インバウンドコラム

第6回 若年層のスクーリーズに新しい動き

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オーストラリアの言葉にSchoolies 「スクーリーズ」という言葉がある。これは、ハイスクール(中高校)の卒業生が、ハイスクールの卒業試験が終わる11月末から12月にかけて、「最後の試験が終わったことを祝して?」過す長期のホリデーのことをいう。この旅行市場に新しい波が近年育っているという。

 

オーストラリアでは、ハイスクールの卒業年には、大抵は酒類が解禁になる18歳になっているので、ハイスクールの卒業試験が終わる11月末から12月にかけて、「酒が飲める」記念? の週にもなる。それがSchoolies 「スクーリーズ」での出来事だ。

これが来るたびに、私が思い出すのは、日本の歌「酒が飲めるぞー、酒が飲めるぞー」だ。

浴びるように飲むことが多くて、スクーリーズに掛けて「フーリーズ」つまり「ばか者たち」という言葉もある位だ。このスクーリーズは、毎年11月末から12月の初めまでの時期に、特に、クインズランド州のゴールドコーストに出かける。

初期の頃は、クインズランド州内の高校のスクーリーズだけだったのが、最近は、オーストラリア全土から出かけていく若者達も増えた。

 

実際、この時期のゴールドコーストは、スクーリーズで一杯。

彼らの行動が顰蹙を買うだけでなく、危険に陥ることもあるので、この時期に、一般の人は行かないほうがいいと奨められるほど。酒、セックス、ドラッグ問題などが頻繁に起き、警察も神経をとがらせるだけでなく、最近は、厳しい警備をゴールドコーストで実施している。

img01-2しかしながら、2011年には、4万人ものスクーリーズがゴールドコーストの、特にサーファーズパラダイスに押しかけ、この週は、ホテルもすべて満杯状態となる。経済的にはこの期間だけで、ゴールドコーストに落ちるお金は、590万ドル、約59億円にも上る。

 

img02-2近年は、サーファーズパラダイスだけでなく、クインズランドのサンシャインコーストやマグネティックアイランドなどの地域に、また、ビクトリア州でも、フィリップアイランド、また西オーストラリア州では、2011年、ビクターハーバーに1万5千人が集まった。どちらかというと、海辺の地域に集まる例が多い。

ところで、最近は、高いオーストラリアドルの影響なのか、あるいは、情報時代なのか、国内でのホリデーではなく、海外に行くスクーリーも出てきた。例えば、フィジー、ヴァヌアツ、バリなど。

しかしながら、サーファーズパラダイスを含めて、酒を飲んだ上の事件が続発。この時期に、スクーリーホリデーに行くから金をくれといわれると、躊躇する親達も出てきた。

うちの下の娘が高校を卒業する時に、「お母さん、私はゴールドコーストにホリデーに行くのを止めた」といわれホッとした思い出があるが、娘は「ゴールドコーストに行く代わりに、友達4人で、ジャパンに行くことにした」と行ってきた。

ふうむ。ホッとしたけれど、持ち出しは多いなと、喜んだり心配したり……。結果、娘は2週間のジャパンホリデーをブッキングした。旅行計画も自分達で立てた。宿、レストランなどをWEBでいろいろ探し出して、ブッキングしていた。

食べ物は、ナチュラルローソンで食べた「テンピュラボール」(天丼)が一番おいしかったとか、奈良の鹿とのご対面も面白かったとか、風呂も普通の銭湯がよかったとか、まあ、話は尽きない。

彼女たちが乗ったのは、関西空港に行くジェットスター。それから、奈良と京都に行き、それから、東京に行った。JRパスでの新幹線の旅は最高だったという。

img03-2スクーリーズホリデーをうまく活かし、大きな仕事にしている旅行会社がある。

スクーリー市場ということは、つまり、1年のうち、3週間だけであとは、寝て暮らせる? なかなか「うまい」ビジネスだ。この会社は、Unleashed Travelという会社。

アンリーシュドというのは、「解放された」「縄を解かれた」という意味。厳しい高校教育課程を終えて「解放された」若者のための旅行会社という意味なのだろう。

 

今から5年前、2007年に、飲んで暴れるだけのスクーリーホリーデーから、カルチュラルバランスと友達・仲間と一緒のクオリティー(質)の高い時間を過ごせるホリデーを提供したいと考えたのだという。

 

img04-1彼らが最初にオファーした旅行は、フィジーの美しい海でのシュノーケリングや珊瑚礁の探訪。

カンボジアで英語を教えながら楽しむ、タイで難民のための家づくりなど。

最初の年は70人だったのが、その数年後には3000人もの顧客を得た。彼らは、「お金を出す側の」両親達にも、安心してもらえる旅の仕組みや企画を出した。

バリのリゾートは、アンリーシュトラベル専用のものを用意。例えば、「トゥーリー」と呼ばれる、未成年者がもぐりこむのを防いだり、トレーニングされたスタッフを準備した。そのトレーニングの中には、ファーストエイド、つまり(酒飲んで)倒れたりした時の救命が出来るようなトレーニングもしている。

スタッフを船や飛行機のようにCrew(クルー)と呼ぶのも、新しいスタイルであった。すべてのツアーに、そのクルーが「くるー!」。

現在の、アンリーシュドトラベルのトラベルメニューは、フィジーが4ヵ所、インドネシアが1ヵ所、タイが2ヵ所、カンボジアが1ヵ所。ほとんどが7泊8日だ。

添乗員、つまりクルー付きで、毎晩エンターテイメントがあり、DJの出来るクルーを持つ。タイは、主に、ボランティア志向。象の救済に関わるエレファントプロジェクトや難民の家を作るビルディングプロジェクトがある。

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日本は若い人たちにとって、人気の国だ。

アニメやKawaiiもある。日本は物価が安い。安全。ボランティアをしたい若者達は、東日本大震災の被災地に行くことも出来る。何より、オーストラリアから近い。

11月から12月初めは、国内の観光市場が落ち込む季節。航空会社と提携して、そう、ジェットスターと提携して、新たなジャパン・スクーリー・プログラムを創ったらどうだろう。

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