インバウンドプロモーションセミナー<講演編> : 取材レポート

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インバウンドイベント

インバウンドプロモーションセミナー
「訪日外国人の消費は、新たな消費マーケットを築くのか。」
~訪日客の増加が止まった背景と今後の展望について~


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【日時】2008年12月4日(木)13時30分~17時00分
【会場】ハートンホテル東品川
【主催】JTB西日本 インバウンドプロモーションコンサルティングデスク
【共催】ポータル・ジャパン株式会社
【協力】日本政府観光局、日本百貨店協会、株式会社デイリー・インフォメーション

12月4日にJTB西日本インバウンドプロモーションコンサルティングデスク様主催、弊社共催にてインバウンドプロモーションセミナーを開催いたしました。当日は、JNTOはじめ実に様々な分野でインバウンドに携われている方々に講師としてお話いただきました。参加者も旅行関係のみならず、ホテル、流通、メディア、メーカーなど多岐に渡り、会場を埋め尽くす人々が熱心に耳を傾けました。また、セミナー後半のパネルディスカッションでは参加者から活発な質問が飛び交うなど、非常に中身の濃いセミナーとなりました。

ディスカッション編はこちら

講演(1)
■演題:拡大する訪日外国人の実情
~ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の取組みと現状の各市場動向~
■講師:日本政府観光局 海外プロモーション部 アジアグループ
    マネージャー 大上敦史氏

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●訪日外客の推移と嗜好

主要国における出入国旅行者数国際ランキング(2006年)において、海外への出国者数は、日本は世界で第12位(アジアで第3位)。一方、日本への外国人訪問者数は世界で第30位(アジアで第7位)となっている。

ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)が始まる前は、訪日外国人旅行者の数は19年間で310万人増えたが、2003年のVJC導入後はたった4年間で同じ数の伸びを実現した。本年は915万人を目標としているが、達成はかなり厳しい状況にある。

昨年の訪日外国人旅行者を国ごとにみると、韓国からの訪日客が最も多く、今では日本から韓国を訪れる人と韓国から日本を訪れる人の数が逆転している。年々、アメリカや欧州地域からの訪日客数よりもアジアからの訪日客数の割合が増え、今では全体の7割を占めている。伸び率で言うと、昨年は東南アジアからの訪日客が顕著であった。アメリカの伸び率は減少しているが、これは路線縮小によるものである。欧米からの訪日客の伸びは厳しい状況にあるが、その中でもフランスは17%の伸びを見せるなど好調である。

しかしながら、昨年度まで好調であった訪日客数は今年に入って一変している。今年度の訪日外客数は8月から連続で対前年比を下回っており、減少傾向は今後も続く見込みである。月別でみると、今年10月の訪日外客数は、総数で-5.9%、訪日客数が最も多い韓国でも-15.2%、アメリカで-14.3%など伸び率の減少が目立つ。一方、香港は好調で+42.4%と伸び率が顕著である。

外国人旅行者の訪日動機は、アジア圏と欧米圏では全く異なり、国ごとにも違いがあるため、ビジネスにおいてはターゲットの国ごとに戦略を変える必要がある。アジア圏においては、全般的に「ショッピング」のニーズが圧倒的に高い。また「温泉、リラックス」といった動機も上位を占めている。また、シンガポールでは「自然、景勝地」を目的とした訪日旅行も多く、アジアでも国ごとに違いがあることがわかっている。

欧米豪においては、「ショッピング」が最大の目的のアジア圏と異なり、「伝統文化、歴史的施設」、「日本人とその生活」への関心が高く、以上のことからアジア圏と欧米圏では訪日動機の傾向に大きな違いがあることがわかる。


●ビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)とは

VJCは、重点市場として12ヶ国の対象地域を設定し効率的な日本の観光魅力のPRを行うと共に、次の有望市場であるインド・ロシア・マレーシアの3ヶ国に対して調査事業を実施するなど「2010年までに訪日外国人旅行者数を1000万人にする」という目標に向け官民一体で推進している事業である。また、海外のマスメディアを通した認知度向上事業、セミナー・商談会を通した誘客事業を行っている。また、長期的な日本ファンの創出のためにVJCでは訪日教育旅行の誘致にも力を入れている。海外の子ども達に若いうちに日本の魅力を知ってもらうと共に、日本の子ども達が彼らの国を訪問することにより相互の国際交流を図ることも出来るため、訪日教育旅行は大変重要である。

