観光学&観光学教育
先週、本年度最後の「入学試験」が行われました。10回ほど実施された、入学試験シリーズがやっと終了したわけです。
私は何回か他の教授とペアを組んで、今年度も種々の試験を実施しました。多くの受験生(高校生・2年/3年編入希望者・留学生)に相対しました。試験の種類は「指定校」、「AO」、「編入学指定校」、「特別指定校」、「自己推薦入試」など。
私のような実業界出身の教授にとっては、試験の種類に加えて、試験の回数の多さには本当に驚き、面食らう大学のシステムです。試験そのものも、例えば、短時間の面接の中で、受験生の資質を完全に把握しようとなると、我々面接官の注意力も大変で、終了時点はかなり疲れます。
さて、特に、面接の話題の中では、「多くの観光系大学がある中で、どうして私の観光大学を選んだのですか?」・・・を質問することにしています。
「高校の先生に推薦された」、「大学要項パンフレットを見て」という返事も少なくないですが、「インターネットのホームページを見て判断して・・・」が、かなり多くありました。
「観光分野に多くの講義科目」、「実践的な授業内容」、「インターンシップが活発」、「ビジネス経験を持つ多くの教授陣」、「就職率の高さ」etc.の返事(ほめ過ぎ?)が返ってきて、こそばゆい気がしたのですが、とにかく、良く見ていることは確かです。編入生だと余計に観察力が鋭いことがわかります。
他の観光系大学との比較をした結果、受験したと言う学生もいましたが、絶対数は決して多くありません。しかし、比較しなさいと言っても、最近の観光系大学の急増では、面食らってしまうかもしれません。
さて、いつぞや、ベネッセコーポレーションによる「関西における観光学系統の科目を含む大学一覧」を調べたところ、なんと26の大学がアウトプットされ、観光大学教授の1人として、誠に驚いています。関西地域以外に、激増傾向のある「首都圏」を加えれば、全国でかなりの大学数になることは確か。
本稿では、全国の「観光学志望の学生諸君」(高校3年生ばかりでなく、1,2年生も含めて)に、こんなタイトルで記事を書く気になりました。
「観光学系大学(学部・学科)の選び方を、教えます!」
すなわち、「元気で、チャレンジングに観光学を学べる大学とは・・・」。

☆「情報開示度の高い大学」を探し、トライしよう!
ホームページから、十分、情報開示度を計ることができます。その状況で「元気でチャレンジングな大学」や大学の良し悪しが判定できます。
①まず、ホームページが常に更新されていますか?
「学長」や「理事長」の挨拶ばかりが仰々しく正面を飾り、それ以外つねにアクセスしても、変化のない大学は注意を・・・。
また、開設時だけ立派であるがその後もほとんど更新がなく、何カ月経過しても同じ状況の大学は要注意です。したがって、立派な場合は折を見て何度かアクセスしてみよう。
②「ニュース」、「What's new」、「イベント」などで、こまめに発信していますか?
大学から常にニュースを外部に発信している大学は信頼がおけるし、活発に動いている証拠です。また、「父母」や「一般社会」宛にサイトを持っていれば言うことはありません。
③学生のIT度および関与度はどうですか?
学生のみに開示されている項目ですが、この面からホームページ上、種々工夫がなされていれば、当該大学の学生のIT度および関与度は申し分ありません。また、「学友会」や「学生BLOG」などの学生コラムがあれば、ぜひ、見てください。学生の本音が発表されています。
④教授陣のIT度または、開示度はどうですか?
大学内はもちろん社会に対して、どのように対応しているか計測可能です。情報発信の多寡から当該大学の元気さや教育環境が推測できます。社会に開かれた大学というのであれば、種々のデータを開示する必要があります。教授の最新の研究テーマなどを発表している大学も多くあります。
(独り言:観光学教授は、一般に、"国際的"に見られ、ITを駆使し開示度が高いように思われますが、日本全国の観光系大学を見たところ、残念ながら、決してそうではありません。むしろ、他学部の教授の方が一歩も、二歩も進んでいるように見受けられます。我々観光系大学教授は、他学部に負けないよう、今後、大いに努力する必要あり・・・と私は考えています)。
一方、大学によっては、学長や理事長の顔写真はあるが、教授陣の顔はもちろん名前さえも、一切登場しない大学も少なくありません。こんなところがチェック・ポイントです。
☆「常勤教授」と「非常勤講師」の人員・経歴をホームページ上などで、チェックしてみよう。(これらの人員をチェックすれば、大学の経営、姿勢、教育内容が見えてきます。)
①教授の経歴・論文・出版本もぜひ、しっかり見てください!
