インバウンドコラム

ラグビーワールドカップに向けた各自治体のインバウンド施策はいかに?! 入札情報から読み解くインバウンド業界

2019.04.18

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やまとごころが提供する「インバウンド入札情報サービス」では、専属のリサーチャーが全国約1,000件もの発注元機関の入札情報を、日々リサーチしています。公示内容を確認した上で、「インバウンド関連」と判断した入札情報をくまなくピックアップ。その中から厳選した情報をお届けし、国や全国の自治体、公共団体などが実施するインバウンド施策のトレンドや強化対象市場などをわかりやすくお伝えしています。このコラムでは、こうした入札情報からみえてくるインバウンドビジネスの最新トレンドや傾向をお届けします。

やまとごころの「インバウンド入札情報サービス」では、国別、都道府県別、案件数業務種別、予算額業務種別など、必要に応じて入札情報を選別してみることができます。

第4回目となる今回は、2017年4月〜2019年3月までの2年分のデータをもとに、今年全国12カ所で開催されるラグビーワールドカップ2019に関連した入札案件の特徴をみていきます。

 

公示案件も増加傾向!ラグビーワールドカップ関連公示案件の傾向は?!

日本は今年開催されるラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、そして2021年の関西ワールドマスターズゲームズと、3年連続して一大スポーツイベントが開催される、通称「ゴールデン・スポーツイヤーズ」に突入します。

中でも、ラグビーワールドカップは9月20日から11月2日までの44日間にわたって開催されることから、決勝トーナメントに進むラグビー強豪国のファンの長期滞在が期待でき、インバウンドの観点からも注目すべきイベントになっています。

では、ラグビーワールドカップに関連するインバウンド案件はどれくらいあるのでしょうか。当社調べでは2017年度と比較すると、2018年度は昨年度の3倍を越える69件が公示されています。

 

3強は「イベント企画・開催」「情報発信」「調査・コンサル」

まず、ラグビーワールドカップに関連するインバウンド関連の案件種類別にどんな物があるかの割合をみていきましょう。案件数ベースでは、2017年度は情報発信がトップで全体の41%となっており、以下、イベント企画・開催23%と調査・コンサル18%となっています。2018年度も引き続き、トップ3は同じで情報発信31%、イベント企画・開催、調査・コンサルがそれぞれ25%と続きました。

案件種類別-案件数割合

 

また、予算額ベース(提案上限額のない案件は集計から除外)では、イベント企画・開催が2年度続けて50%を超えています。情報発信案件は2017年度と比較すると31%から13%へと割合は減ったものの、2年度通して調査・コンサルとともに10%を超えています。

これにより、案件数、予算額ともに「イベント企画・開催」「情報発信」「調査・コンサル」の3種類の比重が大きいことがわかります。

案件種類別予算額割合-v2

※提案上限額のない案件は集計から除外

 

欧米豪…ラグビーワールドカップ出場国と重点20市場の傾向は?

続いて2017年度と2018年度に告知されたラグビーワールドカップ関連の案件がターゲットとしている市場の傾向を、JNTOが定める重点20市場とラグビーワールドカップ出場国別に見ていきましょう。データを集計する際に複数の市場が対象となっている場合は複数カウントで集計しています。

まずは割合と順位です。ターゲットとしている国を見てみると、1位オーストラリア38%と、2位イギリス37%は案件全体の1/3以上がターゲット国としていることが分かります。3位アメリカ26%や4位カナダ25%となっていますので案件全体の約1/4、フランスが約16%、ロシアが約10%と続きます。

RWC出場国×重点20市場別-予算額割合

※同一案件で、複数市場が対象とする場合は複数カウントして集計しています。
※対象市場無しは除外
※対象言語に英語が入っている場合は、オーストラリア、アメリカ、イギリス、カナダをカウントして集計

予算額の割合を見ていきましょう。案件の予算が多かった対象国の1位はイギリス、2位がオーストラリア、3位アメリカ、4位カナダとなっています。ターゲット国の重複を複数カウントしており、提案上限額のない案件を差し引いた形にはなるものの、当社調べてはラグビー関連案件の提案上限額の合計が18億円を超えています。イギリスからは、イングランド、スコットランド、ウェールズの3エリアに分かれて出場するためトータルで見た場合、イギリス向けの案件予算額も多くなっています。

RWC出場国×重点20市場別---予算額割合

※同一案件で、複数市場が対象となっている場合はすべての市場をカウントして集計
※対象市場無しは除外
※対象言語に英語が入っている場合は、豪州、アメリカ、イギリス、カナダをカウントして集計
※提案上限額の明記のないものは除外して集計

 

国や自治体など、発注元の公示案件の傾向を掴む!

次に、ラグビー関連案件の発注元がどんな国の団体や自治体であるかを見ていきます。案件数、予算額トップ3だった「情報発信」「調査・コンサル」「イベント企画・開催」の発注数ランキングは以下のようになりました。

発注元の案件種類数ランキング-logofix

それでは、このランキングを見ながら各案件種別の発注元の傾向を確認していきます。

まず、「情報発信」案件数1位のJNTOでは、大会1年前や代表戦、スーパーラグビー開催など、具体的な時期に合わせた情報発信や広報宣伝に関するものが多くなっています。「調査・コンサル」案件数1位の東京都では、開催にあたってのファンゾーン運営、交通輸送などといった計画策定関連の案件が中心です。他の自治体から出ている案件も大半は類似する内容となっています。「イベント企画・開催」案件数1位も東京都で、開催500日前や1年前の機運醸成関連イベントに関する案件が中心に公示されています。

また、件数としては多くはありませんが、関東運輸局や九州運輸局では、ターゲットを具体的に絞り、開催エリアの周遊促進を意識した案件が複数公示されています。関東では、熊谷ラグビー場、東京スタジアム、横浜国際総合競技場の3カ所、九州でも東平尾公園博多の森球技場、熊本県民総合運動公園陸上競技場、大分スポーツ公園総合競技場の3カ所で試合が行われますので、長期滞在・周遊客が訪れる可能性のあるエリアならではの内容と言えるでしょう。

ラグビーファンは未来の訪日リピーター、満足してもらえるための準備を!

ゴールデン・スポーツイヤーズ第一弾である2019ラグビーワールドカップ。アジア圏の観光客とは違い、遠方から長期滞在を想定して訪日する欧米豪のラグビーファンが、来年再来年に向けたインバウンド誘致への起爆剤となる可能性は大いにあります。

2019年も引き続き開催都市をはじめ多くの公示案件が出ています。そしてこれから東京オリパラ、関西ワールドマスターズゲームズ関連の公示も続々と出てくることが考えられます。訪日リピーターの地方旅行が加速しているので、この波に乗りたいと考える地域の「アイデア募集」も増えていくのではないでしょうか。

 

[集計概要]
期間:2017年4月〜2019年3月
対象:官公庁、地方自治体、観光協会、コンベンションビューローなど全国約1,000カ所の関連機関が公示したインバウンド入札情報をから集計。ただし、国別入札案件情報は日本政府観光局、官公庁、地方運輸局のデータは含まれていません。
※インバウンド入札情報とは、海外への情報発信、展示会出展、メディア招聘、コンサル調査、多言語整備、インフラ環境、教育研修など、外国⼈の訪日促進につながる領域での施策と定義しています。
※同一案件で、複数市場が対象とする場合は複数カウントして集計しています。

 

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