インバウンドとは?

いまやビジネスを語る上で欠かせないキーワードとなったインバウンド。本来的には、「入ってくる、内向きの」を意味しますが、ここでは「訪日外国人観光」を指しています。

4000万人時代へ

近年の日本には、海外への渡航者数(アウトバウンド)に対して訪日外国人客数が圧倒的に少ないという問題がありました。そこで政府は2003年にビジット・ジャパン・キャンペーンを立ち上げ、観光立国を目指す方針を示したのです。

それから10年たった2013年、訪日外国人客数が目標であった年間1000万人を突破すると、新たに2020年までに2000万人、2030年までに3000万人にするという目標が掲げられました。

そして2015年には、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定や円安が追い風となり、1973万7000人を記録。2000万人まであと一歩に迫ると同時に、大阪万国博が開催された1970年以来45年ぶりに、入国者数が出国者数を上回りました。


訪日外国人客数が予想を上回るペースで増加していることから、政府は2016年春に、「2020年に4000万人、2030年に6000万人」と目標を上方修正。2016年に初めて2000万人を突破すると、その後も順調に数字は伸びています。

 訪日外国人4000万人へのロードマップ_グラフ 

規模の大きいインバウンド市場

大勢の外国人観光客が日本へやってくると、市場にも変化が現れます。端的な例が流行語にもなった「爆買い」でしょう。これはビザの発給要件緩和によって中国人観光客が著しく増加し、家電や日用品などを大量購入したことから起きた現象です。その波が一段落し、旅行形態が団体旅行から個人旅行へシフトしている現在、モノ(買いもの)消費に加え、コト(体験)消費にも注目が集まっています。

訪日外国人観光客による国内での消費を意味する「インバウンド消費」は、2015年に初めて3兆円を突破、2017年には4兆4161億円(前年比17.8%)になりました。また、同年の訪日外国人旅行者の1人当たりの旅行支出は、15万3921円となっています。これは日本人による国内旅行の旅行支出(3万円強)の約5倍に上ります。

政府は2020年までに8兆円という目標を掲げており、引き続き「宿泊」「飲食」「交通」「娯楽」「買い物」など多岐にわたり、各分野で大きな経済効果を期待できるでしょう。
訪日外国人の旅行消費額_グラフ (2)

日本を訪れる外国人ってどこの国・地域の人が多いの?

2017年の訪日外国人客数は、前年比19.3%増の2869万1000人でした。国・地域別に見ると、1位の中国、2位の韓国が全市場で初めて700万人台を達成、これに台湾、香港を加えた東アジア4市場で訪日外国人客全体の74パーセントを占めています。ついで多いのが米国、タイになります。

インバウンド客にはそれぞれ国によって特徴があります。団体旅行か個人旅行か、日本をどういうルートで旅行し、どこへ行きたいか、目的はショッピングか体験かなど。また、滞在日数や訪問先にも違いが見て取れます。まずはトップ6に入った国・地域の特徴を把握しましょう。

訪日外国人数(2017年)_円グラフ (1)

 

トップ6の特徴

1.中国
団体旅行から個人旅行へのシフト
中国にはない日本独特の自然景観(桜、雪、富士山、火山など)や温泉に興味。
2.韓国
節約志向の個人旅行者が多い
二泊三日など短期で気軽に訪れる若い世代が多く、日本の音楽・ドラマ・アニメ・小説などが人気。
3.台湾
年間通じて訪日客が多い
親日派が多く、地方へもよく足をのばす。若い世代は日本のカルチャーへの関心も高い。
4.香港
世界トップの訪日リピーター率
個人旅行主体で、体験を重視する。気に入ったものにはお金を惜しまない。
5.米国
滞在期間が長い
買い物より歴史や文化に触れる旅を好むなど、欧米諸国の特徴が端的に表れる。
6.タイ
急成長のマーケット
急増する東南アジア市場の最注目国。桜、紅葉、雪など、日本の四季を楽しむ。
 

トップ6エリアの国別のマーケット状況