インバウンドコラム
5月14日、多くの海外メディアの注目を集める出来事が2つありました。それは、滋賀県の信楽町にあるミホ・ミュージアムで、ルイ・ヴィトンの2018年クルーズ・コレクションショーが開催されたことと、トヨタが「空飛ぶ車」のプロジェクトへの出資を決めたことです。これらを取り上げた海外ニュースは枚挙に遑がないのですが、それぞれ2つずつご紹介します。
イギリスのテレグラフは、緑の谷に架かる吊り橋に、真っ白なカーペットを敷いて作られたキャットウォークを、空港のベルトコンベアのようだと表現しました。長い冬を避寒地で過ごす、旅慣れたセレブの為のクルーズ・コレクションにふさわしい舞台だと続きます。ヴィトンのアーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエール氏は、世界中のモダンな建物をこのショーの舞台に選んできました。ミホ・ミュージアムで開催された、彼にとって4回目のヴィトンのクルーズショーは、「最も壮観なものだった」と評価されています。歌舞伎やマンガもモチーフとなり、着物の帯地の服や侍の鎧を思わせる帽子まで、全てはジェスキエール氏の20年にも及ぶ日本への愛の結晶だと伝えています。
ニューヨーク・タイムズには、ジェスキエール氏への電話インタビューの言葉が載っています。ミホ・ミュージアムを初めて見たのはデザイン雑誌。実際に訪れたのはその5年後だったとのこと。「とにかく素晴らしいと思った。建築、そして風景。私の頭の中には常にファッションショーのことがある。日本開催が決まった時、『どこでやりたいかはもう決まっている』と言ったんだ」と語っています。
大都会のネオンの上を飛ぶ、光る車の画を添えて、トヨタの決断を報じたのはBBCです。「空飛ぶ車」の実現を目指すエンジニア団体「カーティベーター」に、トヨタグループが4000万円規模の出資をすると伝えました。
テレグラフは、日本が、「空飛ぶ車」という夢の実現に向けて、一歩を踏み出したと報じました。「カーティベーター」がサイト上で、『2050年までに誰もがいつでも空を飛べる時代を創る』ことを目指し、『第一目標として、2020年東京オリンピックの聖火台に火を灯す』と述べていることを紹介しています。
日本で開かれたファッションの祭典が、美に敏感な世界のセレブをあっと言わせたというのは心踊るニュースです。「空飛ぶ車」への注目は、トーキョーが未来都市のイメージだということを再認識するとともに、日本のテクノロジーへの期待を感じます。どちらも夢にあふれたスケールの大きな話題でした。
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