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インバウンド注目ニュースTOP5(4/15~4/21)

2017.04.24

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1位

2017年3月訪日外国人数220万6千人 12月より4か月連続で200万人超え

 

4月19日、日本政府観光局(JNTO)が2017年3月の訪日外国人旅行者数を発表した。前年同月比9.8%、3月単月としては過去最高の220万6千人となり、昨年12月より4か月連続で200万人を上回った。昨年は3月末のイースター休暇が本年は4月になったことが、豪欧香港市場を中心に影響を与えたが、一方で、メディアを通して日本の魅力の発信を強化している米国市場は、単月としては過去最高の130万人を記録した。

市場別訪問者数1位の中国市場は、クルーズ船を利用した訪日客数が伸びを見せる一方で、中国から欧州や北米、豪州へ向かう航空券の大幅な値下がりにより、前年同月比2.2%の微増にとどまり、50万9千人となった。一方で、2位の韓国市場は、格安航空会社の日本行き路線の増便やチャーター便の運航の拡大、およびSNSを活用した九州地方の魅力を発信するプロモーションが功を奏し、前年同月比30.6%増の48万4千人となった。

伸び率が最も高かったのはロシアで、43.9%増の7100 人。2017年1月にロシア国民に対する訪日ビザが緩和されたこと、S7 航空の航空運賃の値下げとそれに合わせて共同広告が実施されたことなど、昨年12月に開設されたJNTOモスクワ事務所が行うロシア市場向けの積極的な訪日プロモーション活動の効果が現れはじめている。

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JNTO(日本政府観光局)報道資料

 

2位

外国人観光客の多様なニーズに対応 空き町家を活用したプロジェクトスタート

かつて、湖上水運の港町や宿場町として栄えた大津市で、町家の活用事業が動き始めている。

大津市では、市街地に位置する商店街の空き店舗や旧東海道に残る伝統的な町家7棟を一斉に改装し、一棟まるごと貸し出すスタイルの宿泊施設「商店街 大津町家」を2018年3月にオープンする予定だ。宿泊施設は、外国人観光客をターゲットとしており、かつて、東海道五十三次の最後の宿場町として栄えた大津の町家の雰囲気や周辺のまち歩きを楽しんでもらう狙い。宿泊料は1泊朝食付きで45000円からとする予定で、内装は、和の装いたっぷりの畳の部屋だけでなく、フローリングにベッドの部屋も用意し、多様なニーズに対応する。改修費用の一部に経済産業省の補助金を活用する。

このほか、大津市では、米穀商の住宅を改装したゲストハウス「大津町家の宿 粋世(いなせ)」も4月27日にオープン。建築当時の大津町家特徴を忠実に再現し、和室や洋室など計5部屋を整備。1泊朝食付きで6500円から、外国人観光客の宿泊も見込んでいる。

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出典:

町家改装、“大津宿”再び 滞在型観光拠点に

昭和初期の町家改装、ゲストハウスに 滋賀、建築当時の姿再現

 

3位

国内初! 伊勢志摩で日本ゴルフツーリズムコンベンション2018を開催

三重県は、訪日外国人の誘客を目的とした国際的なイベント「日本ゴルフツーリズムコンベンション2018」が、三重県伊勢志摩エリア内で開催されることが決定したと発表した。ゴルフツーリズムコンベンションが国内で開催されるのは初めて。昨年の伊勢志摩サミットにおける高評価が、三重県での開催につながった。

「日本ゴルフツーリズムコンベンション2018」は、2018年10月に開催され、世界各国のゴルフツアーを扱う旅行会社60社と、日本国内のゴルフおよび観光関連事業者約60社、計約120社が参加する。コンベンションでは、伊勢志摩エリアでゴルフトーナメントや商談会を開催。その他、県内視察や国内他エリアの視察も行う予定。同コンベンションを主催するのは、世界のゴルフツアーオペレーターを取りまとめる国際ゴルフツアーオペレーター協会。同協会は、1997年に設立され、現在、世界61か国639社の旅行会社を中心に、2356社のゴルフ旅行関連企業が加盟している。IGTM(International Golf Tourism Mart)などを通じて、バイヤーであるツアーオペレーターとサプライヤーであるゴルフ場、リゾート、航空会社、観光局などのマッチングの機会を提供している。

なお、三重県内には、2017年3月現在、 69 のゴルフ場があり、中部国際空港開港と同時にインバウンドのゴルフツーリズムに取り組んできた白山開発株式会社(ココパリゾートクラブ)を中心に、2016年9月にみえゴルフツーリズム推進協会を設置。国内外のゴルフツーリズムに関するプロモーションや招請事業の受入等を行っている。

詳細:

三重県海外誘客課

 

4位

外国人観光客の更なる増加を見据え、新たなピクトグラムを追加

経済産業省は、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う外国人観光客の更なる増加を見据え、日本人だけでなく外国人にもわかりやすい案内用図記号(ピクトグラム)にするため、今回新たに15種類のピクトグラムの追加案を取りまとめた。公衆無線LANや、充電コーナー、自動販売機や海外発行カード対応のATMなど、外国人観光客が必要とするピクトグラムも多数追加された。

ピクトグラムは、言葉によらず、目で見るだけで案内を可能とするもので、多くの公共交通機関や公共施設などで広く使われている。

今回新たに追加されたピクトグラムは、審議や手続きを経て、2017年7月に改正される予定だ。

 詳細:

経済産業省 ニュースリリース

 

5位

訪日外国人向けIC乗車券の利用実績からわかる、彼らの行動経路を分析

4月18日、近畿運輸局、関西経済連合会、関西観光本部は、訪日外国人客向け関西統一交通パス「KANSAI ONE PASS」の利用実績等のデータ分析結果を取りまとめて発表した。

KANSAI ONE PASSは、JR 西日本の「ICOCA」をベースとしたチャージ式交通 IC カードで、関西のICOCA利用可能エリアを周遊できるほか、関西国際空港内の店舗など約 200 カ所のショッピング施設や観光スポットで利用できる優待特典も付加されている。分析結果では、KANSAI ONE PASSの利用実績、専用Webサイトの閲覧実績、利用者へのアンケート結果の3つをまとめている。

利用実績からは、平均乗車回数が32.5回であること、平均滞在日数は5.5日ということがわかったほか、平均滞在時間は大阪府62.5時間、京都府25.5時間に対して、兵庫県6.5時間、奈良県4.7時間となっており、奈良県、兵庫県を訪れた観光客の多くが大阪で宿泊していることもわかった。

また、利用者へのアンケートから、ONE PASSを利用することで訪問出来た観光地数が増えたという回答が半数以上をしめ、9割近くの利用者が満足したと答えた。

「KANSAI ONE PASS」は様々な興味深いデータ取得が可能であり、今後は利用エリアの拡大や、販売拡大を図ることにより、データ精度を高め、更なる訪日客の満足度向上および関西広域への観光拡大を目指す考えだ。

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