第42回 通訳案内士インタビュー 谷澤優子氏

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Guide Interview 第42回 通訳案内士インタビュー 谷澤優子氏 ドイツ語通訳案内士

日本の外食産業が好評

Q4.日本を案内してドイツ人に好評なのは、どんなことですか?

日本の外食産業への満足度が高いです。チップ不要、水、お茶、おしぼりのサービス、ウエイターやウエイトレスがすぐに出てくる、明瞭な会計など日本人にとっては当たり前のことが、とても評判がいいです。価格についても、日本は高いと言われながらも、居酒屋の飲み放題などはリーズナブルです。日本のビールはドイツ人にも好評です。

また、日本ではきれいなトイレがどこにでもあり、チップが不要なのも喜ばれています。中国や韓国に行ったことのある人たちが多いので和式にもそれなりに対処しているようですが、最近では洋式トイレが増えてきました。

ドイツ人の日本観光は春が中心です。多くのドイツ人が持っている日本のイメージを満たされることを心地よく感じるのだと思います。ツアーでは、日本庭園や古い町並みが残っているところが含まれているものが好評です。

一般にドイツ人は日本文化への関心が高く、仏教や神道の話を熱心に聞いてくれます。好奇心や知識欲が高く、日本の教育、平均収入、どんな家に住んでいるか、結婚率、離婚率などの日常生活に関することにも興味を示します。ヨーロッパとアジアの違いを自分なりに理解すると、来てよかったと感じるようです。

 

Q5.今年はドイツからの訪日客も増えていますが、旅行のコースや買物などにこれまでとの変化は見られますか?

ドイツからの訪日客が増えたのは、円安の影響でアジアに行くなら中国ではなく日本に行ってみようと考える人が増えたのだと思います。それでも他国と比べると、震災後の観光客数の戻りが遅れているのはドイツです。

旅行中も、ドイツ人は価値に見合わないものにお金を使いません。世界遺産になった富士山やスカイツリーなど、その時々の流行の場所はありますが、円安になっても買物の仕方や旅行自体に大きな変化はありません。

 

Q6.通訳案内士以外にはどんな仕事をなさっているのですか?

大学で第二外国語のドイツ語、それから言語学関係の科目を教えています。ドイツから帰国後、通訳案内士の仕事をしながら日本の大学院でドイツ語と言語学を研究し、2000年からは教えるようになりました。

大学で学生がどの言語を選択するかにはブームがあります。その言語を習うことでどのようなメリットがあるかを考えて選択しているようです。
この10年ほどはドイツ語を選択する学生が減り中国語に流れていたのですが、ここ1~2年は逆に中国語を選択する学生が減り、ドイツ語が持ち直してきました。

私の場合、通訳案内士と学生に教える仕事はどちらも人前で話すことが共通していて、よいコンビネーションになっています。ガイドの仕事は春に偏りがちですが、大学は2月から4月上旬まで春休みになるので、この点でもちょうどよいのです。翻訳の仕事をしていた時期もありますし、ドイツ語を使う仕事の可能性はいろいろあると思います。

 

Q7.学生に教えるときと、ドイツ人にガイドするときでは、相手からの反応が違うと思いますが、この点について聞かせてください。

ドイツ人は日本で“見たり聞いたりしたい”と思って来ていますし、学生は自分でドイツ語を選択して授業に出ています。そうした人たちに興味を持って話を聞いてもらえるかどうかはこちらの責任です。

違いがあるとすれば、ドイツ人はバスの中でも寝ないで説明を聞くのに対して、学生は居眠りしたりおしゃべりしたりする人もいることくらいでしょうか。

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