インバウンド事例

2019.08.30

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RWC 2019に合わせて、50以上の祭りを世界へ発信!『祭りアイランド九州』とは?

事例のポイント

1
9県と民間企業が連携し、官民一体となって取り組む
2
九州初、最大規模のイベントで話題を集める
3
祭りをフックに、地域の魅力を全世界へPR
4
ラグビーファンを見据えて、広報活動は欧米豪にフォーカス

今年日本で開催される世界的なスポーツイベント『ラグビーワールドカップ(RWC)2019 』を目前に控え、各自治体では海外から訪れるラグビー観戦者を取り込むためのさまざまな施策が進められている。中でも3都市が試合会場となっている九州では、地域一丸となった大規模なイベントを企画したことで話題を集めている。ここでは、50以上の祭りを発信するプロジェクト『祭りアイランド九州』について詳しく解説する。

 

RWC2019、九州では3会場で10試合の開催が決定

今年9月20日から11月2日までの44日間に渡り、アジア初となるRWC2019が日本で開催される。全国12の会場で48試合が行われる中、九州では福岡県(東平尾公園博多の森球技場)、大分県(大分スポーツ公園総合競技場)、熊本県(熊本県民総合運動公園陸上競技場)の3会場でプールマッチ8試合、決勝トーナメント2試合の計10試合が開催される。RWC開催期間中、欧米豪を中心とした海外のラグビーファンが日本に押し寄せることを想定し、九州では地域の魅力を全世界に発信する大規模なプロジェクト『祭りアイランド九州』が実施されることとなった。

 

▲唐津くんち

 

祭りアイランド九州実行委員会、発足の経緯

『祭りアイランド九州』を主催する祭りアイランド九州実行委員会は、九州地域戦略会議(九州地方知事会および九州経済4団体で構成)によって2018年10月に発足された。このプロジェクトは、九州地域戦略会議のメンバーである九州7県と山口県、沖縄県の計9県が民間企業と手を取り合い、官民一体となった大規模な取り組みとなっている。ラグビーの試合では同じチームの試合間隔が4日以上空くため、試合のない日に各地を訪れ日本の文化や伝統を体験したいと思っている観戦者は多い。祭りアイランド九州実行委員会では、こうした国内外から訪れるラグビー観戦者に地域を周遊してもらうべく、9県に点在する多彩な秋祭りを一元化し、地域の魅力としてPRする仕組みづくりを進めてきた。

 

『祭りアイランド九州』が掲げる2つの目的

祭りアイランド九州実行委員会は、今回のプロジェクトで2つの目的を掲げている。ひとつは熊本地震からの復興に向けて九州・山口地域の魅力を全世界にPR すること、もうひとつは(主に欧米豪からの)外国人観光客の九州・山口地域の周遊促進およびリピーター化を目指すことだ。

▲祭り集結メイン会場イメージ

▲祭り集結メイン会場イメージ

メインイベントとなる『九州の祭り集結』は、9月28日と29日の2日間に渡り、熊本市内中心部で開催され、九州・山口の38の祭りが一堂に会する。また、「肉・麺料理」をテーマに九州・山口地域の各県を代表するグルメとお酒が大集合する『九州・火の元気まつり』も同時に開催される。さらに、RWC2019に合わせた9月20日〜11月3日までの期間は、各地を周遊して祭りを楽しむことができるツアーを用意した『九州・山口地域の祭りめぐり』を企画。これに伴い、祭りアイランド九州』のサイト内には9月20日〜11月3日に各地で開催される50以上の祭りを紹介するページが開設されている。

 

広域連携によるメリットと課題

前述の通り、祭りアイランド九州は9県で連携を行っていることに加え、祭りの発祥地である市町村とも協力をしている。多くの自治体を巻き込んで施策を遂行し、PRを進めていく上でどのような点がメリットとなっているのだろうか。祭りアイランド九州実行委員会の事務局次長、山田育照氏は次のように語る。

「各県の広報活動との連動ができるという点がメリットになっています。また、官民一体となった活動ということで、メディアにも興味を持って取り上げていただきやすいですね。自治体が協力している事業なので、各祭り団体及びそれを支援する市町村の協力も得られやすいです」

一方で課題となった点は、PR素材が整備されていないことだ。当然のことながら、地方に点在する大小50以上もの祭りがそれぞれにプレス用の画像や映像を揃えているわけではない。事務局はウェブサイトや動画作成には多くの労力を費やしたため、これを機に素材の整備を進めていきたいと考えている。

 

▲高千穂夜神楽

▲高千穂夜神楽

 

欧米豪にフォーカスした情報発信

欧米豪を中心としたラグビーファンへのPR活動においては、日英バイリンガルのウェブサイトを立ち上げたほか、外国人が祭りに参加できる体験メニューを作成し、月1回のペースで欧米豪の旅行会社約150社にメールしてきた。また、海外とのパイプを持つJNTOや国内の海外連携機関(在日フランス商工会議所等)とも連携し、積極的なPRを心がけてきたという。自治体には、外国人が参加・体験できるメニューの整備を促し、祭りの体験メニューを商品化することで、今後はインバウンド向け旅行体験販売サイトなどでの販売も視野に入れている。

山田氏は「日本のお祭りの海外での認知度は、まだまだ低い」とした上で、「タビ前・タビ中など、さまざまなチャネルで認知度を高めるための施策を行い、その効果や結果をとりまとめることで、今後に生かすことも重要だと考えています」と語る。イベント自体は1回限りとなるが、今後も祭りを九州観光の目玉のひとつに成長させ、九州の交流人口拡大に資する魅力あるコンテンツになるようにしていきたいと考えている。

九州初で、最大規模のプロジェクトとなる『祭りアイランド九州』。RWC2019の期間でどれほどの経済効果を生み、九州の観光コンテンツとしていかに成長していくのか、大きな注目が集まりそうだ。

 

取材協力:祭りアイランド九州実行委員会

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