第33回 通訳案内士インタビュー 池田麻衣子氏

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Guide Interview 第33回 通訳案内士インタビュー 池田麻衣子氏

思い込みに注意

Q4.どんなことに気を配ってお仕事していらっしゃいますか?

お客様を不快にさせないように、丁寧でわかりやすい言葉遣いを心がけています。
アメリカの会社のツアーでは、お客様の95%はアメリカ人ですが、時カナダ人もいらっしゃいます。カナダのお客様は、自分はアメリカ人とは違うという意識を持っています。ですから、たとえば距離について話す時には、アメリカで使われているマイルとカナダで使われているキロメートルの両方で説明します。また、ひと言でアメリカ人といっても、あまり英語に慣れていない移民の方々にはわかり易い単語を使うようにしています。ツアーではお客様と長時間ご一緒するので、なまった英語を聞き続けるとお客様の耳は疲れてしまいます。限界はありますが、理想的にはアナウンサーのような聞きやすい発音を目指しています。他にも、イギリス語圏の方にはアメリカ口語や発音は避けるといったこともしています。

また、お客様に対して、こちらの思い込みを強く持ちすぎないように気をつけています。
例えば、よく外国人には築地が好評と言われていますが、なかには魚の臭いが苦手な方もいらっしゃいます。この国の人ならこれを喜ぶだろうと、先入観を持ってやってしまうと外れることもあります。そのまま突っ走るとお客様の期待に添えなくなってしまいますが、お客様は休暇を楽しく過ごそうと、ある程度の不満は言葉にしない場合も少なくありません。ガイドとしてお客様をよく観察し、お客様の気持ちをすばやく察知することでクレームになる前に対処することを心がけています。

 

Q5. 通訳案内士になってからもいろいろな資格を取っていらっしゃるそうですね。

通訳案内士の資格を取った後、趣味と実益を兼ねて唎酒師(ききさけし)の資格を取りました。この資格は、日本酒を広める団体が認定していて、試験には筆記試験と簡単なテイスティングがあります。このお酒にはこの料理が合うという提案ができるようになりました。

今年に入ってからは、国内旅行業務取扱管理者の資格を取りました。自分で旅行会社を開くことのできる資格です。通訳案内士には、旅先で説明をするだけでなく旅行を安全で円滑に進めていくための実務能力が不可欠です。ツアーの添乗をするのに必要な旅程管理主任者とあわせてこの資格を持つことで実務能力を高めようと思いました。

お客様が日本にやって来るまでには、大勢の方が長い時間をかけてツアーに携わっています。通訳案内士はそうした方々の努力の最終段階の上澄みをすくっているのだということを忘れないようにと、ブラッシュアップも兼ねてこうした資格を取りました。実際に仕事でも役立っているので勉強してよかったと思います。

Q6.(前回インタビューさせていただいた岡朗様からの質問です)
国内外問わず今まで訪れた場所の中で、最も感動した場所ベスト3はどこですか?

旅行した先々が好きになるので、ベスト3をお答えするのはかなり難しいですが……。最近行ったところでは、アメリカのモニュメントバレーの朝日の美しさに感動しました。グランドキャニオンの近くにある、ネイティブインディアンの聖地といわれる場所です。

アジアでは、町全体が世界遺産になっているラオスのルアンパバーンで、町の人たちがごく自然に托鉢僧に食事を与えている姿が印象的でした。

国内では、高知県の柏島(かしわじま)の海の美しさにも感動しました。この海には黒潮が流れ込んでいて魚の種類が沖縄よりも豊富です。桟橋からごく普通にたくさんの熱帯魚が見られます。ダイバーによく知られているスポットで、シュノーケリングもできます。 自転車で四国などの国内を走り、日本の景色のバラエティーの豊かさに気づきました。日本のように、狭い国土の中でめまぐるしく景色が変わる国は少ないのではないかと思います。

いろいろな土地を訪れ、その土地の方々に良くしていただいたので、通訳案内士の仕事を通して今度は私が逆の立場に立てたらいいなと思っています。

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