インタビュー

2015.10.22

香港エクスプレス航空 最高経営責任者(CEO) アンドリュー・コーエン氏

LCC効果で地域のインバウンドが活性化!

9月18日、中部国際空港セントレアでは、香港エクスプレス航空の名古屋就航1周年を祝うイベントが開催された。最高経営責任者(CEO)のアンドリュー・コーエン氏が来日し、中部国際空港社長の友添雅直氏が来賓を代表してお祝いを述べるなど、歓迎ムードのなか、式典が行われた。終了後、単独インタビューに応じてもらった。LCC(ローコストキャリア格安航空会社)に長く携わってきた実績をもとにコメントをいただいた。

目次:
香港エクスプレス航空の概要について
強みについて
地方都市の就航について
急拡大する市場に対してどう対応

1:香港エクスプレス航空の概要について教えてください

もともとは、LCCの航空会社ではなく、香港エアラインという一般の航空会社として2004年に設立しました。2013年10月27日から、現在のLCCに業態転換をしました。

当時は、LCCの市場が大きくなってきているタイミングで、ちょうど中国から資金が調達でき、一気に推し進めたのです。

私は、これまで世界7社のLCCに勤務経験があり、豊富な経験をいかせました。ベトナム、フィリピン、クェート、さらに日本のLCCもあります。それはピーチで、立ち上げメンバーでもありますよ。

香港エクスプレスの場合、もともとあった会社を転換することがミッションだったので、以前よりは難しくなかったです。ゼロからの立ち上げでしたら、かなり困難だったと思います。
強いてあげれば、リストラクチュアが厳しかったですね。

さて、日本マーケットですが、たいへん熱い市場だと思います。
ラッキーだったのは、ちょうど、香港を含め中国人が日本に行きたいというニーズが高まりだしたのです。
一方、アウトバウンド的にも追い風です。日本人は慎重に用心深く買う傾向があり、高いものはあまり買いません。
だから安い価格の航空会社を使うという時流があり、そのサービスとマッチしていると確信を持っていました。

LCCは空の旅に通常の航空会社と同様の高いレベルの安全性を提供します。そして最も安い運賃を提示することが可能。LCCがなければ旅行をしなかった人々が、航空機で旅行できるようになっています。新しい市場開拓につながっています。

これまで200万人以上のお客様の利用がありました。

おかげさまで、数々の賞をいただき、香港で有名な香港ブランド2014にノミネートされたり、アジアのトップ10バジェットエアラインに選ばれたり、さらに釜山観光公社のベストマーケティング賞を受賞など、たいへん栄誉なことです。

今後も低価格、高い定時運行率、そして安全性に注力して参ります。

2:貴社の強みを教えてください

LCCの競合も増えており、強みを持つことも大切です。

我々の場合は、ネットワークを持っていることだと思います。業態転換以来、どんどんネットワークを拡大していきました。今は、タイ、中国、台湾、日本、韓国、ベトナム、カンボジアなど拡大中で、現在はアジア22都市へ就航しています。
最近就航したのは、韓国の済州島、カンボジアのシャムリアップ、そして10月27日には日本の広島に就航予定です。

香港からは、羽田にも成田にも行くことができ、選択の幅があります。また東京から広島に陸路で旅をして、そこから香港にダイレクトに帰れます。オープンジョーとしてつなげられるので、日本をまわる際に、旅先の機会を多くつくれます。
やはり1都市だけではないというのは、重要だと思います。

また、日本の方には、香港から乗り継ぎ、アジア各都市を結んでいるので、チェンマイ、ダナンなど、多くの場所に行けます。

もちろん安いことも強みです。アジアを旅行するのは、面白く、エキサイティングです。しかし、交通インフラは価格が高い場合があります。そこで、我が社は通常より60%~70%の低価格を実現しています。

また、LCCの場合、時間が遅れるという懸念を聞きます。しかし、香港エクスプレスは定時発着率が強みです。航空運行モニタリング情報サイトでは、定時運行率において高い評価をいただいており、82.7%を誇ります。

機内サービスも強みになっております。
「エクスプレス・カフェ」があり、香港的体験をテーマに、点心をはじめとする香港の料理や、その他の温かいお食事などを提供しています。

また2014年8にはエビ餃子を塗装した飛行機が就航し、同年12月には肉まんの塗装も運行開始するなど、搭乗するときから香港的体験をできます(笑)。

3:広島に就航予定ですが、地方都市の就航について教えてください

LCCとしては、大都市に集中するのは王道ですが、すでに羽田、成田には1日2便が飛んでいます。
そこで中規模の都市圏に参入するのです。インバウンドだけではなく、アウトバウンドの需要が見込めることも鍵になります。
広島は関空や福岡から程よい距離に位置していて、いろいろな組み合わせで観光ルートが構築できます。

また、広島は海外でも有名な都市の一つで、「原爆」という悲しいできごとのあった場所として。しかし、そこを訪ねたいというニーズも高いのです。

一方、札幌に関しては、すでにグループ会社が就航しているので、戦略上、予定はありません。

おかげさまで、名古屋は就航が1周年となります。JALとANAを合わせた数よりも多くのお客さまを名古屋・香港間に運んでいます。

愛知県の観光部の方から、香港エクスプレス航空の就航は、インバウンド需要を大きく伸ばしたと言っていただきました。今年の1月から6月における昨年対比で、香港からの入国が241%の増加となっています。愛知県では、今年をインバウンド元年と位置付け、より積極的に展開していくとおっしゃっていました。

FITが増えていて、帰国してから口コミで地域の良さを伝えてくれているのでしょう。
現在、香港でのプロモーションについては、ソーシャルメディア、新聞広告でキャンペーンをしています。10万人が香港から名古屋に来ていますが、18歳から34歳の方が3分の2を占めるため、ソーシャルメディアを活用するのがマッチしているのです。

香港からではなく、2ウェイツーリズムとして、日本人の香港への渡航も期待があります。客室乗務員は日本人も多く採用しており、日本人が安心して搭乗できます。

4:急拡大する市場に対してどう対応されますか?

良いサービスを維持するためには、やはり人材面が大切だと考えています。

ネットワークの拡大計画に伴い、2018年までには機材をさらに30機にまで増やす計画があります。
新しい都市への就航や増便を期待する声に対応すべく、香港エクスプレスは平均すると2日に1人の割合で新規雇用をしています。2015年末までには、新たに300人の客室乗務員を雇用する予定でいます。

求める人物像は、チャレンジを求めていて、パフォーマンスの高い環境での仕事を希望し、創造力を備えて人が好きなエネルギーあふれる方です。人材は常に募集しています。
すでに日本人CAも多く採用していますが、もっと増やしていきたいですね。

 

取材後記:
短い時間にも関わらず、丁寧に質問に回答をいただいた。アンドリュー・コーエン氏は、エネルギッシュであり、気さくな方で、ついつい時間が押し気味となった。また、LCCというものに、絶対的な自信を持っていることがうかがえた。

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