インタビュー

2015.03.01

東武タワースカイツリー株式会社 取締役 営業本部副本部長兼観光営業部長 梶岡達朗氏

東京の新名所は、世界80カ国を超える集客

すっかり東京の新名所となった東京スカイツリー(R)は、開業してからこの春で3年になろうとしている。海外からの集客状況やインバウンドの取り組みをうかがった。つい先日も外国人向けの新サービスがスタート。その魅力に迫る。

目次:
概要とインバウンドにおける経緯
外国人では台湾からの入場者が多い
東京スカイツリー(R)のおすすめの楽しみ方
隣接する東京ソラマチ(R)について
地域連携など、下町であるメリット
東京の新名所であるスカイツリーはどんな役割?

東京スカイツリー(R)の概要とインバウンドにおける経緯を教えてください

2012年5月に電波塔・観光施設として開業し、東京スカイツリー、東京ソラマチ、すみだ水族館、プラネタリウム、オフィス等がある大型複合施設を「東京スカイツリータウン(R)」と呼んでおります。
隅田川を背景に、日本の伝統的なデザインをイメージして、最新技術を駆使して建てられました。高さは634mで、世界に誇れるタワーであると自負しております。 天望デッキには約2,000人、天望回廊には約900人が収容可能です。

東京の下町地区とされる墨田・台東・江東エリアにあり、浅草や錦糸町、両国などの、広域集客拠点に隣接しています。交通利便性に恵まれた立地ポテンシャルを生かし、地域とともに東東京エリアの新たな交流、観光、産業拠点を目指しております。

東京スカイツリーが開業する前から、東武グループ内では、東武グループインバウンド委員会が2010年11月に発足しており、国内外での旅行博出展や商談会参加を共同で行ってきました。しかしながら、まずは国内のお客さまに愛される存在になりたいと思い、日本人向けのサービスを開業時から先行し、2013年から台湾市場を皮切りにインバウンドに向けた取り組みが本格的にスタートしました。

直近で注目いただきたいのは、外国人旅行者を対象とした新サービスです。
2015年2月19日(木)より、初のインバウンドチケットとなる訪日外国人旅行者専用の入場券「Fast Skytree Ticket」を販売しており、利便性、サービスの向上を目指しています。
滞在時間に制限のある海外からのお客さまが、短い待ち時間でスムーズにご入場いただけるように、当日券の待ち列に並ぶ必要のない、専用カウンター「Fast Skytree Ticket Counter」を新たに設置しました。

現状、約80カ国から来訪いただいており、個人旅行客が多くいらっしゃいます。団体でしたら、旅行会社へのアプローチがありますが、個人は、そうもいきません。すぐに入場できる仕組みづくりが必要だと考えたのです。
パスポートやIDカードの提示など、外国人旅行者とわかればFast Skytree Ticketがご購入いただけます。

 

外国人では台湾からの入場者が多いと聞きますが?

はい、その通りです。
昨年の2014年7月31日に、東京スカイツリー2013年度外国人(個人)来場者比率の調査結果を発表しております。
今後の営業施策に反映させるため、個人の外国人来場者の発地(国・地域別)について、季節を分け2013年度の7月、10月、2月の合計6日間の調査をしたものです。 調査によると、3回の調査合計の総来場者数8万6536人のうち、個人の外国人来場者は5、866人で、比率は6.8%でした。
4階チケットカウンター付近で、調査員がインタビュー形式で実施。東京スカイツリー開業以来、初の調査でした。
傾向として、訪日外国人観光客数の上位を占める台湾、中国、香港などのアジアからの来場者が多く、台湾からの来場者は18.5%を占めていました。

その後も、外国人来場者数はここ1年でもかなり伸びています。
例えば団体客も台湾ですと、2012年度が2,700人で、2013年度が2万1,000人、2014年度のうち12月末までで、すでに2万4,800人となり、今年度は確実に過去最高となるでしょう。JNTO(日本政府観光局)の発表する国別訪日外国人旅行者数と比例しているようです。

伸びた理由は、台湾の旅行フェアに出展し、現地旅行会社にセールスコールをするなど、重点的に力を入れたことにも起因します。

東京スカイツリーとしては、2013年度から本格的に海外プロモーションをスタートさせ、まずは台湾、次いで翌年の2014年度は香港、そして2015年度はタイに重点を置いて販売促進活動を行っています。

 

東京スカイツリーの楽しみ方は何でしょうか?

