インバウンドコラム

3/31更新【入国規制まとめ 】世界の新型コロナ感染者84万人超え。中国政府、外国人の入国拒否

2020.04.01

印刷用ページを表示する



米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、世界の新型コロナウイルスへの感染者数は3月31日に80万人を突破、4月1日8時現在、すでに84万人を突破。感染拡大のスピードは勢いを加速させている。

トランプ大統領は29日、10名以上のグループや自由裁量旅行を避けるとした、社会的距離に関する連邦政府のガイドラインを4月30日まで続けることを発表。4月12日のキリスト復活を祝うイースターまでに、アメリカが復活することを望んでいた大統領の思いはかなわなかった。

 

中国、外国人の入国を拒否。国際線も1社、週1回、1便へ大幅に減少

中国では、3月28日から外国人の入国を厳しく制限。ピークを過ぎた中国国内での感染拡大を防ぐための、やむを得ない臨時の措置だとしたうえで、これまでに発行された有効なビザや居留許可を持っていても、外国人の中国への入国を拒否する措置をとっている。ただし、中国渡航が真に必要な者は、日本を含む各国にある中国大使館や総領事館に申請することができる。

航空路線についても、中国内の航空会社について、各社につき、各国1路線、週1往復まで。外国の航空会社についても、1社、1路線、週1往復までの運行にとどめることを求めた。また、乗客数も座席の75%を超えてはいけないとしている。中国は、海外との往来を厳しく制限する措置に入った。

なお、日本政府の入国者に対する対応として、3月28から4月末日まで、APECビジネス・トラベル・カード(ABTC)所持者に対する査証免除が停止され、同カード使用での、中国(香港、マカオを含む)からの日本への出入国は停止。また、26日には、中国(香港、マカオを含む)に対する入国制限措置を、4月末まで延長することも発表されている。

 

韓国、日本を含む海外からの入国者に2週間隔離を義務づけ

韓国からの入国者に対しても、日本政府がとっている入国制限措置を4月末まで延長することを、3月26日に発表。これを受け、韓国政府も日本人へのビザ免除やビザ取り消しなどの措置を当面維持することを発表している。また、韓国では、4月1日午前0時以降、海外から入国するすべての人(韓国人、外国人ともに)に対して、自宅などでの2週間の隔離を義務づけられることとなった。

タイでは、3月26日から4月30日までの期間、非常事態宣言を発動。外国人の入国は原則禁止となっている。

インドでは、3月22日から4月14日の間、国際民間旅客航空便のインドへの着陸を停止。海外との航空路線を一部を除き停止しているロシアでは、外国空港との定期・チャーター便も、27日以降、運航停止となることが発表された。

 

オーストラリア、クルーズ船乗客を島で隔離へ

オーストラリアではすでに、すべての外国人の入国を禁止しているが、海外からの帰国者への強制検疫がスタートし、帰国者は航空機が到着地したホテルでの2週間の隔離が義務付けられることになった。また、自宅で自主隔離している対象者の状況を確認するために国防軍を動員することも発表した。

オーストラリアでは、クルーズ船「ヴァスコ・ダ・ガマ」が、西オーストラリア州の州都パースに停泊する予定だったが、当局がこれを拒否したため、乗客約800人はパースに近いロットネスト島で14日の隔離を受けることに。同島に滞在している観光客などに対し、隔離施設の準備のために島を離れるよう指示が出されている。

また、オーストラリアの大手旅行代理店であるフライトセンターは、従業員6,000人を一時帰休または解雇すると発表している。

 

イギリス「外出禁止、完全に正常化するには半年」

感染の拡大をおさえるべく外出禁止措置がとられているイギリスでは、29日、政府の政策に携わるイングランド医療当局幹部のハリス医師が記者会見で、新型コロナウイルスの感染が抑えられたとしても、2回目のピークの危険があるため、すぐに通常の生活に戻すのは難しいとしたうえで、完全に正常化するまでには半年ほどかかる見通しを示した。

ロンドンと郊外を結ぶ鉄道会社Hull Trainsは、すべての列車を当面、運休することを発表。また、コロナウイルスにより、危機的状況に陥っている航空会社への支援の必要性を、38人の国会議員が書簡を送り訴えている。

 

日本政府、渡航中止勧告や入国拒否を拡大へ

世界的な感染拡大を受け、日本政府は、アメリカなどからの入国を拒否する方針を固めた。入国拒否の対象となるのはアメリカに加え、中国、韓国全土、イギリスを含むヨーロッパのほぼ全域で、東南アジアやアフリカの一部も対象に含める方向で検討。近く、国家安全保障会議を開催したうえで、最終決定する見通し。

これに先立ち30日、外務省は、感染症危険情報を渡航の中止を勧告する「レベル3」の対象国を、これまでに24カ国に加え、新たに49カ国を加え、計73カ国とすることを発表した。

また、海外から日本へ入国者に感染が確認されるケースが増えていることを受け、日本政府は3月28日より、入国後指定する場所での14日間待機や、国内での公共交通機関の使用自粛の対象に、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナム、シンガポールからの入国者も加えた。

(執筆:やまとごころ編集部・外島美紀子)

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ_2020. 0331

 

※最新版も更新されました
7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】

 

 

編集部おすすめ関連記事:

【コロナ:世界の動き】日本政府、入国規制を3段階で緩和する方向。入国拒否対象国はインドなど加え111カ国に

【コロナ:世界の動きまとめ】世界の観光業が注目する新しい旅の基準「ニューノーマル」、「免疫パスポート」の有効性。タイ航空、経営破綻

【コロナ:世界の動きまとめ】EU、旅行制限緩和へ。観光業、夏のバカンスシーズンに間に合うか?

コロナウイルスによる航空業界への影響は? 減便・運休で航空各社大減収 1年続くと2兆円の可能性

海外旅行メディアも試行錯誤、それぞれの立場での「今できること」を尊重する

 

 

最新記事