第54回 通訳案内士インタビュー 嶋田明子氏

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第54回 通訳案内士インタビュー 嶋田明子氏 英語通訳案内士

地元の人たちとの交流の機会を

Q6. 外国人を案内して、日本で好評なことは何ですか。

日本人との交流を大変喜ばれます。お客様が一般家庭を訪問してホストファミリーと交流できるよう、旅行会社がホームビジットをツアーに組み込むことがあります。双方向のコミュニケーションで感動を共有することができるので、ツアーの最後に「今回の旅行のハイライトはホームビジットだった」とおっしゃるお客様が大勢いらっしゃいます。

ツアーの予算や日程などに制限があってホームビジットができない時には、通りや駅など人の集まる所で、地元の方々にできるだけ話しかけるようにしています。

今春、8人のアメリカ人と一緒に谷中を歩いていたら、浴衣を着たおばあさんが自転車に乗ってやって来ました。ちょうど私たちが立っていたところがおばあさんのご自宅前だったので、私は思わずおばあさんに「こんにちは」と声をかけました。その方は92歳で、お一人で暮らしているそうです。私たちを見ると、にこやかに玄関先まで招き入れてくださいました。

玄関には、一人暮らしにもかかわらずたくさんの靴が並べられていて、中には男性ものもありました。これはセールスマン対策だそうです。
このように親切なおばあさんに偶然出会ったおかげで、一人暮らしのお年寄りの生活を実際に見る機会に恵まれました。

相手の方に迷惑をかけず時間的に可能であれば、できる限り交流を持つ機会を作りたいと考えています。

 

Q7.今後、より多くの外国人に日本を訪れてもらうには、どうしたらよいとお考えですか?

日本を訪れた海外の方々が日本人と交流できる機会を提供するとよいと思います。都道府県や市町村が中心になってお祭りやイベントに外国人を呼び込み、盆踊りや花火大会を一緒に楽しんでもらえたらと思います。

例えば、青森県は冬のスキーシーズンに外国人観光客を誘致することに積極的ですが、そこでも日本人と外国人の交流の可能性を見ることができます。
街の中にねぶた居酒屋があって、津軽三味線の演奏を聴いたり、他県から訪れた観光客と一緒に踊ったりしました。十和田湖では冬にお祭りが開かれ、地元の方達と花火を鑑賞したり、雪のかまくらでお酒を酌み交わす場面もあり、お客様にとって思い出深い旅行になったようです。

<取材後記>
外国人と日本人との交流の場を設けるという方法に、訪日リピーター獲得の可能性を感じました。嶋田氏は能の面白さとして、制約の中で人間の感情を表現することを挙げましたが、今後のインバウンドのためには、時間、場所、予算といった制約の中で思い出に残る交流の舞台を創り出す腕前が日本人に求められているのかもしれません。

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