ある調査会社のレポートによりますと、日本で再訪したい場所の1位にあげていただきました。展望台にのぼる前の期待度より実際の眺望の素晴らしさに感動していただいたのではないでしょうか。
また眺望が、季節、日時によって見え方が異なり、これも再訪したい要因でしょう。
夏の稲妻、集中豪雨が見えるなど自然現象が観察でき、夜景については、見渡す限り、光が散りばめられています。ここまで広域の夜景は珍しいと評価をいただきます。都心からやや離れているので、都心のビル群を見るには立地も良い。飛行機の着陸間際の夜景の雰囲気を楽しめます。
天望デッキにはカフェやレストランもあり、お酒を飲みながら、夕暮れ時からがおすすめです。
制限時間がないので、ゆっくり楽しめます。

海外からの出張など、ビジネスで来られた方にも、気軽に立ち寄ってもらいたいですね。成田や羽田にもアクセスが良く、夜景だけでも短時間で楽しめると思います。

隣接する東京ソラマチ(R)について教えてください

東京スカイツリーの魅力は、タワーだけではなく、東京ソラマチという商業施設にもあります。
テナントは地下3階と1階から8階、30階・31階に入居しており、1階東側は「ソラマチ商店街」、2階西側は「フードマルシェ」、3階西側は「ソラマチタベテラス」、6階・7階は「ソラマチダイニング」となっています。300店舗以上が並びます。

墨田区の観光プラザもあり、地元の職人が制作した皮革グッズや切り子細工を紹介・販売しています。

中華圏からのお客さま増加が見込まれる春節に合わせ、2015 年 2 月 16 日(月)から 2 月 26日(木)まで、初めて「春節 開運キャンペーン」を行いました。
各店のレジにてパスポートを提示された外国人のお客さまを対象に、春節を記念して用意したオリジナルの枡やシールなどのノベルティプレゼントや、5%~10%を中心とした割引サービスなどを実施。88店舗が参加しました。免税の表示は店舗の入り口付近に徹底しており、安心してショッピングができる環境を整えております。

東京スカイツリーでは、団体の方へ先着でミニ絵馬をプレゼントもいたしました。
他に、出発ゲート付近に「お祝いパネル」も設置したところ、多くの方々が記念写真を撮られていたので、歓迎ムードを盛り上げられたと思います。

 

地域連携など、下町であるメリットを教えてください

東武グループとしては、日光鬼怒川との連携を進め、東武特急「スペーシア」を利用して観光地を巡ってもらうツアーを造成しております。
また、地元の墨田区、台東区、江東区を回遊してもらいたいとも考えておりますので、下町エリアとの連携で、着地型ツアーのコースバリエーションが増えるよう働きかけていきたいと思います。
墨田区に北斎美術館が開館予定で、ほかに相撲など、コンテンツはいろいろとあります。江東区には運河が豊富に残っているので、これも活用できると思います。

海外の方にはスカイツリーと浅草の五重塔を一緒に撮るのが人気だと聞きます。新しさと古さの共存がユニークなのでしょう。この界隈は、新旧さまざまな文化が入り組んでいるのも魅力です。

 

東京の新名所であるスカイツリーはどんな役割があると考えますか?

全国観光PRコーナー「Beautiful NIPPON」というコーナーがあり、「日本に元気を発信したい」をテーマに地方自治体に無償で観光PRをしていただいております。ちょうど開業が東日本大震災の翌年でしたので、被災地をはじめ主に地方自治体にお貸して、各地の情報を発信する場としてご活用いただいています。

例えば、京都府の企画では「きものの日」のイベントを開催したことがあります。「古きよき伝統を国内外に発信したい」という考えに共感し実施に至ったのですが、着物をまとった都内の約30名の学生たちが集った姿は圧巻でした。

またスカイアリーナで台湾観光協会が、台湾への旅行プロモーションを行うというアウトバウンドでの活用もありました。
実は「台北101」という台北の高層ビルとは、2013年から相互誘客に向けた取り組みを実施しており、友好関係を継続しおります。

単に観光地としてだけでなく、食や文化の情報発信基地として、ここ東京スカイツリーを活用いただけるのは嬉しいです。

最後に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京の観光地も盛り上げていきたいと思います。それに向け関係事業者等とも連携を図りながら、これからの観光資源を最大限活かした魅力ある誘客施策を行っていきます。

写真:(C)TOKYO-SKYTREE (C)TOKYO-SKYTREETOWN

Web:  http://www.tokyo-skytree.jp/

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