで荷物を預けることができますか?

このサービスの目玉は、預かり先です。これまでの手荷物預かり所とは異なり、店舗や会社の空きスペースを利用しています。現在は、東京、関西圏の観光地を中心に荷物預け先として登録いただいています。シェアリングエコノミーのビジネスモデルです。例えば、夜のみ営業の居酒屋の場合、オープンが夕方以降になり、昼は仕込みのためにスタッフはいるものの、収益にはなっていません。そこで、荷物を預かることで、営業時間以外でも収入を得ることができるようになります。

昨年(2016年)2月にマスター版がスタートして、8月にグランドオープンとなった際には、16施設に預かり所として登録いただきました。参加施設は、早い段階でHISさんにご協力いただきました。旅行会社としては、外国人に着地型の商品を案内でき、なおかつ預かりサービスで収益があがるので、Win-Winの関係を築くことができます。レストランも、今後外国人集客に力を入れたいお店などは、PRに活用できるので。今後様々な業種のなお店に参加いただけるのではないかと考えています。

 

外国人利用状況について、教えてください

外国人観光客の利用が一番多い国は中国です。アプリは英語版しかないにも関わらず、中国人が多いことには驚きました。やはり、ショッピング目的での利用が多いようです。当初、想定していたホテルへのチェックイン前の利用というよりも、旅中での利用、または、おみやげをまとめて買った後、観光してから宿に帰る前での間の荷物預けとして利用するケースが多いということがわかってきました。

また、外国人利用者への認知度を向上するために、検索の上位戦略をとっています。全国の駅や観光地のコインロッカー情報を英語で作成し、ポータルサイトを構築しました。海外の方が日本で荷物を預けたいときに検索する際に、グーグルの検索エンジンでひっかかるようにしました。

 

スタートした経緯について教えてください

2015年2月にバングラデシュで設立しました。そして同年10月に国内法人も設立しました。

私がインターンプログラムで、バングラデシュに渡り、起業することになりました。何かが学べると思ってバングラデシュに行きましたが、実際、街の子供たちは、貧しいながら賢そうな目を持っています。世界の情報格差をなくせば、豊かになれるチャンスが広がると思いました。

さて、本サービス「Tebura」の企画に至るまでは、試行錯誤の連続でした。受託事業で会社を運営しつつ、自社オリジナルの新規事業を模索していました。世の中の新規プロジェクトは、海外の先行事例を真似るケースが多く、私は日本発の新しいサービスの実現を目指していました。世界に通用する開発をすることが夢でした。そんなおり、自分自身の必然性として、Teburaのサービスが生まれました。

海外に行く際に、私は好んでAirbnb(エアービーアンドビー)を利用して宿泊先を探すのですが、宿泊先が、都心よりも郊外にあるケースが多いです。そうすると、空港に到着した後、いったん郊外の宿泊先まで足を運び、チェックインした上で、再び都心に出かけることになります。これはかなりの時間のロスです。空港からの通り道にある都心でコインロッカーに預けたいと思うのですが、なかなか見つかりません。そもそも海外では日本のようにコインロッカーがどこにでもあるというわけではないのです。

さらに、国内出張で地方を訪れた際も、コインロッカー探しに苦労した経験があります。地図でコインロッカーを見つけて、その場所を訪れても、すでに誰かが使っているなど、空振りに終わることも多かったのです。

そのようななかで、荷物の問題は万国共通ではないかと考え、その課題解決のプロジェクトとしてスタートしました。

 

今後の展望と目指すものは

今後の展望は、Teburaのサービスをしっかりと全国に根付かせ、同時に海外展開を視野に入れたいと思います。民泊について前向きな国であれば、新しい体験への抵抗感が低く、荷物を預けるという行為が進展する可能性があります。

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また、このサービスは、ソーシャルビジネスなっていて、利用料から一定の割合で寄付をしていて熊本の被災地支援にあてています。今後はバングラデシュへの寄付もしていきたいですね。仕組みとしてこのプロジェクトを利用することで、具体的に誰の役に立つのかわかるものを目指したいです。

 

取材後記:

代表の高木さんは、自身のビジネス服を忍者の格好にしているそうだ。常にユニークな発想で実行するのだろう。

 

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