VJC活動は中央事業、地方連携事業、JNTOプログラム事業の三つに分類される。
中央事業では、重点市場である12ヶ国と新興3市場に対する事業に約12億円充てており、そのうちアジアと欧米の割合は6対4である。また、地方連携事業には約10億円を充てており、全国10の運輸局単位で配分し、各地域にあった事業の展開を進めている。この10億円については「民間や自治体を含め当該事業に参画するものが半分を出し、残りの半分は地方連携事業の10億円で賄う」という点で中央事業と異なっている。JNTOプログラム事業では、VJCでは取り扱えない特定地域限定のセミナーや旅行会社との共同広告等の事業を行っている。

VJCでは全部で4人の親善大使を任命している。中国・香港ではハロー・キティが人気であることから、今年から当該地域における親善大使に任命している。韓国では、歌手のユンナさんを任命している。その他、台湾でモデル出身の女優さんを起用したり、タイにおいても女優さんを起用している。

 欧米における広告・宣伝活動はアジア圏でのそれと比べるとガラッと変わる。欧米に関しては「クール・ジャパン」というキャッチフレーズを前面に出し、欧州共通で広告展開したり、欧米人の「伝統文化」に対する高い関心に即したイメージ広告を展開している。また、中国では地下鉄広告を出したり、香港ではバスのラッピング広告を行うなど、国ごとに違った広告展開もしている。

欧米に関しては、今年は日仏の観光交流年であり、JNTOはフランス政府観光局と同一の観光キャンペーンを展開し、フランスのモン・サン・ミシェルと日本の宮島をモチーフにしたポスターを共同で使用している。なお、来年は日本と香港の観光交流年を迎える。

商談会に関しては韓国などで訪日教育旅行の商談会を開催している。また、韓国ではスキーに対するニーズがあり、日本のスキー場に対する満足度が高い。同じように、香港やシンガポールからのスキーを目的とした訪日旅行も多く、「訪日スキー商談会」を各国で展開している。

韓国では、主に若者をターゲットに設定し、映画館のスクリーン広告及びケーブルテレビなどを通し、「20代・30代の若者が日本に来て楽しいイメージ」を念頭において広告展開している。

「YOKOSO JAPAN WEEKS 2009」は、来年の1月20日から2月28日の期間に展開する今年で5回目を迎えるVJCの中核事業の一つ。上記の時期に設定した狙いは、この時期に必ずある「中国の旧正月」における需要喚起、また日本の観光業界のオフシーズンにおける需要喚起の2点である。

「YOKOSO JAPAN WEEKS」(YJW)ではテーマを設定しており、ある一定条件をクリアすれば登録できる。アジア向けに「ショッピング三昧」、欧米向けに「日本の文化・芸術を体験する旅」を二大テーマに設定しており、昨年に引き続き重点的に実施している。

また、イベント(北海道の雪祭り等)の説明や旅行しやすい環境整備の推進、加えて今年からは地域複合型のプロモーションを実施している。具体的には、日光・鬼怒川・京都・佐世保の4地域を特集し、食・遊・泊など多彩なメニューで地域一体となった外国人観光客の先進的な取組みを行っている。

YJWでは、公式ガイドブックの作成も行っており、英語・中国語(簡体字、繁体字)、韓国語で計30万部作成し、国内外で配布している。昨年は国内での配布が多かったが、今年は海外での配布の方が多い。また、YJWの公式ページではWEBクーポンの提供も行っており、事業者アンケートの結果では、ガイドブックとほぼ同数のクーポンの提示があった。また、公式ページへのアクセス数は、昨年度は一昨年に比べ4倍に増加しており、訪日旅行者が日本へ到着後にホテルでアクセスするケースも増えていることから、国内でのアクセス数が伸びている。


●訪日外客の現状と見通し

今年11月以降の見込みについて、訪日客数国別トップである韓国は物価上昇や急激な円高ウォン安など、サブプライム問題に端を発した韓国経済の低迷により大変厳しい状況にあり、今後も苦戦が予想される。

台湾でも、国内における原油価格の高騰や景気低迷によりマイナス要因が多い。反面、長距離路線の減便・運休による余剰機材の運用により、日本・韓国・中国大陸における航空座席拡大が期待されている。

中国では四川大地震の影響による公務出張の激減、企業における商務旅行の自粛により訪日客は落ち込んでおり、この傾向は今後も続く見込みである。しかしながら、観光で訪れる人の数は伸びている。こういったことからも、今後は前年並みに近い形で推移していくものと想定される。

