第33回 通訳案内士インタビュー 池田麻衣子氏

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Guide Interview 第33回 通訳案内士インタビュー 池田麻衣子氏

ガイドの経験を活かした協力体制を

Q7.通訳案内士として今後も活躍を続けていくために工夫していることがあれば教えてください。

今は幸い定期的にお仕事を頂いていますが、今後も継続的に活動するためには、ガイドを雇った価値があったと思ってもらえるよう、お客様が日本で過ごす時間の1秒1秒を質の高いものにする努力をしなくてはと思います。

具体的には、さまざまな状況やお客様に対応できるようにするため、毎回ツアーの記録を手帳の大きさのノートに書いています。時間、説明すること、気をつけること、渋滞した場所、天気、お客様の様子や発言、好評だったことや失敗なども時系列にメモし、お客様の顔を思い浮かべながら、ツアー後に読み返します。

また、私が旅行会社の方々の立場にいたら、長い時間をかけて作ったツアーがどうなったかがとても気になると思います。ですから、ツアー終了後には必ずフィードバックしてガイドの経験を役立てていただくようにしています。

通訳案内士には体力も必要です。ツアー中に体調を崩しては大変なので、自転車やピラティスで体を鍛えています。

 

Q8.海外のお客様に日本にいらしていただくためには、どうしたらよいとお考えですか?

もっともっと外国のお客様の目線に立って魅力のアピールをすることが大切ではないでしょうか。今や海外でお客様が入手できる情報は膨大です。日本食に関しては舌の肥えた方が本当に増えたと感じますし、買い物だって通販で何でも買えます。だからこそ、日本にわざわざ来ないと絶対体験できないもの、たとえば温泉とそこにある景色とか、日本でしか受けられない手技やハイテクな医療美容サービス、お祭りやイベントの熱気などを、お客様の目線で五感にアピールし、四季を通じてリピーターを増やすことが大切だと思います。
また、よくアジアの観光地にあるような、言葉が通じなくても必要なサービスやものがすべて揃い、外国人観光客が安心できる小さなエリアがあれば便利かもしれません。そこを足がかりに各地へと出かけられるような。

円高は続きますが、言葉の壁は低くなりLCCも就航して日本は外国の方々にとってどんどん旅行しやすくなってきています。けれども、「ああ、こうすればもっとよさが伝わるのに、惜しい!!」と思うことがしばしばあります。特に地方ではそう思うですね。例えばレストランのメニューが英語で書いてあるのに、説明がひと言足りずに誤解されてしまったり、花や食材の名前が日常用語ではなく学術名や日本人英語で書かれていたりして、うまく伝わらないのです。丁寧なつもりのプリーズが、残念ながら真逆の印象を与えてしまう例もよく見受けられます。こうしたことは、外国のお客様の目線を知れば、たとえ言葉の壁があってもある程度マニュアル化して誰でも対応可能なのに……。本当にもったいないです。

ガイドは最前線でお客様と接し、ときに日本人には予想もつかない目線から飛んでくる質問や要望に日々対応しています。もし機会があれば、自治体をはじめ、ホテルやレストラン、交通機関などインバウンドに携わっておられる方々と協力するしくみを作ってガイドの経験を役立てて頂き、受け入れ態勢を整えていけたらいいですね。

<取材後記>
震災直後に通訳案内士の仕事を離れたものの、またガイドの世界に戻って活躍を続ける池田氏。「お客様の1秒1秒を質の高いものにしたい」という言葉に、自分を律する厳しさと逆境をプラスに転じる強さを感じました。

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