日本文化体験交流塾
向島は、日本で最も多くの芸者がいる花街であるが、料亭遊びは、高額なため、一般の方ではなかなか楽しめない。そこで、向島町おこしの会と若葉会が共催する特別企画、「華のお座敷」が開催されると聞き、向島地域のまち歩きとあわせ、7月4日、地域探訪シリーズ、「芸者おどりと向島まち歩き」(会費 一般6500円、食事・ガイドつき)を実施した。会場は、墨堤組合である。
まず、最初は、長唄「菖蒲浴衣」である。「汗に濡れたる晴浴衣 びんのほつれをかんざしの 届かぬ愚痴も好いた同士 思いを腕に堀切の 水にいろある花菖蒲」などと、色っぽく歌う。
次は、清元である。今度は、黒っぽい着物で浄瑠璃を歌う。
お題は、「夕立」だが、粋な内容である。
「粋なお方につり合わぬ 野暮なやの字の屋敷もの」で「はたちは越せど 掟きびしく白玉の 露にも濡れし事はなし」という、10歳からの屋敷奉公で一切の色恋もできなかった清純な乙女が主人公である。
「初の御見に手を取られ 飛び立つ程の嬉しさは」「紅麻うつる顔の色」と、顔を赤らめるほどの恋ごころをいだいた人と、「仲を結ぶ雷の こわさに抱き大川の 深き契りぞかわしける」と歌う。つまり、雷が鳴って、「まあ、怖い」といって、隅田川に浮かぶ船のなかで、好きな人に抱きついたら、「深い契り」を交わしてしまったというお話である。
テレビで見る、10センチくらいの高いヒールと短パンのようなミニスカートをはいて、彼氏の存在を空けぴろげで話しているタレントより、ずっと色っぽいなと感心してしまった。
次は、二人おどり。きく羽さんとぎんさんが踊る。踊り手を立方という。日本髪を結っている。
振袖で「茶切節」を踊るのは、半玉さんのいち菜さんと琴千代さん。京都でいう舞妓さんである。芸者の世界では、客が支払う謝礼を玉(ぎょく)という。若手・見習いのうちは、半分の評価なので、半玉と呼ばれる。右手で演奏している方が地方(じかた)さんである。日本髪は、結わない。実際のお座敷では、一番偉いのだそうである。
お座敷で、半玉さんだけでお願いしても、3人セットでないと断られるのが、通例である。
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「水の出花」という曲を踊ってくれたのは、女めさん。「二人の仲は せかれ逢われぬ身の因果 たとえどなたの意見でも 思い 思い切る気はさらにない」という女心を、美しい仕草で舞う。
最後は、立方7人全員で「さわぎ」を舞う。「すみだ川さえ 竿さしや届く なぜにとどかぬ わが思い」という歌詞である。
7人の中心で踊るのは、このみさん。男踊りのできる方で、一番の踊り手である。この会場は、見番といって、芸者さん達の共同事務所兼稽古場である。芸者さん達は、この稽古場で、歌舞伎役者なども指導する猿若清三郎先生、猿若裕貴先生などの指導を受けている。また、このみさんは、一度も稽古を休んだことがないという、努力家である。
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ショーの最後は、お座敷遊びのとらとらとらである。「加藤清正」と「その母」、「虎」を演じて競うジャンケンゲームである。会場から参加して、楽しい会となった。
芸者ショー「華のお座敷」のあとは、墨田観光ボランティアの方々と、向島周辺のまち歩きを行った。 三井家に縁の深い三囲神社、長命寺などのほか、永井荷風、勝海舟、榎本武揚、森鴎外などが住んだ史跡を歩く。そのなかで、職人の工房探訪が楽しい。「めうがや」では、足袋の職人のお話を聞けた。
最後に、向島百花園を訪問して、今回のツアーは、終わった、明日は、第5回、鎌倉探訪である。
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