インタビュー

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2011.09.26

北都ベリアールサービス株式会社 取締役専務 木村行宏氏

インバウンドの土台を支える交通インフラ。今回の企業インタビューでは、近年インバウンド市場が盛り上がりを見せている北海道から北都ベリアールの木村行宏専務をお迎えし、バスを中心としてインバウンドへの取り組みや今後の展望についてお話を伺いました。

目次:
観光バス事業
インバウンドに取り組んだきっかけ
北海道とインバウンド
今後への展望

御社の観光バス事業についてお聞かせ下さい。

私たちの会社は1983年に設立され、元々葬儀や霊柩車を専門に扱っていました。観光業界に参入したのは2000年で、小型貸し切りバス3台を投入してバリキャブ事業部を立ち上げました。観光についてはわからないことだらけでしたので、最初は同業者との連携で仕事を広げながら、観光バス業界について勉強させてもらいました。

現在私たちは大型バス13台、中型バス4台、小型バス6台 マイクロ5台を所有しています。福祉ハイヤーやリムジン、タクシーも揃えています。社員は50名ほどいます。

私たちの強みは、車種が豊富なのでお客様の多様なニーズに対応できることです。北海道では大型バスが主流で、中型バスや小型バスのある会社は多くありません。少人数だけど荷物が多く、でも大型バスなんて必要ない、というインバウンド特有の悩みも、バリキャブならお客様のニーズに合わせた車両選択をすることが出来ます。バス事業の名前VARI-CABはVariation Cabinの略ですが、名前の通り、多彩な車種を駆使して、団体ツアーからお体が不自由なお客様への対応まで、さまざまなシチュエーションに対応しています。

インバウンドに取り組んだきっかけを教えてください。

バリキャブ事業を立ち上げてから、最初の4、5年は国内旅行のみ対応していました。インバウンドに少しずつシフトを始めたのは、6、7年前からです。きっかけは、個人グループの外国のお客様を国内のエージェントから紹介していただいた時に、現場のドライバーがインバウンドの需要を実感したことでした。ちょうど国内旅行のニーズも下がっている時でしたので、増えてきた海外からのお客様に可能性を感じました。

 

バスの運転手は、外国から来たお客様と旅の最初から最後まで唯一共にする日本人です。当社のドライバーは職人気質でこだわりがあり、どうしたらお客様に喜んでいただけるかを各自考えています。水を用意したり写真撮影のお手伝いしたりするなど、様々な工夫をしています。交通機関は縁の下から旅行を支え、なかなか評価が表に出ませんが、過去には乗務員の対応の良さから、お客様から感謝のメールをいただいたこともあります。

 

 

昨年からはインバウンドをより強化するため、東京に事務所を設置しランドオペレーターに対してセールスを行っています。国内旅行はある程度業者が限られていますが、インバウンドは大手でなくともたくさん仕事を取り扱っている会社が多いので、情報収集をしつつ、細かくセールスをしていきたいと思います。

 

 

北海道のインバウンドを取り巻く現状について教えていただけますか。

北海道では、ここ5、6年の間に外国からのお客様が増え、道内の道の駅では多言語表記が徹底されるなど、インバウンドのインフラが整ってきました。

 

今回の東日本大震災では被害の直撃を免れたものの、6月までは対前年比3割程度の売り上げと大きく落ち込みました。震災前に好調だったインバウンドの流れを断絶させないために、また、実際に北海道に来て問題がないことを知ってもらうために、私たちもサービスの値段を下げてインバウンドの回復に協力してきました。ただ、現在の北海道にとっては、震災の影響よりも円高の影響が大きいと感じています。

 

今後の展望をお聞かせ下さい。

インバウンドのお客様を増やしていくためには、言葉の壁を乗り越えなくてはいけません。地方都市では外国からのお客様に対応出来る人材が不足していますので、今後は社員教育に積極的に取り組んでいかなくてはいけないと考えております。

また、ニセコなどのリゾート地では、滞在型のお客様が増えています。空港からリゾート地までのアクセスの需要はあるものの、まだまだ供給が不足している状態なので、私たちも参入していきたいと思っています。さらに、フットワークが軽く、ノウハウを知っている地域のバス会社と連携をして、お互いが足りない部分を補完しながらサービスを行っていくことも考えています。

今後は、ツアーの内容についてももっと提案していきたいと思います。特にFITに対しては、ハイヤーでの送迎をより積極的にアピールしていくつもりです。私たちは点と点を結ぶ役割を果たしているので、「点」となる目的地や滞在地となる部分についても、北海道をアピールできるような形でセールスをしていきたいと思います。

取材:Kanako Morishita

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