インバウンドコラム

【コロナ:世界の動きまとめ】日本への入国拒否87カ国に拡大へ。アメリカへの航空郵便も引き受け停止

2020.04.24

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新型コロナウイルスの影響で、日本政府は世界に対してさらに入国拒否対象の国を広げる方針を閣議決定した。日本郵便も、24日よりアメリカへの航空便による国際郵便の引き受けを停止するなど、日本はさらに海外へ国を閉ざす状態へと入っていく。世界の動きまとめ、今回は日本の動きをお届けする。

日本への入国拒否拡大へ、ロシアや中東も追加

新型コロナウイルス感染拡大の影響で全都道府県に緊急事態宣言を発令する中、政府は24日より、ロシアや中東の複数の国など14カ国に対し「感染症危険情報」をレベル3(渡航中止勧告)に引き上げた。

今回、引き上げられた14カ国は、欧州ではロシアとウクライナ、ベラルーシの3カ国で、これにより欧州すべての国が、渡航中止勧告のレベル3となった。中東・アフリカでは、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、オマーン、ジブチの6カ国。中南米では、ペルー、ドミニカ共和国、アンティグア・バーブーダ、セントクリストファー・ネビス、バルバドスの5カ国への渡航に対して中止勧告を求める。

またこれらの14カ国を入国拒否の対象に加えることも決定。4月29日午前0時より、入国申請日前の2週間以内に対象地域にいた外国人は日本に入国できなくなる。これにより日本が入国拒否するのは、87カ国・地域に拡大する。

このように世界の多くの国で外国人の入国禁止・制限の措置をとる中、日本発着の国際線が激減している。国土交通省によると、4月19日〜25日の一週間の予約便数は約200で、2019年の冬ダイヤと比べて96%減少した。空港別で2019年冬ダイヤとこの週(4月10日〜25日)を比べると、成田が週1698便から130便に、羽田が815便から60便、その他地方空港が932便から0便へと急減した。3月の訪日外国人数は前年同期比93%減となっていたが、入国拒否の対象国・地域の拡大により、4月はさらに減少幅が広がる見通しだ。

 

国際郵便引き受け停止196の国と地域に拡大

航空便の減便・運休の動きは郵便物にも影響している。日本郵便は一部の国・地域宛の国際郵便の引き受けを停止しているが、24日から対象国・地域を拡大、アメリカ宛の国際郵便物についても、引き受けを一部停止すると発表した。

すべての郵便物を停止するのは、中国、インド、スペインなどの50カ国・地域。EMS及び航空扱いの小包郵便物と通常郵便物(小形包装物、印刷物)の引き受けが一時停止となるのは、アメリカなどの146の国と地域となっている。なお、この146の国と地域に対しての、船便扱いの小包郵便物、航空・船便扱いの通常郵便物については引き受けを継続するが大幅な遅延が見込まれている。アメリカ宛にこれまでに引き受けた郵便物は、航空便で発送はするが、現在の航空状況と郵送量では発送まで最大4カ月程度の掛かることもあり得るという。
また、これまで実施していたSAL扱いの郵便物は、これまでサービスが実施されていた86カ国・地域すべてで、すでに停止している。

(やまとごころ編集部 外島美紀子、深谷昌代)

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ_2020. 04.22更新

※最新版も更新されました
7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】

 

 

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