現役通訳案内士インタビュー 中楚ひとみ氏(ドイツ語通訳案内士)

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中楚ひとみ氏(ドイツ語通訳案内士)

Q6. お客様からのリクエストで困ったものや意外だったものがありましたらお教えください。

浜崎あゆみの大ファンのお客様がいらっしゃったことがあります。ちょうど来日中に彼女のコンサートがあり、チケット入手を頼まれたことがありました。最初から不可能だと思いましたが、お客様には無理だとは言わず、あれこれ頑張って手配を試みました。やはり結局ダメでしたけどね。

またこんな変わったお客様もいらっしゃいました。そのお客様は、自分の生まれ年がねずみ年ということで、ねずみグッズのコレクターとなり、干支がねずみの年に合わせて来日されたそうです。もちろん訪日目的はねずみグッズを買うことでしたので、観光そっちのけで買い物をされていました(笑)。 ギネスに本気で挑戦中で、所有数では結構いい線まで行っているとの事後報告もありました。

Q7. 日本のインバウンドの受け入れで改善すべき点や問題点など、普段お客様をアテンドしていて感じることはありますか?

小さいことですが、外国人観光客を受け入れている旅館にもかかわらず用意されているスリッパが小さいものしかなく、やむを得ず裸足で過ごされる大柄の男性が時々おられます。またほとんどの旅館で、フェイスタオルが一枚しか用意されていません。お風呂で使ったタオルで、翌朝顔を拭くことに抵抗を感じるお客様も少なくありません。もう一枚欲しいと旅館に頼んでも断られてしまいました。

Q8. 通訳案内士の魅力は何ですか?

「通訳案内士は料理人のようなもの」

お客様の視点から日本を見ることで、新しい発見をさせてもらえることはとても楽しいですね。また色んな方と出会えるのも魅力の一つです。

私にとって通訳案内士は料理人のようなものです。料理人が、決められた食材や調理器具を使って自分なりの料理を創り出すように、通訳案内士も旅行会社から行程と観光メニューを与えられ、それを自分流のアプローチでお客様にプレゼンします。懐石料理のように、料理を段階的に出し、お客様の反応や好みに合わせて次の料理の最後の調味や彩りを変えたりするのを真似、組まれた旅程を順番にガイドしつつ、お客様の反応を見ながら出来る範囲で次のコースを微調整したりと、料理ならぬ「商品」のお客様への提供方法を工夫します。そうすることで、様々なメニューを、言わば色んな料理法と味付けと飾りつけで提供し、トータル的に「いい食事=楽しい旅行」を演出して満足していただきたいといつも考えています。私は関西人で、もともと人を笑わせたり驚かせたりするのが好きなので、他人の言葉を他言語に移し変える通訳と違い、自分の視点や個性を出しても怒られない(笑)通訳案内士の仕事は大変魅力的です。もっとも、怒る上司がツアー業務中は近くにいないのもいいですね~(笑)。

ツアーを担当したお客様からのお礼のメールをきっかけに、交友関係が広がることも、大きな魅力です。素晴らしいご縁を与えてくれるこのお仕事は、本当に最高です!

中楚ひとみ

お客様を見送る空港で、お別れの挨拶後に。
セキュリティー検査を受けながら、皆さん驚いて、
嬉しそうに手を振ってくださいます

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