第51回 通訳案内士インタビュー 渡邉靖予(わたなべ やすよ)氏

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第51回 通訳案内士インタビュー 渡邉靖予(わたなべ やすよ)氏 英語通訳案内士

後輩へのアドバイス

Q6.後輩通訳案内士の方々へアドバイスをお願いします。

この仕事では、実際に歩いてみて自分の目で下見をすることがとても大事です。

下調べをするのに本や百科事典を使っていた私たちの頃とは違って、今はインターネットが普及して大変便利になりました。
けれども安易にネットに頼るのではなく、実際に現地に行くことで得られる情報が非常に大切だと感じています。レストランについて知りたいのであれば、実際に足を運んでそこで食事してみることです。お店の担当者の名前もわかりますし、何かあったときに交渉することもできます。

ネットの情報だけを頼りすぎないことも心に留めておくべきでしょう。ネット画面では予約が満席になっていても、電話で問い合わせれば入れてもらえたことが最近続いて起こりました。
桂離宮を下見しようとインターネットで調べたらすでに予約がいっぱいでしたが、宮内庁に電話したら入れてもらえました。
また、駐車場に何時間駐車できるかを電話で確認したら、ネットに表示されているよりも長く停めさせてもらえたこともありました。インターネット上の情報は絶対的なものではないのです。

下見しなければならない場所が遠方で事前に行くことができない場合は、現地に電話してきちんと詳細を把握しておきます。仕事のための投資が必要です。近鉄線の乗り換えにはどの階段を使えばよいのかを確認するために名古屋まで行ったこともありました。お客様をご案内する当日までどうしても下見できなかった場合は、その日の早朝、朝食抜きでタクシーを使ってひと回りして来たこともあります。

 

Q7.海外のお客様に日本に来ていただくためには、どうしたらよいとお考えですか?

お客様からの要望で多いのは、Wi-Fiの環境を整えることです。
一方、私がさらに増やしてしていただきたいと感じているのは、海外のカードで現金を引き出せるATM、英語のサイン、駐車場です。

ATMは、海外のカードに対応できる機種をセブンイレブンや郵便局以外にも設置していただきたいです。

英語のサインについては、外国語表示を増やすとともに、表示の仕方も考えていただきたいと思います。これまで日本語の地名がそのままローマ字表記されてきましたが、最近になって外国語に訳して表示する方向に見直す動きがあるようです。
けれども、外国人がタクシーで運転手に行先を伝えるような場合には、日本語のままの地名の方が通じやすいと思います。

また、駐車場が不足しているため、路上駐車をしなければならないことがあります。こうした場合、ドライバーさんは車を離れることができないのでトイレにも行かれません。
訪日客を迎えるには、必要な設備を国が主導で整えてゆくことが不可欠だと思います。

最後に、無免許ガイドへの厳格な取り締まりを強く望みます。現状では取り締まりが行われていないため、通訳案内士の資格を持つ人たちの就業機会が奪われています。国の担当者が観光地に出向いて現地で取り締まれば、無資格ガイドへの大きな圧力になると思います。 訪日観光客の人数だけに目を奪われるのではなく、受け入れ態勢の一層の充実を図っていただきたいです。

 

<取材後記>
忙しい日程の合間を割いてインタビューに応じていただきました。渡邉氏は待ち合わせ場所を簡潔で的確に指示してくださったばかりでなく、当日は待ち合わせ場所を下見して混雑状況を確認したうえで案内してくださいました。テキパキとした中に温かみが感じられる人柄で、これからも長い間現役を続けていただきたいと思いました。

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