第43回 通訳案内士インタビュー 高橋自朗氏

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Guide Interview 第43回 通訳案内士インタビュー 高橋自朗氏 英語通訳案内士

Q2.通訳案内士のワーキング・グループ(WG)とは、どのようなものですか?

通訳案内士資格取得のために通った学校で一緒だった人たちと組成した自主勉強会です。資格を取ってもすぐに仕事ができるわけではありません。最初は、何を、どのように、どうしたらよいのか、誰も教えてくれず、ひとりで考え込むことが多くなります。そうしている間に、時間がどんどん経過していきます。

そこで、有志の10人程度が集まりWGを作りました。2ヵ月に1回程度の割合で自主研修会を開いています。気楽で、費用は安く、持続可能な集まりで、4年目の現在までに合計40回ほどの自主訓練を積んで参りました。

このWGでは、あらかじめいくつかの見どころを入れたウォーキング・ツアーのルートを作成します。そして、そのルート内の見どころごとに一定の人数を割り振り、その人数で所定の時間内で自主研修を行います。この研修で得た情報や知識はメンバー全員に共有され、2度目に同じ場所を研修するメンバーは、前回の研修内容を踏まえたうえで、研修を重ねます。
このようにして情報や知識を積み上げております。グループでいわゆるインテリジェンス・データベースを作成することで、個人で研修するよりもはるかに作業時間を短縮することができます。

今ではウォーキング・ツアーのみならず、体験型のものや、博物館等での訓練も、できるものから始めており、メンバーは40人ほどに増えています。

 

Q3.どのようにホームページ(HP)での集客をしているのですか。

通訳案内士の学校で一緒だった方の一人がHPを立ち上げてお客様を集め、鎌倉でウォーキング・ツアーを始めておられました。その方から、私が東京のウォーキング・ツアーの運営を任されました。

このHPには、現在9人の通訳案内士が参加しています。これらのメンバーの多くは、先にお話ししました勉強会にも参加されています。現在は、鎌倉、東京、京都のツアーを実施しているほか、お客様の希望に沿ったツアーの作成にも応じています。

ツアーが数日間にわたる場合は、1人のガイドが全行程を担当するのではなく、別のガイドへと引き継いでいきます。ガイドはお互いに気心を知っているもの同士ですので、大変スムーズに運営されています。ガイド間のコミューニケーションをうまくすれば、これが、お客様のためにもなり、又、ガイドが仕事を引き受けやすくすることにもなります。この点は大変重要なことだと思っています。

このHPからのお客様の多くは、40代から60代のご夫婦やお子さん連れの個人で旅行なさる方々です。お客様のニーズを捉え、HPにセールスポイントを組み込んでゆくことが競争に勝ち残る鍵だと考えております。

HPのアドレスはこちらです。
http://japantourguide.net/tokyo/about

 

江戸東京博物館ボランティア・ガイド

Q4.江戸東京博物館(江戸博)の英語ボランティア・ガイドについてお伺いします。どのような活動をなさっていらっしゃるのですか?

江戸博のボランティア・ガイドは、各人が担当する曜日を決めて、毎月少なくとも2回は博物館5階および6階の常設展示のガイドを行っております。1回のガイド時間は60分前後です。江戸博を訪れる方は、年間約120万人にのぼり、このうち約1万人がボランティア・ガイドの説明を受けておられます。
私は今までに約200組のお客様をご案内し、毎回の一期一会を楽しんでいます。

ボランティア・ガイドになるには、最初にテストを受けて選抜され、合格後10回程度のオリエンテーションを受けます。ボランティア・ガイドの方は日本語のガイドを含めて総勢約200名おりますが、このうち80名が英語ガイドです。英語ガイドの半数の方は英語通訳案内士の資格を持っておられると聞いています。

ボランティア・ガイドに対しては、4半期毎に開かれる特別展に合わせた専門研修が行われ、江戸博の学芸員の方の講義を聞きます。このほか、担当する曜日ごとに班を作り自主研修会も行っております。そのため、活動には多くの時間を割くことになります。

こうした活動に対して江戸博から費用が補填されるということはなく、経済的には全くの無償の行為です。それでも継続できるのは、ガイド終了後のお客様の感謝・笑顔と各ガイドの献身的なモラールのみに支えられているのだと思っています。それと博物館ガイドの方との人的ネットワークも大きな財産だと思っております。年齢差、40歳も異なる皆様方との自由で、気軽なお話の機会はめったにございません。感謝しています。

 

Q5.江戸東京博物館の展示物の中で、多くの外国人が関心を持つのは何ですか?

清澄庭園での博物館ガイドの先輩達と

やはり、武家屋敷、日本橋の町人地、江戸図屏風、上水道、棟割長屋、火消し、歌舞伎模型といったところでしょうか。これらは外国人の方が非日常を存分に味わいうる場所だと思います。そして、現在の日本、東京の過去450年の姿が浮き彫りになってきます。

お客様に江戸のエッセンスを早く楽しく理解していただくには、現在の博物館のように、視覚に訴え、体験できるしくみがあると効果的です。特に、日本になじみの薄い外国人に説明する時には、例えば、「グーグル・マップ」等で現在の位置関係を示したり、日本橋の近くには今は「スターバックス」があると言ったりして、彼らになじみのあるキーワードを持ち出すと興味を持って聞いていただけます。

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