一番の伸び率を見せている香港では「日本に行きたい」と思っている人が多く、香港住民の出国率が約7割と海外旅行が生活の一部となっている。それに追い討ちをかけるように羽田・香港線、札幌、鹿児島、関空、沖縄など益々路線が増えている。しかしながら、円高、株価低迷による影響や今年冬のクリスマス休暇と旧正月の間隔が短いことなどから、海外旅行への需要が懸念されている。

タイ・シンガポールでは、日本ブームに支えられ好調な市場となっており、若者層を中心に観光客が増加している。しかしながら、今タイでは政情不安の問題もあり今後は減少が確実となっている。

アメリカについては、景気悪化はもちろんのこと直行便の減便・運休により今後訪日客が減少することは間違いない。また、イギリスについては、好転する材料はほとんど見当たらないが、米国と違い直行便以外にも多くの路線(アジア系・中東系航空会社)が利用できるので、これらの利用促進による個人客(FIT)を中心とした訪日客の増加が期待される。

フランスは「クール・ジャパン」が人気のため好調で、日本文化への関心が高いドイツからの訪日客も安定している。カナダでは日本への路線が少なく、減少が予想される。オーストラリアでは為替の影響が大きく、ランド費(日本での滞在費用)の上昇によるコスト増により現地の代理店でも日本への旅行を取り扱えないところが増えており、また訪日予定者のキャンセルが相次ぐなど今後も厳しい状況が予想される。


●今後の課題(1000万人から2000万人の時代へ)

訪日誘客面について。現在、2010年に1000万人、2020年に2000万人の訪日外国人旅行者数を目標としているが、その達成に向けて今後は現在の重点市場に加えて新たに新興10市場(インド、ロシア、マレーシア、フィリピン、インドネシア、イタリア、スペイン、ベトナム、メキシコ、中東湾岸諸国)に力を入れていくことを検討している。また、制度面においては、査証の発給要件の緩和や入国審査の円滑化や空港の整備を進めている。受け入れ体制については、観光案内所の整備や外国語による情報提供、通訳ガイドの見直し、海外発行カードに対応したATMの増設、外国人旅行者への医療保険の提供などを今後推進していく。

しかしながら、課題達成のためにはやはり国民意識の向上が重要であり、日本が観光立国になるためにも国民意識の向上は必要不可欠である。そういった点から、JNTOでは「YOKOSO JAPAN WEEKS」を国民意識向上月間と位置づけ、VJCに対する国民の皆さんの理解を促進するよい機会としていきたい。



講演(2)
■演題:訪日外国人への取組みについて
~百貨店の訪日客取組みとその成果について
■講師:日本百貨店協会 企画開発部長 西田光宏氏

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●CITM2008/放映ビデオの紹介
~日本の百貨店の魅力を中国人にどう伝えたか~

先月11月20日から23日まで、アジアで最大規模の国際観光フェアであるCITM(中国国遊旅遊交交易会)に百貨店業界として初めてブースを出展し、日本の百貨店の魅力をパネル写真とDVD放映で紹介した。出展にあたっては日本の百貨店の要素を「衣・食・美・楽・迎・贈・安・便」の8つ漢字テーマで表現した。

・漢字テーマ内容
「衣」:世界の高級ブランドが買え、最先端モードを知ることが出来る。
「食」:ごちそうの宝庫である食品フロアと、世界のグルメが楽しめるレストランフロア
「美」:日本と欧米の化粧品ブランドが揃い専門スタッフによるコンサル販売を受けられる
「楽」:美術、工芸、着物など日本独自の商品、催し会場など楽しい売り場が多彩
「迎」:最高のおもてなしとサービスの中で買物が出来る
「贈」:お土産や贈り物に好適な商品も多彩に揃う
「安」:中国語の店内案内、フロアガイドも整備
「便」:主要百貨店で銀聯カードが使える。免税手続きも簡便に出来る。

これらのテーマを通して、総合的なチャームポイントがある日本の百貨店は世界の他の国々のデパートにも負けない指折りの商業施設だということをアピールした。


●日本百貨店協会の概要(組織と活動)
~91社266店舗、売上高は11年連続マイナス成長~

日本百貨店協会に加盟している企業は91社、店舗数で言うと全国に266店舗ある。売上高は11年連続マイナス成長で、残念ながら長期低落傾向にある。業界規模としては、去年の百貨店の年間売上総額は全店舗合わせて7兆7000億円で、この数は日本の小売売上の総額130兆円弱の約6%を占めている。

