インバウンドコラム

2019年の国慶節期間中の人気旅行先は? 訪日中国人の需要獲得に欠かせないのはモバイル決済

2019.09.19

外島 美紀子

印刷用ページを表示する



中国で最も有名な祝日である「春節(旧正月)」に並び、10月の「国慶節」は、日本のインバウンド業界にも大きな影響を及ぼすことで知られています。以前は家族で過ごすことが多かった連休ですが、近年では国内外を旅行する人が急増し、日本にも多くの中国人観光客が訪れるようになりました。国慶節を目前に控えた今、インバウンド業界ではどのような対策や心構えが必要になってくるのでしょうか。ここでは、国慶節の基礎知識と今年の傾向についてご紹介します。


国慶節の基礎知識

中国では、1949年10月1日に毛沢東主席が中華人民共和国の成立宣言を行って以来、毎年10月1日を建国記念日として定め、「国慶節」と呼んでいます。毎年、10月1日を含む1週間が大型連休となるため、中国の人たちは心待ちにしています。一方、台湾は辛亥革命の発端となった武昌起義が1911年10月10日だったことで、10月10日を建国記念日(国慶節)としています。さらに、香港は10月1日のみ、マカオは10月1日、2日の2日間が休日となるため、地域によって国慶節の日程や期間が異なることも知っておきましょう。

 

建国70周年の節目となる今年の国慶節

2019年の国慶節は、10月1日(火)から10月7日(月)までの7連休です。今年は建国70周年ということもあり、北京市の天安門広場では例年よりも大規模な記念式典が開催され、式典後には閲兵式、軍事パレードおよび10万人の市民が参加するパレードが予定されています。また、北京のみならず各地で祝賀モードとなり、さまざまなイベントが繰り広げられるようです。

 

今年の国慶節、人気の海外旅行先では日本が首位!

中国のメディア『環球時報』は、今年の国慶節では国外の旅行先として日本などが人気を集めていると報じました。また、南京市にあるオンライン旅行代理店のデータによると、国慶節期間中に旅行を予約した中で、海外旅行に行く人は全体の6割を超えているそうです。

中国の大手旅行予約サイト「シートリップ(携程)」が発表した今年の国慶節における海外旅行先人気ランキングでは、日本が首位。2位以下には、タイ、イタリア、ロシア、米国、トルコ、インドネシア、ドイツ、オーストラリア、イギリスが名を連ねています。昨年は、当初一番人気と予測されていた日本は、台風24号の影響で結果的にタイを抜くことができませんでした。今年の予測でも引き続き首位を獲得しているだけに、国慶節期間中のインバウンド需要への期待が膨らみます。

一方で、今年の国慶節は国内旅行への関心も例年を大きく上回っているそうです。ツアー旅行先の人気都市ランキングは1位から順に蘭州、西寧、ウルムチ、エジン旗(内モンゴル自治区)、北京、麗江、昆明、三亜、桂林、張家界、個人旅行先では1位から順に三亜、広州、成都、上海、北京、重慶、西安、アモイ、麗江、珠海となっており、国外のみならず、国内旅行も多様化していることがわかります。

 

国慶節連休、中国人観光客の需要を取り込むカギは「モバイル決済」

昨年の国慶節連休では、中国からの海外旅行者は延べ700万人に達しました。市場調査会社のニールセンの調査結果によると、調査に協力した中国人観光客の9割が「携帯電話で支払いできる場所では、携帯電話を積極的に選ぶ」と回答。海外旅行での消費額が急速に増加する中、モバイル決済に対応しているか否かが、彼らの需要を取り込むカギとなっているようです。

支付宝(アリペイ)は昨年の国慶節連休後に「財布なしで行けるネットで人気の世界の10大旅行目的地」を発表しており、日本では大阪の道頓堀の商業圏でモバイル決済が前年同期の70倍に増えたことを報じています。このように、世界各地で中国人観光客を意識したモバイル決済ブームが到来しているようです。

 

連休中出かけずにゆったりと過ごす「留守番組」は、越境ECで消費

連休中は国内外で人気の観光地は大混雑が予想されるため、大都市ではどこにも出かけないで自宅でゆっくりと過ごす人たちも増えているといいます。その間、越境ECサイトを利用して買い物をする人も多く、昨年の国慶節連休では最初の3日間における天猫国際(Tmallグローバル)の海外輸入商品取引額が、前年同期比100%以上増加。中でもベビー・マタニティ用品、化粧品、インテリア製品・家具などが人気ランキング上位を占めていたそうです。中国の越境ECサイトに出店する日本企業にとっては、国慶節が大きな商機となりそうです。

 

まとめ

日本政府観光局(JNTO)のデータによると、昨年の訪日外国人数国別ランキングで中国は1位。また、国慶節のある10月の訪日中国人観光客は前年比7.8%増の71万5000人を記録し、毎年右肩上がりに増加しています。昨年の国慶節では、訪日中国人観光客について「マナーが大幅に改善」「旅行スタイルも爆買いから文化体験型やディープ観光にシフトしている」と報じた中国メディアもありました。今年の国慶節連休も、中国人観光客の決済や旅行スタイルの大幅な変化に対応し、トレンドを意識した上で彼らの需要を取り込むことをおすすめします。

 

編集部おすすめ関連記事:

京都の街並みを再現した960億円の巨大プロジェクト、中国の大連市で進行中

2019年国慶節インバウンド旅行動向調査、人気ホテルは都市型ラグジュアリー型と低価格ビジネスホテルの二極化

2億IMPを記録した、話題の国慶節キャンペーン「幸運錦鯉になれ!」の裏 

最新記事