なぜならば、最近、「観光学部・学科」に関して、急ごしらえのケースが多く、生き残りのために、いわゆる"観光の専門家"でなく、他学部・科からのヘルプ(援助)も少なくないからです。(観光学は裾野が広く、様々な分野からのアプローチが可能であるのは確かですが、あなたの希望にその教授陣で良いかどうか、よく確かめて欲しいからです。)
「観光学」は、理論分野と実践分野の両面から、バランスの取れた教授陣が配置されていることが重要です。理論面だけ、または、実践面だけに偏った教授陣の大学はお薦めできません。また、航空産業、ホテル産業、旅行産業、レストラン産業、テーマパーク産業など、種々の分野からの教授陣が配置されているかどうかも、チェック・ポイントの1つです。
<調査方法その1>「大学教授の業績調べ」・・・インターネット調査が、1番簡単です。
ヤフーhttp://www.yahoo.co.jp/ グーグルhttp://www.google.com/intl/ja/
いずれかに、「○○○観光大学△△△△教授」とKEY WORDを入れて、クリックしてください。(観光学分野でどんな行動をしているか、一目瞭然に判るでしょう)。
<調査方法その2>
「みんなのキャンパス」(学生による授業評価)http://daigaku.nikki.ne.jp/をお薦めします。しかし、時に、偏りのある学生からの評価投稿がありますが、評価数が多い場合、調査対象の教授に対して、一定の感触を持てることは確かです。(この「みんなのキャンパス」は、教授の業績よりもむしろ、教育への熱意度などを計るバロメーターになる傾向があります。)
②「非常勤講師」も重要なチェック・ポイントです。最近、少子化で苦しい経営下で、この非常勤講師で切り抜けようとする大学が少なくありません。特に、セールスポイントとなる専門科目に非常勤講師を配している場合には、要注意というべきでしょう。(しかし、実際のところ、非常勤講師に関しては、ホームページからの調査は難しいですね)。
ところで、非常勤講師に関して、「どちらにしても講義をしっかりしているならば、同じでないか」との暴言がありますが、常勤の場合は講義時間以外にも、常日頃、学生へのケアやアドバイスが可能であり、「教育」や「指導(例えば、就職相談etc.)」という観点から大きな違いがあります。
③講義科目、シラバスなどの教育内容が細かく発表されていますか?
これは大事なチェック・ポイントです。大学もしくは、教授から講義内容が発表されていれば、大いに推薦できる大学です。
以上、いろいろ述べてきましたが、新設の観光大学・学部・学科(例えば、新設認可申請中など)は上記のチェックは難しい場合があります。こんな場合は、オープンキャンパスなどに実際、訪問していろいろしつこく尋ねるしかありませんね。
追伸:本日のタイトルは、
「高校生諸君、観光系大学の選び方、教えます!(続々、誕生の観光学部/学科)」
ですが、どうやら、学生がチェックすべきは、「観光学部」・「学科」に加えて、『コース』も加えなければならないのではと思ってきました。
理由は、下記を読んでいただきましたら、納得が行くことと思います。
本日の写真は、「観光関連学部・学科等を設置している大学・大学院一覧」ですが、このリストの作成は、国土交通省(平成19年4月1日)によるものです。
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全国35ほどの大学が掲載されています。本日までの勤務先の「大阪観光大学観光学部」は掲載されていますが、明日以降の勤務大学は記載されていません。
なぜならば、学部にも、学科にも「観光」もしくは、「ツーリズム」が入っていないからです(変則的に「学群」制をとっています)。
「コース」になって初めて「ツーリズム」の文字が登場します。すなわち、
「桜美林大学ビジネスマネジメント学群『ツーリズム・ホテル・エンターテイメントコース』」。
「小規模でこじんまりなんだナ」と思っていたのですが、先日の前任教授からの引継ぎを受け、驚きの一言。なぜならば、このコース選択学生が、毎学年200人~250人。「観光学部」や「観光学科」に決して、負けていません。
さらに驚いたのは、就職実績。
一概に比較はできませんが、手っ取り早いのは、「ある特定の旅行会社に何人ほど、就職しているか」・・・1つの指標となるのではと思っています。
例えば、旅行会社の「JTB」と「JTBトラベランド」への入社状況。
この桜美林大学の19年度の内定者(明日、入社予定)は、前者が8名、後者は9名(もちろん、これら以外の旅行会社への内定者もおります)・・・これらの人数に、全国の観光「学部」・「学科」の諸先生や就職関係職員は、きっとビックリ、そして真っ青になるのでは・・・。
そういえば、この大学だけでなく、全国に「観光/ツーリズム・コース」を持つ大学がずいぶんあります(実際、私の友人の教授に何人か勤務しています。名古屋にも大阪にも・・・)。
高校生や編入生の皆さん、、「観光学部」や「観光学科」と同様に、これらの「観光/ツーリズム・コースを持つ」大学も、選択の場合には、是非、注意して見てくださいネ。



