第9回現役通訳案内士インタビュー 矢倉瑞夏氏

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Guide Interview 第9回 通訳案内士インタビュー 矢倉瑞夏氏 フランス語の通訳案内士

★フランス人が感じる日本の魅力とは

Q7.フランス人にはどんな文化的な特徴がありますか?

お客様を通して次の2点を感じています。
① 美意識が高いこと
美術館が幼い頃から身近にあるためか、美術館慣れしていらっしゃり、老若男女を問わず関心を持って丁寧に展示をご覧になります。表層だけでなく、深い部分を知りたいと思っていらっしゃるだけに、質問は多いです。さらに言えば、庭園などでも見るだけでなく、そこに長くいることで「感じたい」と思われる気持ちが強いので、急かさないように気をつけています。

② 食の占める重要性が高いこと
食事が良いとツアーの評判も高くなります。できる限り時間をかけて食事を楽しんでいただきます。デザートも欠かせません。食といえば、築地市場や金沢の近江市場の散策は喜ばれます。

Q8.日本国内でフランス人に人気のある場所はどこですか?

京都、東京はもちろん、徒歩で回れる規模で古い町並みを残す高山、白川郷や、高野山の宿坊も人気があります。
「ZEN」という言葉が、フランス語では「穏やかな、静謐(せいひつ)な」という意味で浸透していて、たとえ禅宗のお寺でなくても、ZENを感じられる場所に感動されますね。
「MANGA」世代の若者には、秋葉原も人気です。

Q9. お客様は日本の何に魅力を感じ、どんな体験を希望なさっているのですか?

日本らしい新旧が混在しているところや、日本人の生活そのものにも興味を持たれるようです。フランスでは空前の日本ブームですが、実際に来られてはじめてバラエティに富む日本食に驚かれますし、日本にしかない旅館での滞在も数々の発見をもって楽しまれます。
また、地元の人たちとのふれあいも大切なポイントなので、随所で橋渡しできるよう心がけています。金沢で和傘の全工程を一人で仕上げることのできる職人さんのお店にご案内した時は好評でした。自分の感性で物を見極める方が多いです。芸妓さんや舞妓さんのお座敷では、率直な質問が飛びます。

Q10. フランスが観光立国として成功しているのはなぜだと思いますか?

① イメージを裏切らない
地理的に優位だという面もありますが、セーヌ川やエッフェル塔、ノートルダム寺院のようなフランスをイメージするものがいつも変わらず存在し、訪れる人の期待を裏切らないからでしょうか。

② 実は面倒見がよい
フランス人は気難しいと言う人もいますが、私はホームステイした時の経験や帰国後のお客様とのやりとりから、受け容れた相手のことはパワフルに面倒を見るという面を感じます。

Q.11日本のインバウンドの改善点を挙げてください。

冬にもっと外国人のお客様を誘致できないものかと思っています。冬は富士山も見える確率が高いですし、温泉や冬の行事をうまく使えば、春や秋に劣らぬ冬の魅力があるはずです。

<取材後記>
インタビューを通して、美意識が高く日本文化の深層にまで関心を持つフランス人を案内するために、日々たゆまぬ工夫と努力を重ねながらも仕事を楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきました。お客様が期待することを予め想定し、自分の見せ方を工夫しておられる姿勢にプロ意識を感じました。矢倉氏は関西出身ということもあり、いつも笑いの要素を入れることを意識なさっているそうです。どこまでもホスピタリティを追求する通訳案内士さんです。

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