百貨店協会がやっている仕事内容のポイントとしては、1番目はコンプライアンスやリスクマネージメント、2番目は経営基盤の強化、3番目は百貨店の営業力強化に関する事業があり、具体的には109で外国人観光客招致を進めていこうと検討している。その他、百貨店向けセミナーを通した人材育成、百貨店業界全体に共通するプラスポイントの訴求活動、経営参考資料・マニュアルなどの出版関連の仕事(商業出版を除く)が百貨店業界の主な活動である。

百貨店の売上ピークは1991年の10兆円弱である。しかしながら、この約20年間で2兆2、3000億円減少した。減少の背景は二つあり、一つには消費の成熟化や最近の少子化傾向による地方百貨店でのマーケットの縮小などを原因とする市場環境の複雑化、縮小化の問題が挙げられる。二つ目は、昭和40年以降の大型スーパーの成長やコンビニエンスストア、ディスカウント業態、大型家電量販店の台頭など、小売業態の分化、競争激化の中で百貨店の事業領域が縮小していった問題がある。また、最近では、先の金融危機でこの2、3ヶ月の落ち幅が大きい。


●外国人観光客招致活動の背景と経緯
~人口減少社会を見据えた新たな成長マーケットの発掘~

業界全体で取り組む背景について。「外国人」、「観光」という事業を百貨店協会の事業に取り込むべきと決まったのは、一昨年の1月に大手百貨店のトップが集まる会で名古屋の松坂屋の岡田会長が厳しい経営環境にある中で少しでも芽のあるマーケットを見つけて、同業間での競争ではなく、共同戦線を張って成長分野に業界全体で切り込んでいくべきだという提言をしたことがきっかけ。その切り口が、「観光」であり「外国人」であった。それをつなげれば「インバウンド」になる。最近では、銀座や名古屋などを多くの外国人観光客が訪れているが、業界を上げて取り込むべき戦略的ターゲットと位置づけるべきとの提案があった。JNTOや国交省に情報をもらいながら事業計画を立て、その年に「外国人観光招致プロジェクト」委員会を立ち上げた。ここでは、主力百貨店2、30社の販売促進部長、顧客サービス部長が集まり、当該のテーマについて"協会として何が出来るか"を話しあった。

切り口としては大きく二つに分けられる。一つの柱は既に訪日されている外国人観光客のお客様を対象にした受入体制の整備、もう一つは日本の百貨店の魅力を伝える対外的なプロモーションの促進である。

受入体制の整備は、決済環境を整えることもその一つであり、具体的な例としては銀聯カードの導入による中国人観光客の満足度向上がある。委員会発足当初の6月は、10店舗にも満たなかった導入店舗だが、現在では60店舗を越すなど銀聯カードの決済環境は急速に整備されてきた。また、外国語を聞いても理解出来ない、喋れないといった言語障壁の問題がある。対応策として「通訳コールセンター」を活用したり、店頭販売員用の会話集の作成をしてきた。

対外プロモーションとしては、百貨店協会のホームページに加盟百貨店の基本情報を四言語対応(英語、繁体字、簡体字、韓国語)したり、各百貨店のホームページも出来るだけ四言語対応してもらうよう推奨している。何より、この事業に重きを置いている背景として、国の政策に則っているという点が挙げられる。

今年のYJWは、業界でまとまって参加した。YJWに参加した全31店舗の期間中の売上高総額は、約22億6千万円であった。売上高の対前年比はプラス26,9%で、これは免税カウンターでのデータなのでアジア圏の旅行者に人気の化粧品、また食品は含まれていない。こういった顕著な伸びを示す市場は小さな規模の市場であってもない。ということで、百貨店業界でのこの伸びは大変話題になり、業界全体でインバウンドに取り組むよい動機付けとなった。

YJW期間中の免税手続きベースの購買客数は37,704人、客数でいうと対前年比で約26%も伸びている。さらに注目すべきは客単価で、一人あたり約6万円消費している。百貨店の平均客単価は5,000円か6,000円なので、これは一般顧客の10倍近い数値であり、アジア圏旅行者の購買意欲の高さがうかがえる。また、YJW期間中の銀聯カード利用の伸びも大きく、加盟百貨店23店舗の総売上高は対前年比で10倍、購買客数では対前年比で8倍を記録した。

