インバウンドコラム

【入門講座】vol.4 自社や自治体が属する地域の状況を把握する

2020.04.16

外島 美紀子

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これまでの記事では、インバウンド担当者として知っておきたい基礎知識や、日本全体における訪日外国人の動向について、そしてその動向を捉えるための情報収集方法についてご紹介してきました。今回は自社や自治体が属する地域の状況を把握するための取り組みについて解説していきます。

 

地域の現状を知りターゲットを絞る

自社の施設や自治体が属する地域に訪日外国人がどの程度の足を運び、どの程度消費しているのかを知ることは、インバウンドのターゲットを決める上で役立ちます。そのためにはまず、以下の2点を実践してみてください。

1)宿泊旅行統計調査をチェックする

観光庁が発表する「宿泊旅行統計」では、外国人の延べ宿泊者数を、国籍別、都道府県別で紹介しています。まずは自社の施設がある都道府県の状況を調べてみましょう。

2)自社や自治体が属する都道府県や観光協会の「来県者数情報」を調べてみる

自治体や観光協会が独自に調査をし、都道府県のエリアごと、市町村ごとの訪問者数を発表している場合もあります。国による宿泊統計よりもさらに詳しい情報を知ることができますので、探してみてください。

地域に足を運んでいる訪日外国人は、すでにその地に興味を持っている人たちであるため、自社の施設に足を運んでくれる可能性も高くなります。さらに、インバウンド誘致に力を入れている他の施設や、他の自治体での成功事例を参考にすると、自分たちでも導入できそうな取り組みが見つかったり、「連携」のきっかけを得られたりするかもしれません。

また、もし訪日外国人数や宿泊者数、消費額のデータを自社や自治体で取っているのであれば、vol.2でご紹介した日本全体の市場別データと比較することをおすすめします。国の数字と比較することで、例えば「うちは台湾が強いけれど韓国が弱い」「欧米圏だけで4割近くいる」などといった独自の強みや特徴が浮かび上がってきます。こうした状況を踏まえた上で、ターゲット設定をしていくといいでしょう。

コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、海外からの観光客は入ってこれない状況ではありますが、まずは自分たちの地域を訪れてくれていた訪日外国人の特徴を掴むことは、収束した後にはどこの市場に注力していくべきかを考えていく上でも非常に大切なこととなります。

 

外国人目線で自分たちの魅力を発見する 

インバウンドの新任担当者の中には「訪日外国人が自分たちの何に魅力を感じるのかわからない」という方も多いと思います。例えば田舎の田園風景や、普段食べている日本食、旅館での宿泊など、日本人にとってはありきたりなものでも、外国人にとっては目新しく映るものです。

外国人目線で自分たちの魅力を発見するには、まず直接彼らに聞いてみること、SNSや口コミサイトに書かれている内容をチェックすること、現地(海外)のECサイトの売れ筋を調べること、ガイドや留学生、語学教師といった在日外国人に協力を依頼することなどが考えられます。

これらの多くは今すぐできてコストがかからないため、ぜひ実践してみてください。

 

ターゲットに向けて情報を発信する

いくら良いコンテンツを用意しても、その情報が相手に伝わらなければ意味がありません。情報発信には、SNSや動画を用いたインターネットによる発信や、現地旅行会社へのアプローチ、旅行博や商談会への出展などといった方法があります。また、予算が許すのであれば、ターゲット国・地域で人気の高いブロガーやインフルエンサーを招聘し、地域の魅力をSNSで発信してもらうこともできます。

インバウンドの誘致は一朝一夕で成功するものではありませんし、長い目で見て地道に取り組んでいくことが大切です。最終回となる次回は、集客のためのアプローチ方法と、普段の生活における心得について解説していきます。

 

 

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