インバウンドコラム

【海外メディアななめ読み】コロナ禍でワクチン接種が進むアメリカ、旅行の計画をする前に知っておくべきこととは?

2021.04.20

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米国ではワクチン接種が急速に進んでいます。バイデン大統領は1月の大統領就任時に、100日後の4月末までに1億回分の接種を目指すことを表明しましたが、3月中に達成してしまったため、目標を2億回に引き上げました。

そんな中、アメリカの旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー(Conde Nast Traveler)」が、3月の初めに「ワクチン接種を完了した旅行者が旅の計画をする前に知っておくべきこと」という記事を、4月初めにはCNNトラベルが「ワクチン接種したらレストランへ行っていいの?知っておくべきこと」という記事を掲載しました。アメリカでは、ワクチンを受けることで、以前のように旅や交流ができるのではないかという期待が膨らむと同時に、接種後は何に気をつけどう行動すべきなのかに関心が集まっているようです。

レストランで外食する時にすべきこと

CNNトラベルの記事には「アメリカ疾病予防管理センター (CDC) によると、屋内レストランやバーでの飲食はリスクが高い。異なる世帯の人々が一つの場所に集まるだけでなく、食べたり飲んだりするためにマスクを外さなければならないから」とあります。アメリカ家庭医学会の代表であるAda Stewart医師は、「ワクチン接種が完了した人は、もし感染したとしても新型コロナウイルス感染症の症状は出ないだろう。けれども、他の人を病気にさせ、重症に追いやる可能性は持っている」と述べています。外食するのであれば、まずそのレストランがアメリカ疾病予防管理センターが推奨する防止対策に応じているかを確認すべきと推奨しています。レストランのサイトを見たり、直接電話をかけて、屋外テーブルはあるか、席の配置はソーシャルディスタンスを取れるものか、食事中以外は客もスタッフもマスクをしているか、オンラインのメニューがあるかなど、リスクを軽減する策を講じているかどうかを調べることを勧めています。

ワクチン完了の定義、ワクチン接種後にして良いこと、すべきでないこと

アメリカ疾病予防管理センター (CDC) のサイトには「ワクチン接種が完了したら」というページがあり、ワクチンの効果等に関する最新の情報を得ることができます。4月2日に更新された情報によると、ワクチン接種完了の定義として「ファイザーかモデルナワクチンの2回目接種後2週間が経過」「ジョンソン・エンド・ジョンソン ヤンセンのワクチンを1回接種した後2週間が経過」としています。

また「もしあなたがワクチン接種を完了したら」として、「して良いこと」と「するべきでないこと」の簡潔なリストがあり、「して良いこと」「するべきでないこと」「初めて良いこと」「今まで通りにし続けるべきこと」「ワクチンについて既にわかっていることとまだわかっていないこと」が、やや詳しく箇条書きにされています。

して良いこと
・前後の検査や事後の自主隔離なしでのアメリカ国内の旅や移動
・事前検査と事後の隔離なしでの海外への渡航(目的地による) など

するべきでないこと
・マスクなしで屋内にいる新型コロナウィルス感染症による重症化のリスクが高い人々を訪問すること
・中規模又は大規模の集会に参加すること

始めて良いこと
・ワクチン接種完了した人たちと、マスクとソーシャルディスタンスなしで屋内で会うこと 
・出国前に目的地の状況に細心の注意を払い、アメリカ国外へ旅行すること
 - 目的地から要求されなければ、事前検査は不要
 - アメリカ着の飛行機に搭乗の際、陰性証明書か回復証明書を見せなければならない
 - 海外旅行後3-5日後に検査を受けなければならない
 - 帰国時の隔離は不要 など

続けるべきこと
・自分や他人を守るため、公の場所などのさまざまな状況に応じて、マスク着用やソーシャルディスタンスなどの感染防止策をとる
・旅や移動の時は、常に自分と他人を守る行動をとる。飛行機、バス、電車や他の移動手段の利用時はアメリカ国内でも国外でもマスク着用。アメリカ国内では空港や駅などでマスク着用 など

ワクチンについてわかっていないこと
・変異株に対してどれほど効果があるか
・接種者が感染源になることをどのくらい防げるか など

「コンデナスト・トラベラー」の記事内で、医師でありジョージ・ワシントン大学の公衆衛生の教授であるLeana Wen教授は、「ワクチン接種後も以前と全く同じ行動をとるべきだと人々に言うことは適切ではないし、それは事実ではない。ワクチンを受けても何も変わらないと思えば人々は受けようとしない」と述べています。ワクチン接種によって、何ができるようになり、何をし続けるべきかを、人々がきちんと知ることが重要だということです。

旅行再開は、目的地の集団免疫がカギに

Wen教授は続けて「知らずにウイルスに感染することや、スーパー・スプレッダーになることを避けるため、他の人々がワクチン未接種の公の場所では、引き続き予防対策をとるべきだ」と述べています。

アラバマ大学のワクチンと感染症の専門家であるDavid Freedman氏は、旅行について、アメリカ国内もしくはヨーロッパ旅行は比較的速く可能になるだろうと予測しています。「コロナウイルス感染症ワクチンは残念なことに、世界の国々に公平に分配されてはおらず、裕福な国が先に集団免疫を獲得するだろう。うまくいけば、ヨーロッパ旅行は秋には可能になりそうだが、開発途上国やサファリ旅行、クルーズや遠方への旅は時間が掛かろうだろう」と語っています。

旅行先として候補に上がるのは、その国の集団免疫次第というところですが、オックスフォード大学のリサーチチームによる地球規模の問題に焦点を当てたデータサイト「Our World in Data」によると、4月15日時点で、日本の接種率は0.93%と非常に低い水準に留まっています。最も高い国はイスラエルで62%、2番目は英国で48%です。アメリカの接種率は37%に達しています。日本が旅先として選ばれるまでには、まだ随分と時間がかかりそうです。

 

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