インバウンドコラム

【海外メディアななめ読み】旅館の予約率が600%増⁉ その原動力となった日本ならではの文化とは?

2018.04.10

清水 陽子

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スノーモンキーとして有名な地獄谷野猿公苑のニホンザルが、温泉でストレスを解消していることが京都大学の研究で明らかになりました。知的好奇心旺盛な人々が世界中で愛読するあの米雑誌、ナショナルジオグラフィック(National Geographic)が、『日本の有名なスノーモンキーはストレス軽減の為に入浴する』との記事を掲載しました。

まるで瞑想するかのようにお湯の中でくつろぐサルの写真とともに、長く風呂につかっていたサルは、全く風呂に入っていないサルよりも、ストレスの目安となるホルモン値が低かったという研究結果が示されています。

日本や温泉に興味がなく、スノーモンキーも知らなかった人たちが、この記事を通じて「日本の温泉に行ってみたいな」と思ってもらえるのではないかと期待しています。

ドキュメンタリー番組が人気の欧州では、日本の文化や風習を丁寧にレポートした番組が放送されることがあり、元々日本に全く興味がなくても、紹介された文化や風習を通じて、日本にハマる人も多いのです。

「熊野の木こりの仕事に感動したから」だとか、「刺し子の美しさに魅せられたのが始まり」だとか、思いもよらない入り口から、日本ファンになってくれる人がいます。旅行雑誌を通して、日本に辿り着いた人よりも、ディープに日本を求め、リピートしてくれるようになるのが、文化への興味が日本への入り口だった層の人々です。

「日本の風呂文化」は、今すでに認知度が高く、温泉やお風呂文化を体験できる旅館は、「Ryokan」として、ちょっとしたブームです。Airbnbが行った2018年上期の予約状況に基づく調査によると、日本のRyokanの予約数は、昨年比で600%の伸びを見せています。

メキシコシティには、ラテンアメリカ第一号のRyokanがオープンしました。客室には畳が敷かれ、日本のOnsenをイメージしたお風呂が、街を見下ろすルーフトップに設置されているそうです。

お風呂文化と旅館は、スノーモンキーの研究結果も追い風に、様々な層で、様々な国で、益々大ブレークの予感です。

 

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