インバウンドコラム

『多文化社会EXPO2019』 あしたのニッポン展で、2020年必要とされる日本のおもてなしを考える

2019.11.19

外島 美紀子

印刷用ページを表示する



11月13日、14日『多文化社会EXPO2019』が東京浅草で開催された。これまでハラールに準拠したおもてなしのための「HALAL EXPO JAPAN」として、2014年より過去5回開催されていたが、今回よりハラールだけでなくベジタリアンやヴィーガンにも着眼、より広いテーマを知るためのEXPOとして、新たな名称を冠しての開催となった。

▲初めて日本を訪れているお母さんと一緒に会場を訪れたインドネシアからの旅行者

会場には、ハラール対応のカレーを扱いムスリムの人々も多く訪れているCoCo壱番屋や、地域をあげて食のダイバーシティに取り組む北海道旭川市など30社がブースを出展。場内では、2020年を迎えるにあたり必要とされる多文化社会を知るためのセミナーも開催され、自治体や企業、飲食店、宿泊施設の担当者など、様々な国籍の2000人以上が訪れた。

 

▲今後はエリア全体でヴィーガンに取り組んでいくそうだ

セミナーには、日本酒として世界で初めてのヴィーガン認証をとった「南部美人」の5代目蔵元・久慈浩介氏も登壇。

「2013年にユダヤ教の食の規定であるコーシャ認証を取得したことで、幅広い外国の方に知られるようになりました。さらに今年、動物性食品を一切口にしないヴィーガン認証を取ったことでさらに多くの外国人の方の手にとってもらうチャンスが増えると考えています。とはいえ、けっしてうちだけが特別なことをしている訳ではありません。日本の食は製造過程において元々、そのような食の規制がある人々にも受け入れられる作りをしている物が多くあります。認証を取ることでわかりやすい形で広まっていくチャンスが、日本の食には多くあるのです」と熱く語った。

 

▲みなくるジャパンを設立し、「ご当地グルメ✕フードダイバーシティ」に取り組んでいくことも発表

日本最大のまちおこしイベントとして有名なB-1グランプリを主催する愛Bリーグ本部、日本食文化観光推進機構の小川尚志氏もセミナーに登壇。外国人旅行者は、日本の食文化とくに地方の日常食であるご当地グルメに関心が高いものの、食の禁忌の問題で食べられなく残念な思いをしていることが少なくないこと。食事をして語り合うことは、もっとも基本的で楽しい交流の第一歩であるとし、令和型町おこしとして、「ご当地グルメ✕フードダイバーシティ」の可能性を紹介。今回のイベント『多文化社会EXPO2019』の主催者であるフードダイバーシティ株式会社、愛Bリーグ、株式会社ジェイスリーでみなくるジャパンを設立し「ご当地グルメ✕フードダイバーシティ」に取り組んでいくことも発表した。
その一環として、会場内のブースでは、B-1グランプリでも知られる長野県の伊那ローメンが出展。ムスリムの方々からも好評だった。

▲ハラールの羊肉をつかった伊那ローメン。ビジネスにつながる出会いもあったようだ

▲多くの人が注目した菜道・楠本氏のデモンストレーション

世界中のヴィーガン・ベジタリアンに利用されているレストラン情報サイト「Happycow(ハッピーカウ)」にて、11万を超えるレストランの中から、ベストヴィーガンレストランランキング世界1位に選ばれた東京・自由が丘にある菜道(さいどう)レストランのメニュー監修・シェフの楠本勝三氏のデモンストレーションもあり驚きの味と技を体験できるなど、発見、学びに満ちた2日間のイベントとなった。

 

▲確かな手応えを感じたと語る守護氏

主催者のフードダイバーシティ株式会社代表取締役の守護彰浩氏は、「これまでの、一般客にも来てもらい食べてもらう啓発のステージから、今回のEXPOではB to Bをつなげる場として名称だけでなく、EXPO開催のステージも変化したものとなりました。これまでハラール対応のみに特化することで失敗する企業さんが少なくないなか、多文化社会EXPOとしたことで、その是正もお手伝いしていけるのではないかと感じています」と手応えを語ってくれた。

 

 

編集部オススメ関連記事:

ヴィーガン向けレストラン情報サイト「Happycow」で、自由が丘の「菜道」が世界1位に

 

最新記事