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キデイランド原宿店 店長 加藤裕士氏

2016.03.10

日本オリジナルのキャラクターを世界へ!

訪日外国人に人気の原宿エリア。特に人気なのがキデイランド原宿店だ。今年になって売り上げの外国人比率が遂に50%を超えたという。何が人気商品なのかを聞いてみた。

目次: キデイランド原宿店 いつから今のような人気店に? 訪日観光客はどのようにして増えた? 春節のキャンペーンに参加されていますが、どんな効果? 今後の展望について教えてください

1:キデイランド原宿店 いつから今のような人気店になったのですか?

弊社は、もともとは埼玉県の秩父にあった書店がはじまりです。 戦後まもないころ、原宿に進出したのです。当時、この界隈にはワシントンハイツという米軍施設がありました。 彼らがアメリカに帰る際のお土産品も扱っていました。日本人形やこけしなど日本の民芸品が喜ばれたそうです。 振り返りますと、当時すでに現在のビジネスモデルが確立していたと言えますね。(笑) しかし、購買のメインは日本人の若年層で、書籍、雑貨、玩具を3本柱に扱っていました。 その後、キャラクターの部分を伸ばしていき、1970年代には、現在のようにキャラクター商品が主力の店になりました。 海外から並行輸入したキャラクター商品も揃えて、話題を呼びました。

2:訪日観光客が多く目にしますが、どのようにして増えたのですか?

やはりインターネットの力が影響していると思います。特にSNSですね。 日本のクオリティの高い商品、原宿のカワイイ文化を象徴する商品など、SNSで外国人のお客様に広がっていったのです。 ユーザーの情報発信力が、結果としてインバウンドのお客様を増やしてくれたと思います。 我々日本人もそうですが、海外へ行ったら、あまり国内ではみかけない面白いものを求める傾向がありますよね。それと同じことが起きていると思います。 その結果、春節、国慶節などまとまった休みが取れる際に、日本へ来て、原宿へ来て、我々のお店に立ち寄ってもらっています。 お店に来られるのは圧倒的に個人旅行者の外国人です。時間をかけてまわられるのでしょう。 皆さん、比較的高単価の商品を購入されます。 今年1月の売り上げの外国人比率は、50%を超えています。昨年は約40%で、震災前の20%を大きく超えていまます。おかげさまで着々と伸びています。 国別の統計はとっていませんが、肌感覚でアジア系が6割、欧米系が3割、その他が1割というところでしょう。 特に店内で、外国人にヒットしているキャラクターとしては、やはりハローキティが強いです。世界中の方々に人気です。 また昨年から今年にかけての人気はスター・ウォーズでした。最新映画のおかげです。登場人物を型どったフィギアですが、日本オリジナルの甲冑に身をかためた商品も話題となりました。 アジア系のお客様にはクレヨンしんちゃん、ドラえもんなどのアニメキャラクターが人気です。欧米のお客様にはスタジオジブリ関連商品が好まれますね。 やはりスター・ウォーズもそうですが、日本のオリジナル商品が喜ばれます。 例えば、だるまになったミッフィー、着物姿のモンチッチやハローキティが人気です。

昨年から人気急上昇なのがコップのふち子さん。カプセルトイシリーズで身の回りのものに「ひっかけて」遊ぶ、新感覚フィギュアですが、小さくて単価が安いので配るお土産に最適なのでしょう。 店内ポップには英語と中国語を表示しています。あまり多過ぎず、ここぞというポイントにのみ貼っています。 スタッフは身ぶり手振りで対応していますが、カウンターにi-padがあり翻訳ソフトでコミュニケーションします。 もっとも一番多い質問は、事前に調べて探されている欲しい商品についてです。その場合は、お客さん自身が画像を示していただけるので、店員は在庫があるのかないのか、どこに陳列しているのか、すぐに判断できます。

3:春節のキャンペーンに参加されていますが、どんな効果がありましたか?

春節キャンペーンは我々としても大歓迎です。街ぐるみでやるのが良いですね。 お祭りムードを盛り上げ、街に活気がみなぎります。 観光としては、まずは原宿に来ていただくことが大切ですから。 ハロウィーンパレードやヨサコイのイベント同様街の雰囲気づくりが大事です。 この春節キャンペーンでスクラッチカードを置き、7~8割は消化しました。 当たった方はさらにお買い物していただき、3%ぐらいの売り上げ増につながったでしょう。 原宿に来られる方は、やはりショッピングが目的の方がほとんどですから、お店の場所がわからないで困っている外国人もいます。そんなときに案内してくれるガイドさんがいて喜ばれたと思います。今回は着物の姿で日本らしさを演出されていますね。

4:今後の展望について教えてください

外国人にも人気の旬なキャラクターは何か、常にアンテナを張っています。 最近では、海外でもリラックマが人気ですね。 またどんな問い合わせがあるのかも共有して品揃えに反映させるようにしています。 またこちらからの提案も大事だと思っています。 例えば、ふなっしーについてはいち早くコーナーを大きく取り、昨年12月から専門店展開を始めました。日本で初めて見るキャラクターを面白がってもらえれば嬉しいですね。 最近では、ネコずしニャー太という寿司のシャリの上にネコがのっているユニークなキャラクターが一押しです。国内での猫人気からでてきた商品です。徐々に売れてきましたが、今後もっとブレイクする可能性が高いです。 日本ではこんなものが流行っていると自信をもって提案する事が大切だと思います。 またボールペンなどの求めやすい価格の商品も取りそろえ、お土産品として喜んでもらっています。 我々のサービスは、品揃えが一番だと考えています。外国人対応ができるスタッフもいますが、まずは楽しく魅力ある商品が豊富でなければ始まりません。 そこを大事に続けていきたいと思います。   取材後記: キャラクター人気がアジアでも盛り上がってきたようだ。キャラクターものは、欧米発のイメージが強かったが、日本発のキャラクターも存在感が増しているようだ。