インバウンドコラム
国際調査機関や海外メディアのランキングものが、続々と発表されています。昨今の日本はどのような評価を受けているのでしょうか。
7月、日本の旅行業界が毎年注目する米旅行雑誌「トラベル・アンド・レジャー(Travel+Leisure)」の読者投票ランキングが発表されました。2014年と2015年に、同ランキングの人気都市部門で京都が連覇を達成したことは、観光立国を目指す日本にとって大きな自信となりました。今年の順位は5位でしたが、イタリアのフィレンツェ、アメリカのチャールストンとともに「このランキングの常連」と認められ、存在感を示しました。
オーストラリアのシドニーに本部を置く、国際的シンクタンク「経済平和研究所(IEP)」が6月「世界平和度指数2018」を発表しました。国内紛争や犯罪の数、テロ活動の潜在的可能性、近隣国との関係などから、平和度が評価されます。日本の今年の順位は9位で、8位のシンガポールに続きアジア地域で2位となりました。トップはアイスランドで、2008年から首位をキープしています。
英語の旅行ガイドブックとして世界一のシェアを持つ「ロンリープラネット(Lonely Planet)」の「2018年アジアの旅行先ベスト10」では、世界文化遺産効果でしょうか、5位に長崎が選ばれています。1位は韓国の釜山です。旅行者それぞれのニーズにあったアクティビティが人気とのこと。
「トラベル・アンド・レジャー」の「地球上で最もカラフルな場所」では、「ノルウェーのオーロラ」や「フランスのラベンダー畑」などと並び、「夜の東京」が登場します。InstagramやFacebookなど、SNSでの発信を意識してか、海外旅行雑誌では昨今「カラフル」というキーワードが頻繁に登場します。東京のネオン街は昔から多くの画像や映像作品の題材に選ばれていますが、その視覚に訴えるインパクトは健在のようです。
英国の人気旅行雑誌「ワンダーラスト(Wanderlust)」の「短くて可愛らしい 世界で最も壮観な10の散歩道」では、江戸時代の五街道の一つで、長野県から岐阜県にまたがる中山道の「妻籠−馬籠ハイキング」が8位にランクインしています。過去への散歩道ともいうべき懐かしい風景が魅力だとされています。1位はアイスランドで大人気の氷河と氷河の間を歩く「フィムヴォルズハウルス(Fimmvorduhals)トレッキング」で、5位にはあのマチュピチュへと続く「インカの道」がランクイン。そうそうたるルートと肩を並べています。
美しい写真で自然や文化を伝える米国雑誌「ナショナルジオグラフィック(National Geographic)」の「眩しく輝く花火画像25選」では、トップの豊橋祇園祭の手筒花火を含め7枚が日本から選ばれています。日本の夏の風物詩が今年、海外でブレークしそうな気配です。
海外のランキングは、外国人目線が満載で、勉強になります。
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