インバウンドコラム

【コロナ:世界の動き】緊急事態宣言、「Go To トラベル」再開は困難。中国、台湾、インドネシア、韓国など日本からの入国規制を厳しく

2021.01.04

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緊急事態宣言、1都3県で再発令を検討

菅首相は4日に行われた年頭の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大抑制のため、東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県を対象に、緊急事態宣言を再び発令する検討に入ることを明らかにした。「限定的に集中的に行うことが効果的だ」として、飲食店の営業時間短縮などを重視した対策を検討する方針を示した。宣言の発令は、9日午前0時から1カ月程度を検討しているとしている。

 

「Go To トラベル」停止期間延長の見通し

首相は、11日まで全国で一斉停止中の「Go To トラベル」事業についても触れ、緊急事態宣言が発令された場合「再開はなかなか難しい」と繰り返し述べた。 同事業は全国で昨年12月28日から停止しているが、停止期間が延期される見通しとなった。観光庁によると、昨年7月22日から同11月末までに延べ約6850万人が同事業を利用した。このまま同事業の停止が延長されると、観光業界へ更なる打撃となる。また、予定している開会式までちょうど200日となった東京オリンピック・パラリンピックについては、予定通りの開催を目指す考えを示した。

 

ビジネス往来再開国からの入国を続ける日本、制限をする相手国

新型コロナウイルスの感染再拡大や変異株の流行に伴い、日本政府は2020年12月28日より1月末までの期間、全世界からの外国人の新規入国を停止している。日本人や在留資格がある外国人、すでにビザを取得した外国人は原則入国できるが、上陸申請から14日以内にイギリスや南アフリカに滞在した人の入国は認めない。中国や韓国など11カ国・地域(タイ、ベトナム、マレーシア、カンボジア、ラオス、ミャンマー、台湾、シンガポール、ブルネイ、韓国、中国)と合意したビジネス往来などの枠組みによる入国は引き続き認めている。日本とそうした取り決めをした国・地域でも、日本からの入国制限や検査を求めるところが出ている。

日本と中国は、11月末にビジネス往来を再開させ短期出張者らを対象に新型コロナウイルスの陰性証明書と行動計画書の提出を条件に、入国後2週間の隔離措置を免除している。その一方で中国は11月2日より、駐在員に帯同する家族へのビザ発給を停止。11月8日からは日本発の旅客は搭乗前2日以内に受けたPCR検査と抗体検査の陰性証明を提示が必要となった。

インドネシアは、1月1日〜1 月14日の間は、一時滞在許可(KITAS)や定住許可(KITAP)の保持者を除く全ての外国人の入国を禁じている。

台湾に入境または台湾でトランジットを行う全ての国からの旅客は、2月28日までの間、訪台目的に関わらず例外なく搭乗前3営業日以内に検査したPCR検査陰性証明書を得なければ、訪台便に搭乗することができない。

日本と韓国との間は、10月8日からビジネストラックでの往来が開始しているが、ビザ申請の際に申請日前48時間以内に発給されたPCR陰性確認書の提出が必要となった。

また、フィリピンは1月15日までの間、新型コロナウイルス変異株が確認されている日本を含む国・地域からの外国人の入国を禁止している。

 

中国の国内旅行者、今後5年で年100億人規模に

中国旅游(観光)研究院はこのほど、国内旅行者数が今後5年で年間延べ100億人規模になり、旅行消費額は10兆元(約158兆円)に達するとの見込みを発表した。中国の国内旅行者数は2019年に延べ60億人を突破し、インバウンド観光客も1億4500万人を超え、年間観光収入は6兆6300億元(約104兆8300億円)に上った。今年は新型コロナの影響でインバウンド観光客が激減したが、国内観光の需要が増えたことで、この数字を後押しするものとみられる。

中国の航空当局は16日、国際線運航における規制を強化。中国到着時のPCR検査で乗客5人以上が陽性となった場合、2週間の運航停止措置にすると発表した。現行よりも1週間延ばしたことになる。

 

オンライン旅行会社、シートリップが大幅回復

中国最大のオンライン旅行会社シートリップ・グループは、第3四半期の決算を発表した。これによると、2020年第3四半期の純営業利益は55億元で、前年同期比48%減となったものの、前四半期から73%増加し、大幅な回復を見せた。第3四半期の宿泊予約収入は25億元(前年同期比40%減、前四半期比98%増)、航空券収入は19億元(前年同期比49%減、前四半期比66%増)となっている。

