日本文化体験交流塾
6月6日と7日の両日、神田の家で「和の心を楽しむ集い」を開催した。神田の家は、江戸時代より神田の地に続いた材木商、井筒屋政蔵(遠藤家)の旧店舗兼住宅で、昭和2年に建設後、2回の移築で、この4月、神田の地に戻ってきた。
神田の家の活動理念は、「和の心を五感で感じてもらう家」であり、日本文化の継承・発展・創造を目指す日本文化体験交流塾の活動理念にも一致し、今回の活動を許可していただいた。演奏会と茶会という今回の催しは、移築後初めてのものであり、改めて神田木材企業組合の皆様に感謝している。
2階の20畳ほどの和室では、琴と三味線の演奏会を開催した。演奏するのは、小山貢山氏。私たちの団体の理事でもある若手の演奏家である。琴や三味線の音色は、和室の空間に良く似合う。コンサートホールのような場所でなく、こうしたこじんまりした広さこそ、日本人が育んだ世界に相違ない。
当日のお客様に、外国人のお客様が少なくない。これはサクラハウスにお泊りの方々で、フランスやオランダなど、ヨーロッパから方がほとんどである。
この建物は、建築主が材木問屋であっただけに、全国の銘木、良材が随所に使用されている。特に、2階の和室の天井は、最高級の屋久杉、霧島杉がふんだんに使われており、希少かつ高価なものとして一見の価値がある。
そのほか、床の間や障子、すだれなど、日本家屋独特の知恵や工夫を外国人に説明した。
浴衣の着付けと、建物の説明などをしてくださったのは、溝口未波さん。ハクビの教授資格を持っている。小笠原流華道やフラワーアレンジメントにも精通していて、今年の通訳案内士の試験に合格後、すぐにIJCEEの新人研修に参加してくださった。今回が初めてのプロとしてのガイド体験となるが、こうした機会を活かして、様々な分野で活躍していただきたいと思っている。
また、神田明神には、着付け会場を提供していただき感謝している。
一階の茶席を主催してくださったのは、6日は、茶会 大川宗章先生。江戸千家の茶道教授で、現在、西浅草で茶道教室を主宰する傍ら、西町インターナショナルスクールで20年以上、子供達に茶道を指導されている。また、7日は、山口和加子先生。当塾の理事で英語による茶道教室を開催している。
今回、山口先生の助手として、半東役を務めてくださったのは、通訳案内士の小川久美子さん。彼女も今回のお仕事がプロのガイドとしては、初仕事である。山口先生の英語による茶道教室の生徒でもある。
浴衣姿で、古民家での茶会は、本当に絵になると思う。千利休は、茶室に入るときに、身分や出自にこだわらない平等思想を尊重したというが、このたびの茶会では、世界の様々な国の方々が茶の湯を楽しんだ。
日本文化には、優れた点が多い。風通しが良く、クーラーがなくても暮らしやすい日本家屋。将来、石油資源が枯渇して、さらに省エネルギーの必要が高まれば、日本人が培ってきた知恵が再度活かされるかも知れない。遠藤家は、多くの職人を育て、保護してきたという。神田明神の氏子の地域には、大工町、鍛冶町、紺屋町、細工町など、職人町の名残が残る地名も少なくない。こうした素晴らしい職人の技は、建物はもとより、中にしつらえられた家具や様々な置物にも、残されている。
神田の家での初めての催しが成功裏に終えたことについて、皆様に感謝したいと思っている。
最後に、茶道師範でありながら、今回は、縁の下の力持ちとして、ご尽力いただいた山口修司様にお礼を申し上げたい。
