インバウンドコラム

東京オリンピックまであと2年、世界が注視する東京の「暑さ」とその「備え」

2018.08.06

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2年後の夏、東京でオリンピック・パラリンピックが開幕されます。いよいよといった雰囲気ですが、連日の暑さに「オリンピック大丈夫だろうか」と思わずにはいられません。環境庁の熱中症予防情報サイトには、気温が31℃〜35℃で「激しい運動は中止」35℃以上の時は、「運動は原則中止」とあります。「運動」をするのは、世界トップレベルのアスリートですから、普通の人々の基準で考えるべきではないのかもしれませんが、不安は拭いきれませんし、観客の熱中症対策は必至です。

海外メディアも、東京の今年の猛暑について報道し始めています。2年後には五輪の開会式が予定される7月24日、英テレグラフ米CNNが揃って、東京の暑さについて報じました。テレグラフは1週間に少なくとも65名が死亡し、約2万3千人が病院に搬送されたこと、東京都内で初めて40℃を観測したことを、CNNは多数の死者が出ていること、東京近郊の町熊谷で41.1℃という観測史上最高気温を記録したことを伝えました。

両メディア共に、2020年のオリンピックへの対策について関心を示しています。テレグラフには、伝統的な「打ち水」で暑さをしのぐキャンペーンが開催されたことや、東京都知事の小池氏が「暑さ対策は人々の命を守るための対策として、テロ対策と同等の重要度を持ってあたっていく」と発言したことが書かれ、CNNはマラソンのスタート時間を30分早めて午前7時にすることや、アスリートのためのクールダウンスポットの設置や、日陰を作るテントの設置や巨大な冷風機の導入などを検討していることを伝えました。

インドのフィナンシャル紙Moneycontrolは、「東京がオリンピック期間中の猛暑と戦う術を模索」として、熱と赤外線を反射して気温を下げる素材や、ナノサイズのミストスプレー技術の実用化などが期待されると伝えています。実際パナソニックは、暑さを克服するための新技術の開発に力を入れており、既存のミストシャワーよりも細かい粒子の水を噴射する「グリーンエアコン」や、太陽の赤外線を吸収せずに反射する素材で舗装する「遮熱性舗装」など、ここ数年各地で実証実験を行っており、今年も実施しています。東京都は昨年夏、2020年を目指し、街路樹を大きく育て木陰を作るための剪定を行いました。飲料メーカー各社も、身体の中から暑さと戦う研究開発を進めており、大塚製薬は今年、血液の温度上昇を抑える効果もあるドリンクを通販で販売開始しました。

この暑さ、小池氏が語っているように「精神主義」では乗り切れそうにありません。今年は猛暑に続き、2年後のオリンピック開催期間中と同じ時期に台風が関東地方を襲いました。自然災害と戦いながら発展してきた日本の英知の粋を集め、人命第一で具体策を講じて行かなければなりません。

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