インバウンドニュース

★日本特有の文化「ガチャ」が、インバウンド市場の商機に

2017.07.10

印刷用ページを表示する


硬貨を入れてハンドルを回すと玩具が出てくる「ガチャ」ことカプセルトイが、訪日観光客の間で爆発的な人気を集めている。

株式会社タカラトミーアーツ(東京都葛飾区)は昨年の7月以降、成田空港の国際線に170台以上のガチャマシンを設置し、今春から関西国際空港でも100台以上のガチャマシン設置を開始した。

日本ならではの文化を体験し、お土産として持ち帰ってもらうというコンセプトで、「ガチャ」のインバウンド展開に注力している同社。訪日客が出国前に両替できなかった硬貨を使ってもらおうと、当初は期間限定で始まった企画だったが、実際蓋を開けてみると、その売り上げは通常の約3倍から5倍を記録。価格は1個200円〜500円ほどだが、小銭を使い切るどころかお札を両替してまでガチャに熱中したり、一度に大量購入する「大人買い」をする訪日客も多く、今後は成田と関空に続き、全国展開も視野に入れているようだ。

また、「なぜか日本で売れてます」「あまった小銭をオモチャに!」というキャッチコピーを多言語で掲示したり、初めてガチャマシンに触れる外国人でも使い方がわかるように、モニターを使用して「回し方動画」を流すなど、インバウンドを意識した売り場づくりも功を奏している。

訪日客を魅了しているのは「空港ガチャ」だけではない。観光客で賑わう東京駅や、秋葉原駅の構内でも大量のガチャマシンが登場するイベントが開催されている。アニメやマンガファンの集まる「オタクの聖地」、秋葉原の駅構内で行われたガチャのイベントでは、利用者の半数以上が外国人だったということも、特筆すべき点だ。今後も、駅や空港をはじめ、イベント会場やフェス会場など、人の集まる場所を中心に「ガチャ」の広がりはさらに加速していきそうだ。

もはや「ガチャ」は子供だけのものでなく、大人や訪日客へと広がりを見せており、こうした「ガチャ」旋風は、思わぬ商材がインバウンド市場の商機へと繋がった好例と言えるだろう。

(やまとごころ編集部)

出典:

産経フォト

SankeiBiz

関連インバウンドニュース