インバウンドコラム

【コロナ:世界の動き】日本政府、出入国の規制緩和策「出張帰国時の待機免除へ」。韓国とのビジネス往来再開、NY一部で再び限定的ロックダウン

2020.10.09

外島 美紀子

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日本政府、ビジネス出張帰国者を対象に14日間の待機免除

日本政府は、新型コロナウイルスの水際対策として実施している入国時の規制を緩和する方向で調整を進めている。現在は海外出張から帰国・再入国した日本人や在留資格を持つ外国人を対象に、帰国後14日間の待機措置が講じられているが、これを免除することで海外出張しやすい環境を整え、経済活動を後押しするのが狙い。対象国は全世界とし、PCR検査が可能な人数に限定して入国を受け入れる。PCR検査で陰性の場合のみ入国ができ、入国後2週間は公共交通機関の使用禁止や、移動は職場と自宅の往復に限定するなど、一定の条件下で行動することになる。

 

ビジネス往来、シンガポールに続き韓国とも再開

シンガポール政府と韓国政府とはビジネス往来の再開についてすでに合意しており、出入国制限の緩和を行っている。韓国とのビジネス目的の相互往来は10月8日より再開され、原則90日以内の短期渡航においては、新型コロナウイルスの陰性証明書や活動計画書を提出すれば、14日間の待機措置が免除される。そのため、出張者は入国時のPCR検査で陰性であれば実質、入国直後からビジネス活動を開始することができる。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本政府はこれまで全世界の159カ国の国・地域からの入国を拒否していたが、経済や社会への影響を減らすために、入国制限の緩和に向けて各国政府と協議を進めている。

 

「Go To トラベル」支援額は735億円、利用者数は1689万人

観光庁は6日、政府による観光支援策「Go To トラベル」事業の7月22日から9月15日までの利用実績を発表した。これによると、割引支援額は735億円で、利用者数は延べ1689万人だった。10月にはこれまで除外されてきた東京都が同事業に追加されたため、支援額や利用人数の増加が予想される。「Go To トラベル」事業の予算は1.3兆円(宿泊旅行で7300万人分、日帰り旅行で4800万人分)が確保されている。

6日の記者会見で、加藤官房長官は「Go To トラベル」事業について言及し「できるだけ息長く実施したいと考えている」との見解を示した。現在、2021年1月末までとしている終了時期について「予算も状況などを見ながら判断していく」としながら、予算の増額などの可能性を含ませた。

 

コロナの打撃を受ける航空業界

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、需要が激減した航空業界では、コスト削減が一段と進められている。全日本空輸(ANA)は、全従業員約1万5000人を対象に、今冬のボーナスに相当する一時金を支給せず、給与も減額することが明らかになった。すでに実施した夏季一時金の半額減分も合わせると、年収ベースで平均3割減となる見通しとなっている。

格安航空会社(LCC)のエアアジア・ジャパンも12月5日で全4路線を廃止し、日本から撤退することを正式に発表した。新型コロナウイルスの影響で需要が大幅に減少した同社は、今年4月に全ての路線を一時運休。8月には運航を再開したものの、回復が想定を下回り、10月に入って再びすべての路線を運休する方針を示していた。新型コロナの影響による国内の航空会社の事業撤退はこれが初となる。

 

ニューヨーク、パリなど、世界の主要都市で一部再ロックダウン

ニューヨーク市は4日、新型コロナウイルスの感染再拡大を防止するため、区域を絞った限定ロックダウン措置を講じると発表した。ニューヨーク市では3月下旬から厳しいロックダウンを続け、感染者数は減少傾向に転じていた。しかし、9月の中旬からは再び感染者数が増え始めている。今回の限定ロックダウンでは、ブルックリンやクイーンズの一部地域が対象となるが、外出自粛までは行わず、レストランも持ち帰り営業が認められる。

ニューヨーク市ではクラスターが発生している、感染リスクの高い地域を「レッドゾーン」とし、レッドゾーンから近い地域から順に「オレンジゾーン」「イエローゾーン」に指定。感染状況に応じた段階ごとに、異なる規制を適用していく。

新型コロナの第2波に見舞われているパリでも、6日から全てのバーを閉鎖したほか、レストランの営業に厳しいルールを義務付けている。また、南仏のマルセイユでも感染者数が増加しており、1週間にわたって飲食店を閉鎖する事態となっている。

スペインの首都マドリードでは9月21日に一部で実施した外出制限を10月に入って全域に拡大。人口密度が高く、感染が広がりやすい世界の主要都市では感染の再拡大が起こり、規制強化が次々と導入されている。

 

G20観光大臣会合、観光回復に向け国際的な連携を確認

10月7日、G20観光大臣会合がテレビ会議で行われ、日本からは赤羽国交大臣が出席した。会合では、新型コロナウイルスからの観光の回復に向けた国際的な連携および持続可能な観光の推進について確認し、G20観光大臣宣言を採択した。会議後には「旅行・観光産業が新型コロナウイルスによって最も大きな影響を受けた産業のひとつであり、パンデミックからの回復に向けて一丸となって取り組む」との声明を発表している。

 

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各国・地域の入国規制まとめ

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