データインバウンド
2017年の国際会議件数、3313件で6年連続過去最高に。神戸市は専門部署の設置などで2位に躍進
2018.11.29
刈部 けい子日本政府観光局(JNTO)によると、2017年に日本で開催された国際会議の件数は、前年比6.2%増の3313件、参加者総数は172万6000人だった。全国のコンベンション推進機関等からの情報を基にとりまとめたもので、基準は以下の通り。
主催者 : 国際機関・国際団体(各国支部を含む、または国家機関・国内団体 但し各々の定義が明確でないため民間企業以外は全て対象)
参加者総数:50名以上
参加国:日本を含む3カ国以上
開催期間:1日以上
注:他の国際団体(ICCA、UIA)による国際会議統計の基準とは異なる。
日本の国際会議件数は右肩上がり、6年連続過去最高を記録
日本で開催された国際会議の件数は、2011年に一旦1800件台に落ちたものの、2012年以降は2000件台で順調に推移し、2016年に初めて3000件を超え、その後も順調に伸びているのがわかる。
インバウンドビジネスというと訪日観光客を思い浮かべるが、MICE参加者による経済波及効果も見逃せない一面だ。MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことで、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントの総称となる。
観光客以上の経済効果が期待できるMICE
MICE参加者は比較的滞在期間が長いため、その間の宿泊、飲食、観光など経済・消費活動が広範で、一般の観光客以上に周辺地域への経済効果を生み出すと考えられている。
例えば観光庁が発表した2016年のICCA基準の国際MICEの外国人一人当たりの総消費額は企業会議で約32万5000円、報奨・研修旅行で約32万円、国際会議で約37万3000円、展示会・見本市で約27万5000円となった。
専門部署の設置など誘致を強化する神戸、2位に躍進
さて、2017年の調査結果を見ると、都市別の開催件数では、1位東京23区、2位神戸市、3位京都市となっている。なかでも神戸市は、前年の260件から405件へと145件も増加し2位に浮上、2位常連の福岡市は4位に後退した。神戸市は2015年8位、2016年に4位、2017年2位と飛躍を続けているが、2016年に国際会議の専門部署を設けるなど誘致強化に力を入れてきた。
2017年の国際会議参加者総数は172万6000人で、前年比7.3%減だった。これは、参加者数200人以下の小規模会議の開催件数は増加したものの、中・大規模会議の開催件数の減少が影響したとみられる。
なお、国内各地でMICE施設の新設・増設が予定され、MICE誘致に向けた機運が高まっており、JNTOは日本の魅力を発信することでMICE誘致につなげたいと、「第1回MICE開催地・日本の魅力フォト・動画コンテスト~New ideas start here~」を開催中だ。
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