インバウンドコラム

【コロナ:世界の動きまとめ】EU、7月1日より日本などからの渡航制限解除で調整。台湾、タイも規制一部緩和へ。世界の累計感染者数1000万人超

2020.06.28

外島 美紀子

印刷用ページを表示する



EUが日本を含めた十数カ国からの渡航を解除する方向だという。しかし、その一方で日本は欧州への渡航を認めておらず、旅行や出張が厳しい状況は続く。日本政府は、ベトナム政府と相互に入国制限緩和で合意、25日には日本からの初となる臨時便がベトナム到着、27日までの3日間で440名の日本人ビジネスマンがベトナムに入国した。台湾は29日より入境制限を一部緩和。タイ政府も7月1日より、メディカルツーリズム目的の渡航や高度人材の入国を認める。

 

米国、フランスでコロナ感染者数が再び急増

28日、新型コロナウイルスの世界の累計感染者数が1000万人を超えた。1月に中国で感染が確認されてから、5月余りで世界187の国と地域へ感染が拡がり、累計死者数は50万人に迫っている。国別で感染者数が多いのは、アメリカ(約252万人)、ブラジル(約131万人)、ロシア(約63万人)、インド(約53万人)、英国(約31万人)の順となっている。

感染が収束に向かった国から経済活動は再開をさせているが、アメリカでは1日当たりの新規感染者が4万人を超し、連日、最多を更新、感染者数が再び急増している。エッフェル塔が約100日ぶりに営業したフランスでも、感染が再び拡大しており、26日の新規感染者数は5月30日以来、初めて1500人を超えた。

 

EU:観光業の回復狙い、域外からの渡航制限緩和へ

欧州連合(EU)が、7月1日より日本を含む十数カ国からの渡航を段階的に解除する方向で調整に入ったことが明らかになった。加盟国との調整で、いくつかの国が除外となる可能性もあるが、EU全体としてどの国からの渡航を解除をするかのリストが来週公開される。

EU各国では今年3月以降、新型コロナウイルス感染防止のために域外からの渡航を原則禁止する措置が取られている。EU欧州委員会は夏の観光シーズンを前に、感染が落ち着いている地域から段階的に渡航制限を緩和していくことを各国に提案しており、その具体的な渡航規制解除国の暫定リストが、26日開かれたEU欧州委員会の会合で示された。そのリストの中に日本や中国、韓国など十数カ国が含まれているが、依然、感染拡大が続いている米国、ロシア、ブラジルなどはリストには含まれていない。

欧州域内では、域内の移動の自由を保障した「シェンゲン協定」が結ばれており、域内にいったん入ると原則パスポートの検査なしで加盟国計30カ国を行き来できるようになるため、欧州委員会は共通リストを作り加盟国に協調した対応を呼びかける。しかし、欧州員会の提案に拘束力はなく、出入国管理は加盟国の権限となる。

今回の共通リストの候補に日本は含まれてはいるが、EUでは渡航規制解除の条件に、その国の感染状況が落ち着いていることに加えて、EU加盟国からのその国への渡航が認められていることも基準になるとしている。現在、日本政府はEU全加盟国を含む111カ国・地域からの外国人の入国を原則拒否しており、これらの国・地域への日本人の渡航に関しても、強制力はないものの渡航中止勧告を出している。入国拒否としている国・地域に2週間以内に滞在した者が日本に入国する場合は、帰国時にPCR検査を受けることと、自宅などで2週間待機を求めている。EU側が、日本からの渡航規制を受け入れたとしても、日本からのEU各国を訪問するのが厳しい状況は続きそうだ。

 

日本ーベトナムに緩和後初の臨時便

新型コロナウイルス対策として実施してきた外国人の入国制限をめぐって日本政府はベトナム政府は往来規制を緩和する方針で一致。6月25日、26日、27日には往来再開に向け、在ベトナム日本商工会議所が手配した臨時便で、日本人駐在員や出張者440人がベトナムに渡航した。

25日の記者会見で、菅官房長官は「今回の渡航は、両国間のさらなる往来に向けた第1歩となります。今後とも、ベトナム当局と緩和に向けた具体的な手続きについて調整していきたい」とコメントした。

24日には新型コロナウイルス感染症の影響で日本に足止めされていたベトナム人が、日本とベトナム当局が手配した帰国便でベトナムに到着した。ベトナム航空が運航したこの帰国便にはベトナム人324人が搭乗し、到着後は健康チェックを受けた後、隔離施設へと移された。

 

台湾:入境制限を29日から一部緩和

台湾の中央感染症指揮センターは24日、海外からの入境制限を29日から緩和すると発表した。観光客への門戸はまだ開かれていないが、ビジネス、親族訪問、研修、国際会議への出席など、その他の理由で入境許可が得られた人は、搭乗前の3日以内に行った新型コロナウイルスの陰性証明書(英語版)を提示する必要がある。また、入境後にも14日間の自己隔離が義務付けられる。

台湾の桃園空港は、6月26日から条件付きで乗り継ぎ便の受け入れを再開した。同一グループの航空会社が運行する便を利用し、かつ空港滞在時間が8時間以内の場合に限定。現時点では、チャイナエアライン、エバー航空、キャセイパシフィック航空の便に限られる。

 

中国・北京:鉄道乗車にも陰性証明が必要に

中国鉄道の北京局は6月23日、新型コロナウイルス検査の陰性証明書を提出しない場合は鉄道に乗車できないとの見解を発表した。そのため、6月16日24:00までに北京内外で購入された全てのチケットを無料で払い戻すという。

 

中国・広東省と香港で健康コード相互承認へ

中国本土と香港間のビジネスの往来再開のために、新型コロナウイルスの検査結果を相互承認し、検疫を免除する計画を進めていることが明らかになった。指定の医療機関での検査で得られた陰性結果をもとに、衛生省のサイトから健康コードを取得。これをベースに他の地域での健康コードも申請できるようになるという。第一段階では、香港と中国・広東省との間でのみ実施され、他地域へも広げていく方針。

 

タイ:メディカルツーリズムと高度人材を7月1日から

タイ政府は、新型コロナウイルスの水際対策として行っていた入国規制を7月1日より緩和する。入国後14日間の自己隔離などを条件に、メディカルツーリズム約3万人、タイで就労する高度人材約1万5400人の入国を認める方針だという。今後は、実業家、投資家、熟練労働者、輸出業者、タイ人を配偶者に持つ外国人、タイの永住権を有する外国人、中国・日本・韓国などからの観光客などに対象を広げていく予定となっている。

 

世界観光機関:観光収入の損失は1950億ドル

世界観光機関が6月22日に発表した最新のデータによると、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国際観光客の数は今年1月〜4月までの間で平均44%減少し、観光収入の損失は1950億ドル(約20兆8868億円)となった。3月の観光客数は55%減少し、例年であれば4月にピークを迎えるイースター休暇も97%と大幅に減少した。アジア太平洋地域では、今年1月〜4月で国際観光客数が51%減少し、続くヨーロッパは44%、中東は40%、南北アメリカは36%、アフリカが35%とそれぞれ減少した。

 

やまとごころでは、重点20市場における入国規制の状況を一覧にまとめています。
詳細はダウンロードしてご覧ください。

各国・地域の入国規制まとめ

※最新版も更新されました
7/7 更新【新型コロナ:各国入国規制まとめ 】

 

最新記事