インバウンドコラム

【コロナ:世界の動きまとめ】国内移動全面解禁、旅行そろり再開。「新しい旅のエチケット」や、中国や香港でも導入の接触確認アプリ、スタート。ベトナムなどから入国制限緩和へ

2020.06.20

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新型コロナウイルス対策のため自粛を求められていた都道府県をまたぐ移動が、19日全面的に解禁となった。これに合わせ、安全に旅行するための「新しい旅のエチケット」や、接触確認アプリも公開されている。世界各国で導入される接触確認アプリの状況や、ベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドから始まる入国制限緩和などについてお伝えする。

 

移動解禁、感染防止対策と両立させながら

県境越え移動が解禁されたことで、出張や旅行が徐々に進んでいくことになる。国内の空の便も回復の兆しを見せており、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)ともに7月後半の国内線予約は、前年同月比4割超まで回復する見通し。6月の利用客数が、前年同月比(17日時点)23%にとどまっているJR東海も、移動制限が解禁された19日は単身赴任者の帰省が増える週末であったことから東海道新幹線を東京―新大阪間で追加運転させた。ホテルなどの宿泊の予約も少しずつ回復している。

とはいえ、往来が増えれば感染が再拡大する懸念もあり、感染への警戒は依然強く、感染防止の側面やウェブ会議システムの浸透などから、出張を控える企業も多い。韓国では規制解除後にナイトクラブから集団感染が発生、中国でも北京の食品卸売市場で集団感染が発生。現在は市外に移動するにはPCR検査の陰性証明が必要となっている。

日本各地の観光地では、感染防止対策と観光復活の両立を目指しながら、手探りで再開させていくことになる。

 

安全に旅行するための「新しい旅のエチケット」

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19日の県境越え移動解禁を受け、観光庁と観光関連業界は、旅行者向けに感染リスクを避けながら安全に旅行するために注意すべき点をまとめた「新しい旅のエチケット」を公開した。

「旅ゆけば、何はともあれ、手洗い・消毒」や、「楽しくも、車内のおしゃべり控えめに」「おみやげは、あれこれ触らず目で選ぼう」「混んでたら、今はやめて、後からゆっくり」など、注意事項がイラストと川柳風のリズム良い言葉で紹介されている。ポスターがバスターミナルなど貼られる他、業界団体や観光事業者のウェブサイトなどを通じて告知していく。

 

コロナ感染の可能性通知。接触確認アプリ、利用開始

19日午後、厚生労働省は新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の提供を開始した。同アプリは新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触をした可能性がある場合に通知を受け取れるもので、速やかな検査や感染拡大の防止を目的としている。近距離無線通信ブルートゥースを利用し、アプリを入れた人同士が半径1メートル以内の距離に15分間以上いた場合に接触したとみなされる。アプリ利用者の中に陽性が判明した人が出て、その人がアプリに「陽性」と入力すると、過去2週間で接触があったと記録されている人すべてに通知が届く仕組みだ。名前や電話番号、GPSの位置情報などは使わないため、匿名性が高いのが特徴となっている。

英オックスフォード大学の研究では、人口の6割が接触検知アプリを使用すれば地域での流行を避けられるとの研究があり、十分な効果にはどれだけ普及させることができるかが課題となる。

 

世界各国でも導入される接触確認アプリ

世界各国でも、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、接触確認アプリを導入している国や地域が多くある。

 

スマホの位置情報で感染者を追跡する、中国、インド、韓国

アジアでは、スマホのGPS位置情報を利用した接触確認アプリを使っている国が多い。中国では、アリババやテンセントが開発した個人を追跡するスマートフォンのアプリ「健康コード」が導入されている。利用者は身分証明書番号やスマホの電話番号をアプリに登録する。地方政府に集められた病院での診察データや監視カメラの情報、スマホのGPSから集まる位置情報、感染者との濃厚接触などを判定し、アプリが赤、黄、緑の3色のQRコードで感染状況の可能性を示す。赤色が「感染」、黄色が「濃厚接触の疑いまたは隔離が必要」、緑色が「問題なし」となっている。アプリの利用は強制ではないものの、中国の空港や駅、商業施設、飲食店などの入り口ではQRコードの提示を求められる。

インドでは全国民にアプリの利用を呼びかけ、韓国ではアプリで感染者の移動経路を公開することで、自分が濃厚接触した可能性の有無が判断できるようになっている。タイでは空港に到着した人に追跡アプリのダウンロードを義務付けている。

 

香港は、24時間着用義務のリストバンドとの併用でステイホーム

香港へは現在、居民以外の海外からの渡航は禁じされているが、居民者が空港に到着すると、スマホに入れた専用アプリ「Stay Home Safe」と、空港で装着した電子リストバンドの24時間着用が義務付けられ、14日間外出が禁じられている。自宅待機を破った場合は罰金2万5000香港ドル(約35万円)と6カ月の禁固の罰則となる。

 

匿名性を重視するブルートゥース派のオーストラリア、シンガポール

一方で、日本のように匿名性の高いとされるスマホのブルートゥース機能を使ったアプリを導入している国もある。オーストラリアで導入されているアプリは、保健当局以外はデータにアクセスできず、3週間後に自動でデータが削除される。

シンガポールも同様にブルートゥース機能を使ったアプリ「TraceTogether」を3月から導入している。このアプリは新型コロナウイルス感染症の患者に接触した人を当局が特定するのを支援するものであるが、インストール数は、人口の約4分の1にあたる150万人にとどまっている。

6月5日シンガポール外務大臣ビビアン・バラクリシュナン氏は、「TraceTogether」と同じ目的を持つものとして、ひもにつけて首からさげたりできるウェアラブルデバイスをシンガポールの国民全国民約570万人に提供することを発表。しかし、この計画に対してはプライバシーを不安視する懸念の声も挙がっている。

 

日本:タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドから入国規制緩和

海外からの感染を防止する水際対策のため厳しく制限されている入国措置も緩和に向けて動き出している。日本政府は18日、外国からの渡航規制を、ビジネス目的での往来に限定し緩和することを決定。第1弾として、タイ、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国を優先して協議していくことを明らかにした。米国や中国、韓国、台湾との往来再開は第1弾には含まれていないが、国の内外の感染状況等を総合的に勘案し、順次対象となる国・地域を拡大していく考えを示している。

さらに19日茂木外相は、タイとの間では日タイ外相電話会談が行われ、両国間のビジネス上不可欠な人材等の往来を再開させるために調整していくことを確認したことを公表。

ベトナム政府とも、両国間の往来に対する制限を段階的に緩和、ビジネス客などから再開させることで、合意したことを発表した。開始のタイミングなどの詳細は外交ルートを通じて調整していくが、「そんなに時間はかからないと思っている」と語った。

また、6月25〜27日に400人を超す日本のビジネス関係者が両国での渡航再開の合意後初めて、チャーター機でベトナムに入国する見通しが明らかになった。

 

求められるPCR検査。1日250人の入国からスタート

往来再開にあたっては、出入国時のPCR検査が条件となる。出国する前にPCR検査による陰性証明を取得し、現地での活動計画を提出し、相手国から承認されれば出国できる。相手国に到着後も、空港などでの再度のPCR検査結果が陰性であれば入国が認められる。入国後14日間は活動計画に添った行動に限定されるが、ホテルなどでの待機は免除される。

帰国後も空港でのPCR検査が義務付けられる。このように安全に渡航規制を緩和させていくには、PCR検査の体制整備が不可欠となるため、1日の入国者は250人と上限を定めてのスタートとなる。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ

 

 

 

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