インバウンドコラム

第1回 2.5人に1人は海外に!ここ最近のオージー旅行事情

2013.02.01

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オーストラリアは、人口わずか2200万人の小国であり、所謂アウトバウンドの数や、アウトバウンド関連の支出総額でいえば、ドイツやアメリカや中国には負けているだろう。しかし昨年は、この人口2200万人のうち、アウトバウンドの数字が820万人。これだけの人がホリデー、あるいはビジネスで海外に出かけた。そして、驚くことには、この数字が年々増大しているのである。

目次:
海外旅行はライフと、とことん楽しむオージー
日本に無知なオージーをなんとかせねば!
海外旅行意欲が高まり続けるオーストラリア市場
行き先は、近隣か英語圏を好む傾向にある

 

海外旅行はライフと、とことん楽しむオージー

オーストラリア人がよくいう。
「外国に行ったのに、オーストラリア人によく逢うんだよ」と。

これは、「せっかく外国に行ったのに、オーストラリア人かよ」といううんざり感にも聞こえるが、オーストラリア人がよく海外に出ることを象徴している言葉だ。

「ひとところに落ち着かずあっちこっち歩き回る人」のことを、英語では、“Itchy Feet(イッチーフィート)”、つまり、「痒い足」という表現をするが、オーストラリア人は、自他共に認めるItchy Feetなのではないだろうか。

オーストラリアの成人年齢は18歳。高校が終わるとすぐ成人になる。成人になって、すぐすることは、お酒(苦笑)と、旅行。

 

img01-7オーストラリア人の旅行好きは、死ぬまで(?)続き、最近でこそ55歳リタイアメントはなくなったものの、リタイアしたらすぐ旅行。

いえ、リタイアメントは旅行するためにあるというのが、オーストラリア人の人生設計のようである。

 

 

「日本に無知」なオージーを何とかせねば

そのオーストラリア人から数年前までは、というより最近でも、「日本に行ってみたいんだけれど、物価が高いのよね」などと聞かれることがまだある。聞いてくる人のイグノランス(無知)はともあれ、日本はオーストラリアでの資源の確保だけでなく、もっとオーストラリアにインバウンドでアプローチすべきなのではないかと思うこのごろである。

そうそう、先日日本に行ったら、冒頭で述べたように、「おいおい、またオーストラリア人?」なんて経験があった。

成田空港でのこと。5,6人の若者。成田エクスプレスの切符売り場。
故障中と書いてある(なぜ、英語でも書かないのか不思議ではあったが……)切符販売機の前で、ああでもない、こうでもない。と、話をしていた。

でしゃばり叔母さんの私が、
「その機械故障よ」
と教えてあげた。感謝されたのだが、
「どこから来たの?」
「オーストラリア」
「あら、私もよ」。

成田エクスプレスに乗り東京まで。私は東京から大阪に新幹線。新大阪で降りるとき外国人夫婦が……。
「どこから来たの?」
「オーストラリアから。ブリスベン」。
「・・・」

 

海外旅行意欲が高まり続けるオーストラリア市場

img02-7さて、Australian Bureau of Statistics(ABS)オーストラリア統計局が、今年2月に出した、オーストラリアのインターナショナルムーブメント(出入国動向)レポートによれば、昨年2012年末までの出入国数は2980万人となった。この数字を、10年前と比べてみると、10年前は1720万人だから、およそ1200万人の増加となっている。この数字は、1年以内のショートタームが基準となっており、観光だけでなくビジネス、あるいは留学などもその動きの中に含まれている。

いずれにしても、かつてはオセアニアというくくりで存在した島大陸のオーストラリアが、白豪主義を捨てアジアの一国家としてのアイデンティティーを掴んだこと、また、後に詳しく述べるが、航空会社の競走の激化により海外旅行が身近にできるようになった結果といえるのではないだろうか。

ちなみに、筆者がオーストラリアにやってきた1985年当時は、まだ日本人の住民の数も少なく、日本からの旅行客、ビジネス客もほとんどいなかった時代。

オーストラリアは、人口わずか2200万人の小国であり、所謂アウトバウンドの数や、アウトバウンド関連の支出総額でいえば、ドイツやアメリカや中国には負けているだろう。
しかし昨年は、この人口2200万人のうち、アウトバウンドの数字が820万人。これだけのオージーが、ホリデーあるいはビジネスで海外に出かけたとABSが報告している。

そして、驚くことには、この数字が年々増大しているのである。

その理由は後述するとして、増大するアウトバウンド数についていえば、海外に行くオーストラリア人の数は、その前年2011年には、780万人だったから、その伸びがいかに大きいか理解いただけると思う。もうひとつ比較すれば、10年前の2002年には、オーストラリア人のショートターム・アウトバウンドが350万人。

つまり、わずか10年の間に、倍以上! はては3倍に迫ろうとしているのは、驚異的だといわなければならない。

 

行き先は、近隣か英語圏を好む傾向にある

では、これら820万人ものオーストラリア人は一体どこに行ったのだろうか。
前述のABSのレポートに寄れば、ニュージーランドが1位で110万人。
2位がインドネシアで約91万1千人。3位がアメリカで約86万3千人。4位がタイで62万2千人。5位はかつての宗主国、イギリスで48万9千人という結果。
他は、中国、フィジー、シンガポール、マレーシア、香港と続く。

img03-7

1位のニュージーランドはオーストラリア人の人気のホリデーデスティネーションでもあるが、同時に、オーストラリアにはニュージーランド人が60万人も住んでおり、家族間の行き来やビジネス関連の行き来も多い。
2位のインドネシアは、近隣だというだけでなく、オーストラリア人はバリを自国のリゾートのように考えている。
2005年10月にバリで起こった爆破事件では、86人のオーストラリア人が死亡し、一時的にバリを訪れるオーストラリア人が減少した。その後、およそ7年が経過し、バリは再びオーストラリア人の「ホーム・アウェイ・ホーム(離れたところにあるホーム)」として人気が戻ってきている。

 

近年になって、スキー客を含めて日本にオーストラリア人が多く訪れているような感じもするが、上記リストのトップ10には入っていない。

オーストラリアからの観光客数は2012年で約20万人。しかし、オーストラリアのアウトバウンド全体の820万人という数字を考えれば、もっと何とかしたいと思うのは筆者だけだろうか。

今後このコラムが、オーストラリア人の日本へのインバウンド観光客をさらに増やすきっかけになってくれれば大いに嬉しい。

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