インバウンドコラム

[後編]中国旅行業界が注目!新しい旅のスタイル「カスタマイズツアー」を利用する、ユーザーの特徴と動き

2019.06.24

外島 美紀子

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前編では、最近の中国の旅行業界で注目されている「定制游:カスタマイズツアー(私家团:プライベイトツアー)」について、上海で開催された世界最大B2B観光産業展示会・国際会議『ITBChina2019』での動きなどと合わせて紹介しました。カスタマイズツアーは、今後中国の海外旅行市場において25%~35%にまでシェアが拡大すると予測されている注目のマーケットです。

それでは後半では、より具体的に「カスタマイズツアー」を利用するユーザーの特徴や行動を見ていきましょう。

 

「カスタマイズツアー」を利用するユーザー旅行者の行動と特徴

FITとカスタマイズツアーには、どのような違いがあるのか。また、カスタマイズツアーを利用する旅行者の特徴はどのようなものでしょうか。

日本へ旅行する際の行動を例に、「価格」「客層」「人数」「ガイド/言語」「交通」「旅程」などの項目における、それぞれの特徴をまとめたものが下記になっています。

 

version-2-訪日カスタマイズツアーとFITの比較

 

上記の通り、カスタマイズツアーは、ある種「アウトソーシング」の発想と似ていて、「コア業務(旅体験そのもの)に時間」をかけて、その他の「非コア業務(旅行手配)を外注」します。

カスタマイズツアー利用者の属性としては、世帯収入の高い20代~40代ファミリー層が大半を占めています。つまり、「お金より時間のほうが大事」という消費思考の持ち主です。

この層の旅行者は海外旅行に対しては、「本物体験のウォンツ」が強く、そして旅の本質を「リラックス」と捉えている傾向が見られます。

 

中国人に人気な「カスタマイズツアー」の具体例

では、“本物志向”の中国人旅行者は、どんなカスタマイズをリクエストすることが多いのでしょうか。ITB Chinaが海外旅行を取り扱う中国の主要旅行会社300社へのヒヤリング調査をまとめた中国の旅行市場動向レポート「ITB China Travel Trends Report」によると、カスタマイズツアー利用者からの旅行会社へ出されるリクエストは、大きく4つのテーマに分けられると分析。「アイランドトラベル」「カルチャートラベル」「アドベンチャー」「スポーツトラベル」が、ITBChinaが定義する、カスタマイズツアーでの旅行者にもっとも人気のある4大テーマであると、このレポートは明言しています。

そしてさらに踏み込んで、「カスタマイズツアーで人気のある4大テーマのうち、旅行者が消費単価1万元(16万円)以上払ってもいいと思う、テーマはどれか?」とのヒヤリングに対しては、「“カルチャー”と“スポーツ”の2つのテーマへの旅行者の消費意欲が高い」という調査結果が明らかになりました。

 

▲カルチャーラベルにおいて人気が高いコンテンツ

▲カルチャートラベルにおいて人気が高いコンテンツ

▲スポーツトラベルにおいて人気が高いコンテンツ▲スポーツトラベルにおいて人気が高いコンテンツ

  

それでは、そんなカルチャートラベルとスポーツトラベルにおいては、どんなコンテンツへのニーズが高いのでしょうか。上記はITB Chinaの中国市場旅行動向レポートに掲載されていた「どんなキーワードにカスタマーツアーズの旅行者は関心があるか?」の図にしたものです。文字が大きいほど登場する回数が多いものとなります。
この図を見るとカルチャートラベルでは、「博物館」「現地文化」「歴史」「美食(グルメ)」などのキーワードが数多く登場。スポーツトラベルでは、「足球(サッカー)」「马拉松(マラソン)」「滑雪(スキー)」「赛事(スポーツ観戦)」などが、カスタマイズツアーの旅行者から人気のあるものとして度々挙げられていることがわかります。

また、個人手配が難しければ難しいほど消費単価が高くなるという傾向も、このレポートは伝えています。

※中国人に人気のあるスキー商品については、以前のコラムでもご紹介しています

 

二極化する訪日中国人の志向

中国の旅行業界では、訪日する中国人は二極化する傾向があると見ています。一つのタイプは、日本をショッピング王国と考え、“買い物”を目的として何度もリピートする人々。そして、もう一方のタイプは、“本物志向”の人々。彼らは日本を何度も訪れる程に、ゆっくりと滞在を楽しみたいと考えるようになっており、旅行者向けの体験ではなく、日本人が楽しんでいるような本物の経験をしたいと考えるようになっています。

中国人旅行者の旅行形態は、これまでの団体旅行とFITに、カスタマイズツアーが加わるなど多様化が進み、旅行者のタイプの二極化も進んでいます。中国人誘致を考える観光事業者や地域自治体のインバウンド担当の方もプロモーション施策をしているだけでは、巨大な中国旅行市場への浸透に限界があります。
「情報発信」と「売れる」組み合わせの仕組みつくっていくことが非常に大事であることを念頭に置き、施策を動かしていくことが求められています。

 

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▲弊社が取り扱う長野県自然スクールサマーキャンプ商品が中国で初リリースされた際の実例

【やまとごころ中国事業部】

やまとごころ中国事業部は、中国人富裕層をターゲットにした、「テーマ型観光商品」のダイレクト営業を行っております。自然体験、アート見学、スポーツ合宿などの「オリジナル旅行商品」をお持ちのサプライヤーさんの、中国市場向け展開を全面的にサポートいたします。
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