第39回 通訳案内士インタビュー 箭内由紀子(やない ゆきこ)氏

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Guide Interview 第39回 通訳案内士インタビュー 箭内由紀子(やない ゆきこ)氏 ポルトガル語通訳案内士

通訳案内士の人数は、専門とする言語によるばらつきが大きいことが指摘されています。JNTOによると、平成24年度の通訳案内士試験の合格者数は、英語398人、中国語143人に対して、ポルトガル語9人、タイ語3人でした。
こうした状況の中、今回は初めてポルトガル語通訳案内士の方にインタビューしました。応じてくださったのは、小学校から大学までをブラジルで過ごした箭内由紀子氏です。箭内氏によれば、日本を訪れるポルトガル語圏の人たちの多くは日系ブラジル人とのこと。かれらは日本の意外なものに興味を引かれているそうです。

 

ブラジル在住20年でポルトガル語を習得

Q1.ポルトガル語を習い始めたきっかけは何ですか?

小学校のときに父の仕事のためにブラジル南部の港町に住むことになったのがきっかけでした。日本人学校がなかったので現地校に通い、学校ではポルトガル語、家庭では日本語を使いました。その後もブラジルで暮らし、大学まで教育はブラジルで受けました。

 

Q2.通訳案内士の資格を取ったのはいつですか? また、通訳案内士として、どのようなお仕事をなさっているのですか?

日本でブラジルの会社に勤務していた2000年に通訳案内士の資格を取り、2004年から通訳案内士を専業にしています。
現在はシリーズものの団体観光が主な仕事です。ポルトガル語通訳案内士の場合、3月末から4月の桜の季節が仕事のピークで、最近5年ほどは関西、関東、九州を回るツアーがこの季節だけで10本ほど組まれています。 ポルトガル語はポルトガルのほかアンゴラ、モザンビーク、ブラジルなどの旧ポルトガル植民地で話されていますが、観光目的で訪日するのはブラジル人が圧倒的多数を占めます。私の場合はほとんどがブラジルの日系人で、年齢は50代以上の方が多いです。日本語や日本食などの日本文化に親しんでいる度合いは人によってさまざまですが、親戚がいるなど日本に何らかのつながりを持ち、いろいろな情報を得ている人が多いのが特徴です。
このほか、日本に興味を持っている日系でないブラジル人のお客様もいらっしゃいます。

一方、ポルトガルやアフリカからのお客様はたいていインセンティブやスポーツ関係で日本を訪れています。

 

Q3.通訳案内士の数が少ない言語を専門にしているメリットは何ですか?また、デメリットがあれば教えてください。

ポルトガル語の通訳案内士として実際に活動しているのは、おそらく15~16人ほどにすぎないので、大きな団体が来日して複数の通訳案内士が連携してする仕事があると、ほとんどいつも同じ顔ぶれが集まります。

少人数のメリットは、他の通訳案内士の方々とすでにどこかで接点を持っているので、仕事に関する情報交換がしやすいことです。なかでも特に親しい人たちとは何かあるとメールや電話で連絡してお互いに助け合ったり、一緒に食事に出かけたりしています。
また、頑張って仕事をすれば、その成果をガイド仲間みんなに見てもらえるのも張り合いがあります。
人数が少ないので、来日するブラジルの旅行社の方々にもすぐに顔や名前を覚えていただけます。このため、次の仕事につながりやすいのもメリットです。

少人数のデメリットは特に思い当りません。大きなイベントのときにはポルトガル語の通訳案内士が足りなくなり、多言語の方も入ることがあるのでエージェントさんやお客様は大変だと思いますが、私は不都合を感じていません。

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