第42回 通訳案内士インタビュー 谷澤優子氏

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Guide Interview 第42回 通訳案内士インタビュー 谷澤優子氏 ドイツ語通訳案内士

訪日旅行が順調に回復するなか、震災以来訪日に慎重だったドイツ人訪日客数も、今年6月には前年同月比18.2%の伸びを示しました(数字はJNTO資料より引用)。
そこで、今回はドイツ語通訳案内士谷澤優子氏にインタビューしました。谷澤氏は、家族の転勤でドイツに引っ越したのを機に、まったくの初歩からドイツ語を習いはじめました。ドイツ在住中にすっかりドイツファンになった谷澤氏は、帰国後通訳案内士をしながら大学院に進み、ドイツ語を続けました。今では大学でドイツ語を教え、ガイドと講師を巧みに両立させています。

 

日韓ワールドカップを機に仕事の幅が広がる

Q1.ドイツ語を学びはじめたきっかけは何ですか?

学生時代に英語とスペイン語を学び、その後、高校で英語を教えていたのですが、夫の転勤のために1991年にドイツのデュッセルドルフに住むことになりました。
日常生活をするうえでドイツ語が必要になったので、最初は語学学校に通いゼロからドイツ語をはじめました。デュッセルドルフには4年半住みましたが、しだいにドイツ語そのものに興味を持つようになり、2年間は現地の大学に通いました。

 

Q2.通訳案内士の資格を取られたのは何年ですか?
また、通訳案内士として、これまでどのようなお仕事をなさっていらしたのですか?

資格を取ったのは1996年です。
資格取得後新人研修を受け、ガイド団体のひとつであるJFG(全日本通訳案内士連盟)に所属しました。最初はJFGの紹介で空港送迎や都内1日観光などの仕事をしました。

当時は子どもが小さかったので宿泊を伴わない仕事をしていましたが、2002年に日本と韓国で開催されたサッカーのワールドカップをきっかけに、通訳案内士の仕事の幅が広がりました。
この大会でドイツは準優勝しましたが、勝ち上がるにつれてドイツからのツアーが増え、当時のシュレーダー首相もアメリカでのサミットからの帰国途中に訪日するなど、まるでお祭りのようでした。
プレスの方々に同行して札幌や静岡を一緒に周ったり、ドイツ選手の奥様方のアテンドで、決勝戦を地元横浜で見たのはよい思い出です。国際交流の最前線に立ったようなやりがいを感じました。

その後は宿泊を伴う仕事も受けるようになり、インセンティブのほか関東から関西を周るツアーも案内しました。ドイツ語ガイドのお客様はドイツ人ばかりでなく、スイス人やオーストリア人の案内をすることもあります。個人旅行が中心ですが、ガイドを使うのは裕福な高齢の方が多いです。

近年は、官公庁からの仕事が増えています。2008年から2010年までは、観光庁のビジットジャパンキャンペーンの一環でファムトリップを担当しました。2011年からは東京都観光財団のファムトリップ(※)で、都内のホテルの視察をし、東京ステーションホテルなど新しいホテルを訪問する機会があります。このように仕事をしながら勉強することができ、それが次につながっていくこともこの仕事の魅力です。

また、お客様に楽しんでもらい、感謝してもらえるのもこの仕事を楽しいと思える大きな理由です。同時に、お客様が私を通して日本のイメージを思い浮かべるのだと思うと責任を感じます。

※ファムトリップ(Familiarization Trip)
観光客などの誘致を目的に、海外の旅行業者や報道関係者を招待して行う現地視察旅行

 

Q3.ドイツ人は旅慣れていると言われていますが、日本国内を旅行するドイツ人のどのようなところを旅慣れていると感じますか?

個人で日本を訪れるドイツ人は平均年齢が高く、すでにさまざまな国を周っている人がほとんどです。アジアでは、タイ、ベトナム、インドなど、ドイツ人は好んで訪れているようです。
ドイツ人が世界で最も旅行にお金と日数をかける国民であることは、統計にも表れています。そうした意味でも旅慣れた人たちが日本に来ているのだと思います。

ドイツ人は旅行中も時間に正確で、手荷物も余計なものは持ちません。知識欲を満たすために日本に来ている様子で、事前に日本について調べている人が結構います。観光中は、こちらの話を興味深く聞いてくれます。買物に長時間費やしたり明らかな無駄遣いをする人は少ないです。

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