中国国際航空は、2021年1月1日から3月27日まで、北京、上海、杭州、成都、深センなどの都市から、毎週30路線の国際線を運航することを発表した。

 

「デジタル人民元」の実証実験を開始

中国国営通信の新華社は、江蘇省蘇州市で「デジタル人民元」を使う実証実験が行われることを報じた。10月の広東省深セン市に続く第2弾となり、中国人民銀行(中央銀行)によるデジタル通貨の発行に向けて着々と準備が進められている。同実証実験では市民ら10万人に1人200元(約3200円)のデジタル人民元を配布。市内の店舗や通販のサイトでの商品購入に使ってもらい、支障がないかを検証する。ネットにつながっていなくてもスマホ同士を接触させるだけで送金できるため、コロナ禍でもコンタクトレスのやりとりができる。

 

大規模産業に発展する見込み、中国の農村レジャー観光業

中国農業農村部農村産業発展司の曽衍徳(そう・えんとく)司長は、2019年の中国農村レジャー観光業の観光客数が延べ33億人となり、売上高は8500億元(約13兆5000億円)を超えたと述べた。農村レジャー観光業は今後2~3年後で、売上高が1兆元(約15兆9000億円)を超える大規模産業に発展すると語っている。コロナ後の日本の農村にとってもチャンスとなるか、今後の動向に期待が寄せられる。

 

香港エクスプレス、コロナ旅行保険サービスを開始

香港エクスプレスは23日、「新型コロナウイルス肺炎旅行保険」を無料で提供すると発表した。来年6月30日までの期間、香港発の香港エクスプレスを利用する搭乗者が対象となる。同保険では、海外で新型コロナウイルスに感染した場合に、医療入院費用を最大で10万ドルまで保障するほか、病院での治療費を最大14日間、1日100ドルまで保障する。

香港鉄路(MTR)は、中国の電子商取引大手アリババグループ系の金融会社が提供する電子決済サービス「アリペイHK」と提携し、スマートフォンのQRコードで自動改札機に出入りできるシステムを導入した。改札機の読み取り口にスマートフォンをかざすだけで即時決済し、通過できる仕組みとなっている。

 

韓国、新型コロナ終息後、最も人気のある余暇活動は「旅行」

韓国文化観光研究院は、「ポストコロナ時代の文化・観光展望アンケート」の結果を発表した。国民2000人を対象に行われた同調査では、新型コロナが終息したら一番に行いたい余暇活動について尋ねたところ、「旅行」がトップの69.6%だった。次いで文化(13.3%)、社交(13.1%)、スポーツ(4.1%)の順となった。また、新型コロナが来年終息した場合、「国内旅行をする」と回答した人は81.1%で、「海外旅行をする」(59.8%)を上回った。

韓国の文化体育観光部は、2021年度(1~12月)の観光分野の予算として約1.5超ウォン(約1500億円)を編成したと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で大打撃を受けている観光産業の回復を後押しするため、今年度比11.2%増額した。

韓国観光公社のPR動画「韓国のリズムを感じて(Feel the Rhythm of Korea)」が、11月下旬にスペインのセビリアで開催された「観光革新サミット」で、デジタルキャンペーン部門の「観光革新アワード2020」を受賞した。PR動画は人気上昇中のオルタナティブ・ポップバンド、イナルチ(LEENALCHI)と、現代舞踊グループのアンビギュアスダンスカンパニー(Ambiguous Dance Company)のコラボによって実現し、国内外で話題を集めた。

 

タイ、7割の国民が新型コロナワクチン接種を希望

タイの新型コロナウイルス感染症対策センター(CCSA)は12月12日、新型コロナウイルイスに関する世論調査の結果を発表し、新型コロナワクチンの接種を希望している人が全体の約7割に上っていることがわかった。同調査によると「タイでワクチン接種が可能になったら接種を受けるか」との質問に「受ける」と回答した人が68.9%、「わからない」が15.2%、「受けない」が5.2%となっている。

 

ニュージーランド、豪からの渡航者を隔離なしで受け入れへ

ニュージーランドのアーダーン首相は、2021年第1四半期中にオーストラリアからの渡航者を隔離なしで受け入れる方針を明らかにした。両国の感染状況は安定しており、隔離措置なしでの相互往来を認める方向で調整が進められている。ニュージーランドは厳しいロックダウンを導入し、外国人の入国を禁止することで新型コロナの封じ込めに成功している。

 

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