第37回 通訳案内士インタビュー 橋爪佑加子(はしづめ ゆかこ)氏

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Guide Interview 第37回 通訳案内士インタビュー 橋爪佑加子(はしづめ ゆかこ)氏 英語通訳案内士

日本の伝統や文化に加え、一般的な日常生活を盛り込む

Q6.通訳案内士のお仕事をする時に心がけていることや注意していることは何ですか?

ツアー中にお客様に日本の歴史や文化の説明をしたら、熱が入りすぎたのか、「勉強しに来たんじゃないよ。」といわれたことがありました。

お客様は、日本の文化に関心を持って来る方ばかりではありません。何に関心があるのかよく見きわめなくてはなりません。伝統や文化を伝えることはもちろん大切ですが、「楽しかった」と感じて日本に対してよいイメージを持っていただければ、それはそれでよいと思います。

日本の伝統や文化の話をするときには、一般的な日常生活を盛り込むことにしています。身近なことや個人的なことにお客様は興味を持ちます。特にアメリカの方は、七五三や結婚式の説明をする際に親戚や私自身の写真を使うととても喜んでくださいます。

日本人が普段どういう生活をしているか、本では得られない知識を伝えたいので、私がその日つくった朝食のことなど、日常生活の様子を細かく話すようにしています。
日本人にとっては当たり前の、洗濯物が外に干してあること、自転車が路上に置いてあること、子どもがひとりで歩いていることなどが外国人にとっては驚きです。それらを拾い上げて説明することを心がけています。

ツアーの運営面では、乗り物の時間に注意しています。事前にインターネットの時刻表で確認するのですが、実際には変更がある場合でもネットには載らないこともあります。このため何度か冷や汗をかいたので、時間に余裕のない時には特に気をつけて確認しています。

 

Q7.海外のお客様に日本に来ていただくためには、どうしたらよいとお考えですか?

厳しいベジタリアンにも対応できるレストランが増えてほしいと思います。日本では精進料理なら大丈夫だろうと思われがちですが、多くの場合カツオだしを使っているので、お寺の精進料理以外は厳格なベジタリアン向きではありません。

日本では両替できる場所が限られているので大変です。お客様には、3000円から5000円の現金はいつも用意しておくことや、両替できるタイミングをご案内しています。

今ではトラベレックス、セブンイレブン、郵便局などでも両替できるようになり、以前よりはずいぶん便利になりましたが、街角ごとに24時間営業の両替屋のあるヨーロッパなどに比べるとまだまだ少ないのです。

英語版の日本地図の入手も困難です。地図が手軽に手に入れられるようになるといいと思います。
また、日本では絵葉書がセットになって売られていることが多いのですが、バラ売りを充実させていただきたいです。

日本に関する海外向けの広報のやり方ですが、海外のテレビ局に来てもらい、海外の人たちに自国の人向けの番組をつくってもらうのが効果的だと思います。こうした方法は、日本のあるテレビ番組で実際に行われていますが、海外で日本を知っている人の裾野を広げるにはとても良い方法だと思います。

<取材後記>
長年のキャリアを通して多くのお客様を案内してきた橋爪氏からは、肩の力が抜けた伸びやかさが感じられました。そうした一方で、約束の時間のずっと前から待ち合わせ場所に来ているという細やかな心遣いをしてくださいました。こんなところにもエージェントさんの信頼が寄せられているのかもしれません。

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