第34回 通訳案内士インタビュー 呂 明峰(ろめいほう)氏

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Guide Interview 第34回 通訳案内士インタビュー 呂 明峰(ろめいほう)氏 中国語通訳案内士

冷たい飲食物は不評

Q4.台湾のお客様と中国のお客様では、どんなところが違っているのですか?

台湾では20年ほど前に訪日旅行のピークがありました。東京と大阪を結ぶ現在のゴールデンルートは、当時日本に初めて来た台湾の人たちが短期間で有名な観光地を回れるように作られたものです。
旅行は段階的に成長するものです。すでに1度は日本に来たことのある台湾の人たちはゴールデンルートを回るのではなく、興味のあるところだけを訪れる傾向があります。この点で、初めて日本に来る人が多い中国の人たちと違っています。

また、概して台湾人の方が中国人よりも親日的で日本のものを受け入れやすいと思います。日本の統治時代を経験した世代や日本のポップカルチャーに興味を持つ若い人たちにこうした傾向が見られます。
たとえば、裸で入浴する日本の温泉は中国人や東南アジアの中国系の人たちには抵抗がありますが、台湾の人たちは抵抗感が少なく、入ってみようとします。

お寺や神社への関心の持ち方も異なります。台湾ではお寺参りは日常茶飯事ですし、日本のアニメに紹介されている伝説や歴史に興味を持つ若い人たちもお寺や神社に行きます。
これに対して、中国の人たちの多くは関心を持たないようです。

 

Q5.台湾や中国のお客様を日本にご案内する時に、どんなことに注意が必要ですか?

中国人は年齢を問わず、お店で出されるコップの水や冷たいものは飲みません。台湾でも50代以上の人たちは冷たいものを飲むのはあまり好きではありません。

弁当や宴会料理などの冷えた食事も好まれません。台湾では駅弁も保温して売られています。夏は蒸し暑く、冬も湿度が高い台湾では食べ物が腐りやすいのです。こうした気候が食べ物の温度に影響しているのかもしれません。

刺身は台湾の日本料理店や高級店のメニューにありますが、おなかをこわすのを心配して子どもには食べさせない人も少なくありません。
中国では若い人も生ものが苦手なのかもしれません。日本に来た10代の中国人プロサッカー選手は回転寿司店で生ものは一切食べませんでした。

また、中華圏の方の中には、畳に座るのが苦手で和室のレストランでイスがほしいとおっしゃった方もいました。年齢、出身地、海外渡航歴、日本文化への関心の持ち方などによって個人差があるとは思いますが、初めて日本に来た人に対しては配慮が必要だと思います。

 

Q6.台湾からの個人旅行が増えていますが、台湾の方々の旅行はどのように変化しているのですか?

台湾からの個人旅行が増えている背景には、サブカルチャーに関心を持つ若い人たちがいます。こうした人たちは口コミサイトなどを利用して自分たちで情報を集め、簡単な日本語を習得して日本国内でもガイドを雇わずに旅行します。秋葉原などのメイドカフェ、コスプレのグッズショップやAKB48劇場を訪れる人もいれば、東京、大阪、名古屋でのアーティストのコンサートを観て回るためにネットでホテルを予約し、JR PASSや青春18きっぷを自分で買って利用する人もいます。

このため、台湾からの個人旅行が増えても通訳案内士の仕事の増加には必ずしもつながりません。台湾関係の仕事は企業や官公庁関係がほとんどです。観光ガイドの仕事は中国やマレーシア、シンガポールからのお客様が中心です。

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