第49回 通訳案内士インタビュー 海生郁子(かいお くにこ)氏

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第49回 通訳案内士インタビュー 海生郁子(かいお くにこ)氏 英語・スペイン語通訳案内士

広島を訪れた外国人の反応

Q3.広島を訪れた外国の方はどのような反応を示しますか?

いろいろな年代の方が広島を訪れていますが、なかには原爆についての展示が行われている広島平和記念資料館を見たくないとおっしゃる方もいます。けれども、ガイドとしては、とにかく一度見てくださるようご案内しています。
ご覧になった多くのお客様は、「広島については聞いたことはあったけれど、実際に来てみると、想像を絶するものだった。インパクトがまったく違う」とおっしゃいます。

被爆者である語り部の方の経験談を聞くと、若い方の中には自分たちは広島や原爆について何も知らなかった、とおっしゃる方がたくさんいます。一方、年配の方の中には、自国での解釈と広島で解釈されていることがずいぶん違うという指摘をする方もいます。

けれども、実際に被爆した方が語り部となって、決して恨みごとは言わずに、「もうだれにもああいう経験はしてほしくない」と言うのを聞くと、訪問なさった方々は出身国にかかわらず心を動かされるようです。
アメリカ人の中には、「加害者として自分たちには後ろめたい思いがあり、広島に来てはいけないのではないかと思っていたけれど、被爆者が恨む気持ちを乗り越えているのを知り、ここに来て本当によかった」と言ってくださる方もいます。ガイドとしても、お客さまにいらしていただいてよかったと感じます。

 

Q4.広島在住の通訳案内士として海外の人たちに何を伝えたいですか?

主観を抑え、客観的な事実をお伝えしたいと思っています。ツアーの中にはアメリカ人ばかりでなく、インド、パキスタン、東南アジアなどさまざまな国籍の方がいらっしゃいます。異なる国々の方がそれぞれの文化の中で育まれた考えを持ち、どれが正しいというものではありません。こうした方々に対して、ガイドは客観的な事実をお伝えしなければならないと考えています。

その上でお客様に広島平和記念資料館の展示を見ていただき、ご自分で考えていただければよいと思います。私の方から主観を交えては話さず、お客様からガイドとしての意見を求めてくだされば、それについての考えはお話しすることにしています。

 

Q5.中国地方で、外国人客に人気が高いのはどこですか?

広島県内では、京都から日帰りできることもあって広島平和公園と、厳島神社のある宮島を大勢の方々が訪れています。
宮島は、すべて自分の足で歩いて見ることができます。自然と厳島神社の建造物が一体となった規模の大きさばかりでなく、船から降りて歩いて近づくと、見る場所によって同じものが変わって見えるのもすばらしさのひとつです。

広島平和公園の中にある平和記念資料館への2012年度の外国人入館者数は、その前の年に比べて約60%増加しました。

このほか最近では、リピーターとして日本にいらした方が、クルーズ船で松江、出雲、萩などに入って街歩きをなさることが増えています。これらの地域には落ち着いた魅力があり、地元の人たちを近しく感じられるのだと思います。
クルーズでいらっしゃるご年配の方々の中には、萩では萩焼きの窯元に行き、高価なお買い物をなさる方もおられます。

食事は山陰の魚やそばなどローカルなものをお召し上がりです。ヘルシーで盛り付けもきれいな和食を楽しんでおられます。
一方、学生さんの場合は繁華街に自分たちで出かけて食事をすることが多いのですが、広島では圧倒的にお好み焼きが人気です。お店の方から作り方を習って自分たちで喜んで焼いています。

また、アートがお好きな方は、直島や高松に行かれます。こちらに行かれるのはフランス、スペイン、イタリアの方々が多いようです。

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