インタビュー

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2011.05.26

株式会社アガルタ 代表取締役 長屋幸二氏・チーフディレクター 川出浩隆氏

株式会社アガルタは、外国人に「パチンコ」という日本文化を紹介すると同時に、大手ディスカウントショップや近隣の宿泊ホテルとタイアップした「多言語地域マップ」や、「パチンコの遊び方」といった多言語マニュアルの制作など、パチンコのPRのみにとどまらず、実際に外国人をホールに誘致し実際に遊んでもらい、さらにはリピーターになっていただこうという総合的なプロモーションを目指しています。パチンコ業界も注目する株式会社アガルタの取り組みについて、お話しを伺いました。

目次:
インバウンド業界に参入したきっかけ
外国人受け入れ時の課題と工夫
パチンコによる「アフター7市場」開拓で地域活性化を
今後の課題と展望

●インバウンド業界に参入したきっかけ

まずは、インバウンド業界に参入しようと思ったきっかけから教えていただけますか?

代表取締役 長屋幸二氏

リーマンショックによる景気低迷以来、パチンコ業界も客層自体がすでに固定化されており、国内のみでは頭打ち、という現状でした。そうした中、日本への外国人観光客が年々増加しているという背景、さらには2010年7月からは観光などを目的に訪日する中国人の個人観光ビザ発給条件も緩和されることとなり、今まで以上に外国人観光客が訪れると思い、ここにパチンコ業界の活路があるのではないかと考えました。

また、米国のマーケティングリサーチ会社が日本への旅行を考えている外国人に調査したところ、日本で体験してみたい文化の第4位に「パチンコ」が挙がっているという事実を突き止め、それは確信に変わりました。

実験版として稼働させていた多言語パチンコポータルサイト「PACHINKO-PLAY.COM(パチンコ・プレイ・ドットコム/http://www.pachinko-play.com/)」を2009年8月にリニューアルし、2010年4月から、本格的に稼働を開始いたしました。

 

●外国人受け入れ時の課題と工夫

具体的に、外国人向けに行っている取り組みを教えてください。

外国人のお客様誘致に積極的なホール様にヒアリングをして、7カ国語を一冊にした「パチンコガイドブック」を制作いたしました。英語、中国語(簡体)、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ロシア語そして日本語です。

ガイドブックには「パチンコやスロットの遊び方」をはじめ、「台を叩かない」、「複数の台を一度にプレイしない」など、日本人の遊技客にとっては当たり前の注意事項もあえて掲載し、パチンコに触れたことのない外国人目線に沿った内容にいたしました。このガイドブックは、パチンコ・プレイ・ドットコムに掲載いただいているホール様に安価で販売しています。

この他にも、店頭掲出用のウェルカムポスターや店則ポスター、各言語によるパチンコ・スロットの遊び方POP、その他オリジナルの多言語販促物の制作も承っております。

 

●パチンコによる「アフター7」市場開拓で地域活性化を

実際に外国人を呼ぶ工夫としてはどのようなことを行っているのでしょうか。

大手ディスカウントショップのドン・キホーテ様やその近隣の宿泊ホテルとタイアップして、各エリアの多言語地域マップにパチンコホールを掲載しています。この多言語地域マップは、2011年7月現在で池袋、新宿、大阪、北海道、横浜版を展開しています。今後も随時エリアを拡大していきます。

皆様ご存知の通り、中国人観光客をはじめドン・キホーテ様は今や日本の主要なショッピングスポットのひとつになっています。そのドン・キホーテ様発行の多言語地域マップを、提携宿泊ホテルのカウンターでルームキーと一緒に手渡しされるものなので、街中でのフリーペーパーとは信頼度が違いますし、外国人観光客に確実に手渡しする事が可能です。パチンコホールを掲載することで、食事後の「アフター7」を楽しむ場として、誘致を図るのが狙いです。

日本は、この「アフター7」の情報提供がまだ弱い。ここにパチンコホールやその他遊技スポット市場の活路があると思います。

また、石川県七尾市にある老舗旅館の加賀屋様をはじめとした温泉街の地域活性化にも取り組んでいます。温泉に入り食事を堪能した後の楽しみとしてパチンコホールを紹介し、温泉街と地元のパチンコホールとを結びつけ、「アフター7」市場の開拓に繋げるのが狙いです。現代的なスロット式の台ではない、昔ながらの日本的な文化の香りが残るパチンコホールが地方の温泉街にはたくさん残っています。「日本文化の体験」という視点から「アフター7」の導線を確立することができれば、他の地域での応用も十分に可能だと思います。

 

●今後の課題と展望

御社が考える今後のインバウンドに対する計画などを教えてください。

日本に来る外国人がパチンコに興味を持っているという調査結果が出ているとはいえ、実際には外国人がホールを訪れても店内には入らず店頭で写真を撮るだけ、というところが現実です。実際に遊んでもらうには各店舗での努力も必要です。

遊んでもらうために、現在、大手旅行会社に「パチンコ体験ツアー」を組み込んでもらえないかと提案しております。ただし、それを実現させるにはホールの一角を「外国人体験コーナー」として解放する、遊技方法や店則といった店内インフラを多言語で取り揃える、外国人観光客が好みそうな景品を充実させるなど、様々な戦略が必要です。

1円パチンコなど従来よりも低い投資金額で楽しめるものがある、ということも周知徹底していかなければならないとも思います。

また、これはパチンコ業界から見れば「アウトバウンド」になりますが、今年6月にマカオで行われた「グローバル・ゲーミング・エキスポ・アジア」に、近畿日本ツーリスト様と組んで日本のパチンコ・スロットを世界にPRすることも始めました。海外のカジノで日本のパチンコやスロットが設置されるようになれば遊び方もわかってもらえますし、遊技台を製造する際の多言語化にも繋がるのではないでしょうか。

パチンコは日本国内でも一部ダーティーなイメージがありますが、業界を挙げて健全化に取り組んできた結果、接客マナーやおもてなしなどは、旅館やホテルに負けないクオリティがあります。そういったところも広くアピールし、ぜひとも日本の観光政策、さらには地域活性化のお役に立ちたいと考えております。

(取材:西尾知子)

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