YJW期間中によく売れた商品の中で一番売れたのは婦人服のバーバリー。また、アニエスベーなど、海外ブランドではあるものの日本向けにカスタマイズされた商品、日本ならではの商品に対する人気が高い。続いて化粧品、ハイエンドブランド商品(ルイ・ヴィドン、エルメス等)、ゴルフ用品なども売れ行きがよかった。また、ミキハウスなどの子供服の売れ行きも好調で、一人っ子政策の影響で子どもを大事にしている中国人旅行者の購入が多いようである。

YJW期間中に来店の多かった外国人観光客は、1位から香港、台湾、韓国、中国の順となっている。香港には今こそ全て撤退したものの、昔は日本の主力百貨店が多数存在していたので少なからず日本の百貨店に対する馴染みがあるものと考えられる。


●外国人観光客招致プロジェクトの今後の活動方針

今年4月から始まっている2008年度事業計画では、日本の百貨店に対する認知度向上のための対外プロモーションの強化、店頭での外国人接客時におけるストレスフリ-の実現(言語対応、免税手続きの円滑化など)、外国人招致に関する百貨店業界全体の機運醸成の3点を柱としている。それらの実現のため、具体的には以下の施策を重点に活動を進めていく。

①国土交通省(観光庁)及び関係当局との連携強化
②アジア現地で開催される国際観光展への出展検討
③日本百貨店協会HP「百貨店ワールド」を活用した誘客プロモーションセミナーの企画
④店頭販売員向け「多言語版ポケット会話集」の作成
⑤百貨店版通訳コールセンターの設置に関する検討
⑥免税手続きに関する研修会、及び運用適正化に向けた要望運動
⑦全国会員百貨店対象「YOKOSO! HYAKKATENフォーラム」の企画・開催


●日本百貨店協会、岡田副会長が国土交通省の「YOKOSO!JAPAN大使」に

去年のYJWの立ち上げ日の際に国土交通省のYOKOSO!JAPAN大使の任命式が行なわれ、当時の国土交通大臣の冬柴氏より日本百貨店協会の岡田会長が任命を受けた。


●本年度下記に予定する各種プロジェクト活動の準備状況

海外(現地)でのプロモーションは非常に有効だということがわかり、それを強化するためにCITM(中国国遊旅遊交交易会)に参加した。日本にはいろいろな百貨店があることを知ってもらうこと、中国の百貨店とは違う要素をたくさん持った日本の百貨店の魅力を伝えることが目的。

また、銀聯カードについては先方も日本の百貨店業界を重要加盟店業界だと認知していただいており、我々も業界上げて推進していきたいと思っていたので、今回中国の銀聯本部まで伺い先方の幹部の方と相談してきた。

CITMについては、JNTOの許可をいただき、百貨店ブースのテーマを「YOKOSO! JAPAN&HYAKKATEN」とした。これは「HYAKKAYEN」を世界語にしたいという思いが込められている。

来年のYJWについては、全国説明会を開いたところ今年の2倍の約70店舗が参加することになった。また、外国人用の店頭接客ツール「指差し会話帳」を百貨店協会の会員専用ページに掲載しネット配信することにより、それぞれのニーズに合わせて利用者がカスタマイズ出来るようにし間もなくリリースする予定である。

今後の活動方針としては
・当面の訪日客数減(パイの減少)の中で百貨店シェアをいかに高めていくか、その方策の検討
・来るべき訪日客数回復期に向けた中長期的視点からの目標設定と業界基盤整備
・今年発足した「観光庁」及び「日本政府観光局」との連携強化、及び公的支援の獲得
などがある。

今後の課題については、1点目はアジア圏の訪日旅行者に人気の商品が一部に限定されてしまっている問題があり、百貨店は幅広い品揃えが持ち味なので、百貨店らしい買い方をしていただくためのPRをしていくこと。2点目は、せっかく全国の都道府県には様々な百貨店が存在するので、大都市中心の展開ではなく、地方の百貨店でも外国人観光客市場が育つような取組みを進めていくことである。

対外プロモーションの面に関して、今回は現地で1,000人にアンケートを取った。これらのマーケット分析をすると同時に、今後は現地のメディア事情なども研究していく必要がある。まだまだ他にも取組み課題はつきないと思うが、百貨店協会としては現在の状況に萎れるのではなく、先を見ながら市場の発展に確信を持ち、出来ることを粛々と進めて参りたい。

ディスカッション編へ続く


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