地域探訪シリーズ
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日本文化体験交流塾では、今年の目標の一つとして、秋葉原のウォーキングツアーを「 Akihabara Kawaii Tour」と名づけて、スタッフ養成や積極的なキャンペーンなど、その充実をはかっていきたいと思っています。秋葉原は、現在、東京有数の観光スポットになっている。日本人は、もとより外国人も多い。アジアからの観光客の多くが電機街での買い物に来るが、欧米からの観光客には、アニメやフィギュアなどのサブカルチャーが秋葉原の魅力になっている。その魅力の秘密を考えた。秋葉原では、アニメやフィギュアをはじめ、メイド服を着た女性が可愛いキャラクターを演じている。「可愛い」は、秋葉原のキーワードだと思う。「萌え」という表現もあるが、「可愛い」はもっと一般的な言葉である。「可愛い」は、日本ではどこでも使われ、子供や魅力的な女性、キャラクター等を褒める一般的な表現である。
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「可愛い」は、英語では、cute やadorableが用いられる。しかし、今では、日本のポップカルチャーを指す時、「kawaii」がそのまま使われるようになったという。ではなぜ、英語では「可愛い」という適語が見つからなかったのだろうか。
私は、「可愛い」という表現のなかに、幼いものが持つ「あどけなさ」、「純粋さ」、「若々しさ」などの要素を大人になって持っていても、肯定する雰囲気が日本社会にはあると思う。
歴史的にも、清少納言は、枕草子第151段「うつくしきもの」のなかで「可愛い」と思う気持ちに重点を置いている。また、87歳の森光子の演技からも、「可愛さ」を感じるのは、私だけではないと思う。可愛いは、日本人にとって、とても大切な価値である。日本では、中年の男性が少年漫画を読むのは、珍しくない。また、宮崎駿さんのアニメ映画は、大人も子供も楽しめる作品として、世界をリードしてきた。そのなかにも、森の精霊をはじめ、可愛いキャラクターがたくさん出てくる。
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米国では、マンガやアニメは、あくまで子供たちのもので、大人が見るべきものではないとの風潮が強い。米国やヨーロッパでは、社会生活の様々な場で、大人と子供は峻別されている。ミュージカルやオペラの劇場に子供を連れてくることは、非常識とされている。大人のパーティに子供が同席することは、ありえない。
これに対し、日本では、子連れの会食や観劇は、珍しくない。大家族で、姉が弟の面倒をみたり、大人になっても、二男・三男が親と同居してきた、そうした社会生活のなごりかも知れない。いずれにして、日本では、欧米ほど大人と子供は区別されておらず、子供的な要素を持ったまま、大人になることができる。
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日本社会と欧米社会に違いがあるとき、日本人は、すぐに日本社会は変だ、劣っていると感じることが多い。だが、文化の違いは、どちらが優れているかではなく、それぞれに長所も短所も持っていると考えるべきだろう。
欧米では、キリスト教的な倫理感が強い。不倫がすぐに離婚になり、他の宗教に対する不寛容など、日本以上に厳しい精神生活が求められる面がある。子供と大人の峻別も欧米社会の特色の一つではないだろうか。しかし、すべての欧米人がそのような精神生活に満足しているのであろうか。子供の持つ魅力をそのまま大人にも認める「可愛い」という感情は、とても自然ではないだろうか。欧米でも、共感を呼ぶ感情ではないだろうか。だからこそ、アニメや漫画、コスプレなどの文化は、ヨーロッパの多くの都市で若者を引き付け、広がりを見せている。秋葉原は、そうした人々の聖地になっている。
・ 秋葉原のサブカルチャーの魅力ポイントは、ビルのあちらこちらに点在し、非常にわかりにくい。しかも、日進月歩に変化しているので、良き水先案内人なしでは、その半分も到達できない。現在、秋葉原をきちんと紹介できる通訳案内士は、数人しかいないのが実情であり、日本文化体験交流塾では、ウォーキングツアーのガイドの育成に着手することとした。1月23日に実施する地域探訪シリーズの「不思議のまち、秋葉原探訪」は、秋葉原観光振興の第一人者である松波道廣氏と「可愛い」通訳案内士ガイドである永山佳奈さんを講師に迎えてのその講座である。もちろん、そこまで関心のない方でも、今、東京で最もホットなスポットを知らない方は、是非、一度体験してみてください。究極の「可愛い」がわかるかも知れないよ。
IJCEEでは、1月23日、秋葉原探訪を予定している。午前中の松波氏の講演のほか、午後現地のウオーキングツアーを予定しているが、秋葉原ツアーのガイドができる人材が限られているので、当日の定員枠を20名に設定している。希望者が多数のときは、別の日程で調整したいと思っている。探訪については、http://www.ijcee.com/chiiki/chiiki_090123_index.htmlを参照してください。
